見出し画像

9年使ったEvernoteに別れを告げ、UpNoteへ移住する

私はすべての思考をテキストベースで行っている。

空間認識能力が絶望的になく、物体をイメージで捉えることが本当にできない。
それをアウトプットすることもできない。絵を描くときだけ性自認がはいだしょうこだ。
小学2年生のときに跳び箱を跳ぶ人間のデッサンぽいことをやらされたとき、自分の描いた画用紙が担任から返されるころには添削の赤ペンで全面真っ赤になっており、「面白い絵ですね」という限界まで配慮された最大の悪口を食らったのが懐かしい。

それゆえ、考えるとき、覚えるとき、すべての脳内での活動は基本的に言語でのみ整理される。

「箱を作りたい」となったとき、たいていの人はまず絵を描いてイメージを思い浮かべるのだろうが、私の場合「大きな紙を用意し」という出だしから始まる。
それくらいすべてのアイデアは言葉から始まり、この人生は言葉にきわめて依存している。

だからこそ、自分にとってメモツールとは、大容量外部記憶装置であり、つまるところ脳の一部である。


2018年のクリスマスイブに『メモの魔力』という本が発売されて、日本に一大メモブームが起こる4年前、自分が高校一年生だった2014年から私はすでに(自分にとっての)メモの大事さに気づいていた。

ふと、「アイデアをきちんと残そう」と思ったのだ。

頭の中で思って、しばらく留めていても、次顔を出すのがいつかわからない。それに新しいアイデアが生まれれば、古いアイデアの詳細は川を転がる石のように削られ、「きっかけ」を色濃く残した原型のかたちが思い出せないほどに丸くなってしまうだろう。

だから、その瞬間のエネルギーをそのままにずっと残しておけるものが必要で、それにはスマホを使って片手ひとつで記録ができるメモツールというのが適していた。

その時代一番人気だったのが、Evernoteだった。

2014年11月2日にインストールし、とりあえずテストした。初めて作成したノートがこの記事のアイキャッチである。位置情報がタイトルに載っている。高校の所在地である。友達いないから昼休みにスマホいじってたんだろうな。

インストール日に作ったノートは5つだった。
それらには「お気に入りのキャラクター」「画像の画質を上げる方法」など書いているが、中には一行目に「140cmのロリかわ超童顔に生まれたひんぬーJK」と書かれたノートがある。お前はこんなんを残すためにEvernoteを入れたのか? そら高1男子なんぞ性欲真っ盛りなんやからしゃーないよ、おーん。


いろいろなものを書き溜めていくうち、自分の情報整理の型というのを見つけた。

大きいカテゴリの中に、雑多にまとめる」というものだ。

私は基本的に、多くのアイデアを同時進行で進めたい人間だ。
なにかひとつのノウハウやインスピレーションを得ると、それを自分の持つあらゆるアイデアに照らし合わせて改善したくなる。
そういったことをするとき、1つのアイデアごとに1つのノート、としていると、アイデアがそれぞれ個別の状態で置かれているため、「見直す」ことがしづらいのである。

たとえば私はバンドをやっているため、歌詞をいくつか作っている。
これらはまとめてガッとつくるより、いろんなものを気が向いたときに一行ずつ書き足していくことがほとんどだ。

これには創作論でよく言われる「寝かす」という意味合いが含まれている(その概念を知る前からそうしていた)。
一度つくったものを数日ほど時間を空けて見てみると、主体的な創作から時間をおいたことで客観的視点で創作物を見ることができ、修正点や次の展開などが浮かんできやすくなる、というものだ。

私はそれをいろいろな歌詞で同時に行っている。もちろん歌詞だけでなく、仕事上における企画や生活の工夫、すべてにおいて「並べて寝かす」パン生地のようなことをしている。
これらを、「その時と違う、今の思考の枠組み」から(ふと)見ることで、新たな着想を得ることができる。外山滋比古は『思考の整理学』のなかでこれを「醗酵」と呼んでいる。

