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ドラマ「ブラッシュアップライフ」はなぜこんなにもたくさんの人の心を惹きつけるのか

昨日の最終回を見終えてすぐ、興奮冷めやらぬ状態でこの文を書き出した。

よかった、とにかくよいドラマだった。

バカリズムの脚本も、安藤サクラの圧巻の演技も、とにかく全てがよかった。行ったこともない北熊谷が愛おしくてしょうがない。

日曜日は毎週テレビの前にスタンバイ。最近はテレビ番組を見る習慣がない人も多いし、私もその一人。

あんなに大好きだったのに、私はいつからテレビを見なくなったんだろう。

リアルタイムを楽しむことの懐かしさを思い出して、久しぶりにわくわくできる時間だった。




2023年1月から放送されたこの「ブラッシュアップライフ」

主演・安藤サクラ×脚本・バカリズムがおくる、摩訶不思議な日常を描いたタイムリープヒューマンコメディ。

ささやかな日常を送る麻美(あーちん)が、壮大なスケールなリープに巻き込まれながらも平凡な人生をもう1度やり直すお話。



新型コロナウィルスの蔓延によって、人と距離を取ることが当たり前の世の中になって数年。

断りずらかった会社の飲み会も、実は苦手だったあの人のお誘いも、ソーシャルディスタンスを免罪符に断りやすくなった。

私自身もすごく生きやすさを感じるし、お付き合いにかかる無駄な出費も減らせたし、この空気感は嫌いではないしむしろ好き。

そんな世の中だからこそ、ブラッシュアップライフはたくさんの人の心に響いたのではないかと思った。



主人公のあーちん(33歳)がタイムリープして繰り返す人生は平成ど真ん中。

これ以外にぴったりの言葉が見つからないほど、とにかくこのドラマは「エモい」

たまごっち、シール交換、プロフ帳、ナースのお仕事、SPEED。ワードだけでもエモい。平成ってエモい。

たまごっちを育てるのが上手なしーちゃんに預けてまめっちにしてもらうのも、頭を引っ付けて価値を見定めながら行うシール交換も、全てがオフラインでないと成立しない世界線。



そうだった、人と接するのってこんなに楽しかった。とうに忘れていたこの感覚。

それをエモさと、笑いと、感動で思い出させてくれたのがこのドラマだった。

女子のグループっていくつになっても陰湿だなんてイメージもあるけれど、ブラッシュアップライフの仲良し四人組の会話の中にマウント要素は一つもない。

みんなで中学時代の担任をこき下ろし、友達の元彼をゴミ屑扱いするシーンはあるけれど、仲間内で誰かが誰かを否定するセリフは一切出てこない。



「友達っていいよね」

そんな当たり前のことをさらりと書き上げるバカリズムのかっこよさと、あーちんという平凡な女の子の人間臭さを圧巻の演技で表現した安藤サクラ。

この二人の融合によってできた優しい世界が、たくさんの人の心を照らしたからこそ、ここまで大ヒットしたんだと思う。

今の私の幸せが誰かの想いの上で成り立っているのなら、私も全力でその人を幸せにしたい。

そんな風に「ふふっ」て心があったまる、本当に素敵なドラマだった。

同じ時間に同じテレビ番組を見て、友だちや家族と感想を言い合う楽しさを、思い出すことができたのもよかった。

終始ゆるっとした内容なので、未視聴の方も隙間時間にぜひ。

明日もちょっとだけ頑張ろう、そんな風に思える作品です。

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