20180213バーフバリ 王の凱旋(2017;監督:S・S・ラージャマウリ)

物語には母型があると語ったのはジョゼフ・キャンベルだったと思うが、この作品も世界的に広く存在する物語の母型の一つのパターンに沿って展開する。

 兄弟間の王座争い、姑と嫁の争い、国と民、善王と悪王、…。様々なモチーフが登場するが、「ライオン・キング」、「スター・ウォーズ」、「朱蒙」、「ハムレット」など、同様の型を持つ作品が想起される。

 勧善懲悪の物語がスッキリとするのは人間的な感情なのだろうか。

 世界中至る所で形を変えて今なお同様の“物語”が再生産され続けている。

 現実は映画のように簡単ではなく、解決の糸口が見つからないまま多くの問題が現在進行形で横たわっている。

 この作品を見ていて、問題は世界大のスケールの話ではなく、すごく身近な家族関係や友人関係の問題に収斂されていくように感じた。身近な他者である家族や友人との関係を丁寧に紡ぐことが世界大の争いの解決の第一歩なのかもしれない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?