私の場合、カテゴリ分けは曲の性質(ちゃんと作る曲、コミックソング(活動頻度はきわめて低いながらコミックバンド的なことを高校生のころからやっているので)など)ごとにノートをつくって、その中に改行などしながら、ひとつひとつ歌詞を塊ごとに分けて置いている。
このとき、順番は基本的に新しく書き始めるものをいちばん上に置くが、「これもうすぐ完成できそう」や「(バンドとして進行しているので)完成させなくては」という優先順位の高いものは、その優先順位が高ければ高いほど上に持ってこられる。
私はこうして歌詞も、note投稿用の記事も、「今生きるうえで意識すべきノウハウリスト」でさえも、同じように情報整理している。

もちろん、「to doリスト」ノートも例外ではない。
メモツールには大抵to doリスト用の表記様式(チェックボックス)などが存在しているが、私はそれらを使わない(ちなみに基本的な装飾もほぼ使っていない。極力『プレーン』であることを情報並置の美学と考えている)。
単純なto doはもちろん、やりたいこと(願望)やスケジュール、来年の目標まで雑多に「やること」を並べているので、明確な形式で整理するのが適当ではないからだ。

また並び順については、「これらが優先順位」というのをあえて明言せずに、上から順に並んでいることで“暗に”優先順位を示唆する程度。
すると、「同時にやっていくといい感じになる」という自己の方法論をつねに見失わず、かえって「今なにをやるべきだっけ」というのをいちいち意識して確認するようになる。これは非効率に見えるが、つい業務効率化の脇に置かれがちになる自由な創造性を忘れずに生きられる。
こうすることで、ハッ、そういえばこれをしなきゃいけなかったっけ。というタスクを、より印象深く思い出すことができる。私はto doを(その価値・意義も含めて)忘れやすいので本当に役立っている。


このように、私のメモツールの使い方は非常にシンプルであった。

プレーンなテキストを、最大限綺麗に整理できるようなあらゆる機能をいっさい使わず、ただ並べる。
ノートごとの大きなカテゴリ分けと、さらにそれらのカテゴリを整理するもうひとつくらいの分類(私の場合、タグ)さえできればもう十分。

というところで、「無料でいいじゃん」というのをずっと一番に考えていた。

Evernoteは無料で最低限のことができた。
一人分の情報を制限なく保存することができる
求めるものがこれくらいならば、無料で使えることにこだわっても問題ないだろうと思っていたのだ。


いちおう、言っておくと、何度か移行を考えたことはあった。

Evernoteの最大のネックは、「無料プランは1アカウント2デバイスしかアクセスできない」ことだった。

これまでは「スマホ・ノートPC」の2デバイスというところで、そこはあまり問題を感じていなかったが、大学に入ると「持ち歩き用の2台目ノートPC」を購入したので、それでEvernoteをすぐには編集できないという問題が発生した。

その点マイクロソフトOfficeのOnenoteは、Windowsアカウントがあれば制限台数なしのマルチデバイスで簡単に同期できるし、プレーンな感じだったのでいいかもと思った。
出先では、長い文章はOnenoteに書いて、のち帰ってEvernoteに移すということをやってた時期もあった。

ただ、動作が不安定だったり、なによりコンテナ? という謎のテキストボックスの幅の調整がいちいち面倒だということで、長くは続かなかった。
それから持ち歩きPCでどうしてもEvernoteを使いたい日は、ブラウザ版でログインして、帰ってからメインPCでログインし直す、というのをやっていた。


Evernoteは悲しいことに無料ユーザーの体験を露骨に悪くして有料プランへ誘導するという、悪いほうの課金促進に走り始めた。

ここ数年の間で、アプリを起動すると「有料プランオファー」のウィンドウが50%くらいの確率で表示されるようになった。

これはもしかしたら私のデバイスだけかもしれないが、このオファーのウインドウを消すと、「画面回転をオフにしているのに、スマホを横向きにすると画面が勝手に横向きになる」というバグが発生するようになったのだ。

寝ながらスマホをやる自分にとって、このオファーが表示された瞬間、アプリを消して再起動するしか方法がなかった。
私は今でもこのバグは「意図的に仕組まれた嫌がらせ」だと邪推している。

また、これまですぐに改善されていたような不具合も、いつまで経っても修正されないというのが頻繁に起こり始めた。

頻繁に同期の競合が起きたり、戻るボタンを押すと二段階戻ったり、ノート数が多いからかノート一覧でスクロールが強制停止されたり、ここ数年で起こったバグに関しては、まったく修正されないまま今に至っている。

