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ゆるいブログ:阿含宗関東別院照明改修工事

当時最先端の照明設備を導入した阿含宗関東別院、この度、照明設備を大幅改修しました。
当時とは昭和62年頃の話であります。

ここ数年は、老朽化で色々と問題課題があって騙し騙し使っていたのですが、建立から約36年を過ぎてついに初の大改修となりました。

工事中の本堂
偉い人にみつかったら怒られるかもしれないけど、後方を写してるので大目に見てほしいところ

天井が高いので、ヤグラを組んでの作業をずっとやっておりました。

写真は掲載できませんが、本堂内の御本尊様たちも、光空間を創造する職人さんによって光り輝く見映えになっています。光の向きや散らし具合、光量、光温度といった事柄を計算して作り上げられているとのことです。職人さんのお仕事は本当に素晴らしいです!

阿含宗は密教ですから、金剛界と胎蔵界の曼荼羅も本堂の奥に飾られております。職人さんのご説明では、従来はハロゲンランプであったので電球の熱で曼荼羅の絵が色褪せてしまうのを防ぐ為に光量を凄く落としていたようだが、今回からLEDになったので熱による色褪せの心配が無くなったため、曼荼羅がよく見えるように光量を設定してあるとのこと。
ボクも実物を見ましたけど、曼荼羅がはっきり見えます。電球が原因の色褪せが無いというのは、本当に心強いものがあります。

照明機材を集中管理する仕組みを基板から取り替えています。DMXという規格らしいです。

スポットライトが天井にたくさん吊り下がっている 
DMX規格のケーブルで繋がってます

護摩法要は単純に同じ照明で続けるのではなく、導師の入堂時、神仏に法要の趣旨説明をする時、護摩の炎が燃え盛っている時、それぞれの場面で照明を変えることで見栄えが全く変わります。
これが、ここ数年、機材の老朽化で細かな制御ができなくなっていました。
今回、設備更新が成されたことで、昔の大先輩修行者が作り上げた照明演出の設定表を復活させて、現在の最新機材で再現し、さらにプラスアルファで今の機材だからできる追加要素を加えます。
照明の設定表というのは、約二十の場面ごとに、どの照明をどのくらいの明るさにするかが記載された一覧表です。紙で印刷したものをパウチして、さらにマジックで追記してある、法要の裏方の現場で使われ続けた歴戦の資料でした。
このようなものがあることを、ボクは全く知りませんでしたので、この設定表を見て感動しました。こういうものを作り上げて残した大先輩がいて、そして今、それを引き継いで再現しようとする人がいる。教団側の担当者と光空間を創造する職人さんがタッグを組んで時間をかけて設定作業をしていました。

護摩法要の照明演出は、厳かに、華やかに、でも自然な流れで切り替わっていきますから、気にしない人は違いに気がつきません。ボクも気にしていませんでした。
でも裏では、結構な努力の積み重ねがあるものなので、東京三田にある阿含宗関東別院で護摩法要を実際に見る機会を得た人は、護摩法要中の照明も見てくれたら嬉しいです。

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