大学の近くにインド料理屋があった。店長はインドからの出稼ぎで、「妻と子どもがインドで待っているから早く会いたい。次の休みはインドに帰るんだ」と笑顔で語ってくれた。単身赴任のお父さんの苦労を感じつつも、いつも笑顔の店長に会いたくて、何度もカレーを食べに行った。元気にしてるかな。

　モノには組み合わせがある。阿と言えば吽。ツーと言えばカー。弥次さんに喜多さん、C3POにR2D2。ラーメン屋には週刊ジャンプ。その店でもあのダンサブルなインド映画が。

　知り合いの劇作家がマヒシュマティ王国の国民にならんとしていると聞きつけ、遅ればせながら急ぎ入国準備にかかった。「マハーバーラタ」を元に作られたことも後押しした。そう言えばSPACも「マハーバーラタ」を上演している。

　インド映画と言えばカラフルな色彩と踊りと歌という強烈な印象があるが、まさにディ・インディーだった。圧倒的なスケール。歌と踊りのシーンでは毎回、歌謡ショーが始まったかと錯覚するが、さまざま、ぶっ飛び振りが楽しかった。