きわめつけは、「スマホ版で最後の更新が同期されない」という、メモツールとしては致命的なバグである。

どういうことかというと、いろいろ書いた末、最後に書いた一行が反映されずに同期される=最後の一行が消えるというとんでもない不具合だ。
ノートに一行だけ追加しようとした場合、「一行書こうとした、その改行の跡だけが残る」のである。
これはもはやメモとしての体裁を成していないと言わざるをえない。

いちおう解決策はユーザー側ですぐに出て、
「改行、またはスペースを打つ、または適当な文字を打ってバックスペースする」ことでなぜかその文章は認識されるので残る。というものだった。
私は打ち終わった後、改行してすぐ消す、という2タップを毎回無駄に行っていた。

ちなみにこのころ、Evernoteのアメリカの社員は全員解雇されていたらしい。


これほどまでの仕打ちを受けておきながら、私は依然として重い腰を上げることをしなかった。

なぜか。
Evernote無料プランほど自分のニーズにマッチしたものがなかった」からだ。

これは、昨年「日本語化された」という記事を見てすぐに飛びついたNotionを使ってみて、あらためて思ったことだ。


先に言っておくと、Notionはきわめて優秀な情報整理ツールだ。

私がNotionをインストールした理由は、自分の所属するバンドの活動が、他のメンバーが社会人になり始めたために停滞し、「これから動き出すためには今なにをやるべきかを明確に洗い出し、それを共有することが大事だ」と考えたからである。

Notionは無料プランでも10名のゲストを招待できるので、バンド間で情報交換するには最適だった。

このバンドのワークスペースを公開する前に、自分一人で(そのころは半分ニートだった)いろいろとバンドに関するあらゆる情報(曲・企画・議論すべきトピック)をページごとに分けて書き連ねた。

Notionはなんといってもページの階層構築が非常にやりやすい
ページのレイアウトがいくつかあり、
単純にリスト掲載するにはリスト=ページ一覧表示、
トピックを並べたいときにはボード=Kanbanボード表示、
進捗を整理するためにはタイムライン=タイムラインビューと、
情報整理の目的に完璧に合ったレイアウトで情報を置き、それらひとつひとつの情報でページを作成でき、とても見やすい階層構造を築くことができる。

地味に嬉しいのがそれぞれのページにアイコンを設定できる点。
アイコンがあると認識しやすくなる、と文字にすれば当たり前のことだが、これだけで単純に文字のタイトルの意味だけで区別するよりも圧倒的に短時間で見分けを付けることができる。

このおかげで今バンドが持っている情報、アイデア、そして抱えている問題を一覧で共有することができ、通話や対面で議論が進んだ。
ある程度の方向性を話し合いで合理的に見定めることができたのは、紛れもなくNotionのおかげだ。
(で今どうなっているかというと実質活動停止中である。全員が社会人になり、いくつか重大な問題も発生したせいで、それどころではなくなってしまったからだ。近日再開予定[要出典])

そして社会に出た今、ビジネス関係のワークスペースとしてNotionを活用している。
ビジネスおよびサラリーマンの成功要因の一つはとにかく情報であり、日々の仕事でも情報を効率的に整理し活用しようとすることはきわめて重要な姿勢である。
その点で、ビジネスにおいてはNotionを駆使した情報整理がもはや欠かせないものになっている。
これが無料でできるのである。しかも自分の使っていない機能&拡張機能(表作成・関数計算・プレゼン資料作成…要はOfficeでやれること大体全部)がまだまだたくさんある。Notionは計り知れないほど有能だ。(Microsoftも自社NotionことLoopというのを作ったらしいけど、もうNotion使ってるから別にいいや)

(ちなみに現Notionの最大の特徴でありながら、文頭でスペースを押すだけで勝手に起動するので使わない人にとっては煩わしい「Notion AI」だが、サポートチームに「この機能無効化してください」とメールを送ると自分がオーナーのワークスペース上すべてで止めてもらえるので、強くおすすめしたい)


ここまでのことができて、Notionに完全移行しない理由はないんじゃないか、と思うだろう。

おそらく、大抵の人にとっては「Notion使えばオールオッケー」が答えになる。

しかし、私にとっては「一部」そうではなかったのだ。

Notionのいいところでもありながら、Evernoteの情報を移行するには大きすぎる壁になっているのが、Notionのコンテンツ単位である「ブロック」である。

WordPressのブロックエディタでもおなじみ、このnoteも同じだが、ざっくり説明すると、「ページ内の情報のひとかたまり」である。

ここらへんについては検索したほうが早いので割愛するが、なぜこのブロック単位が自分のニーズに対して障壁になっているのかというと、それはコピー&ペーストの問題だ。

基本的には、このNotionのページ上で表示されているもの自体が情報整理の完成形になるから、それを「他の場所に移す」ということは想定していないのである(Notion上での表示が完璧すぎて、なんとNotionのページ自体を直接Webで公開して、ネットで検索可能な状態にもできる。Notionは無料HP作成ツールにもなるのだ)。

だからこそ、Notionに書かれた情報をコピーして、たとえばこのnoteにペーストしたとすると、決まって改行空白が意図どおりにならないのである。

そしてもうひとつ、Notionは「・」を入力すると自動で見やすい箇条書きデザインにしてくれるのだが、それをコピーして貼りつけるとたとえばメモ帳(もっともプレーンなテキスト表示)では「- 」という表記が付与されていちいち取り除くのが面倒。
そう、Notionは「強制マークダウン記法」なのである。

もちろんEvernoteでもマークダウン記法は使えるが、「・」を押したところでマークダウンは発動されない。だがNotionでは、プレーンな「・」を表示させるためには、「『・・』と記して、一個消す」という無駄な工程を経なければならない。これが「強制」と記した理由である。

ブロックと、強制マークダウン。
これらが、「書くものをそのまま貼りつけられる」という自分の求める「第一の」ニーズに合わなかったのだ。

つまりこの「第一の」ニーズとは、「コピペニーズ」である。

(広義的な)創作は単に共有するだけでなく、いろいろな形式の投稿エディタにコピペされるものだ。

私がプレーンテキストにこだわる最大の理由は、「いかなるエディタにも汎用的に対応できる」からだ。

Notionはその点で、「移す」ということを想定していないので、コピペニーズには弱いと思われる。
もちろん、それ用に「コード」というブロックタイプがあり、言語を「Plain Text」にすればNotion上でプレーンテキストを表示させることができるが、自分のWindows上では表示フォントがあまりにいまいちすぎる。

そうしたプレーンなコピペが、できる。

ただそれだけのニーズが理由で、私はEvernoteの改悪にずっと耐え忍んできたのだ。


そこまでの機能は要らない。だから、無料にこだわる。
というか、無料でできることに金を払う必要を感じない。

だから、どんなに体験が最悪でも、私は無料ユーザーとしてEvernoteを使い続けてきた。

プレーンなコピペができて、ただ、常識の範囲内の量を保存できればいい


そして、2023年11月末、このようなニュースが報じられた。


そう、じゃ、サヨナラ。

別に思い入れはない。
これがいちばん「マシ」と思っていたから使っていたまでのことだ。

ただ、最低限のことすらできなくなるなら、もはや使う理由は皆無だ
ほかの選択肢はいくらだってある(はず)。

仮に「最適」を満たすものがなくても、「最低限」を満たしていない、かつバグにまみれ、体制が崩壊していて、無料ユーザーを自社の敵かのごとく恨んでいるEvernoteに戻る理由は、もうない。

こうして私も、ずっと前からかつてのEvernoteユーザーがそうしていたように、メモツール民族大移動の一員に加わったのである。


私と同じタイミングで移行先を探し始めた、おそらく最後の大波の人々がまず口々に挙げていたのがJoplinだった。

JoplinはEvernoteの有料プラン値上げに対抗するために生まれたという経緯があるらしい。

ということで、とりあえず自分も使ってみた。

移行自体は簡単で、Evernoteからノートをエクスポートしたものをそのまま移行先のメモツールでインポートすればいいだけ。

ただしEvernoteはノートのエクスポートにおいて「最後の嫌がらせ」を仕掛けており、一度に50ノートしか出力できないように移行対策を張っていたのである。私は500ノート程度しかなかったからよかったものの、10000もノートを保有している人は、もう実質情報を人質に取られたようなものなので、Evernoteに課金して使い続けるしかないようだ。カルトみたいですね

あと、出力しても一部ノートのタイトルが正しくコピーされない。これも修正されていないバグの一つである。

いちおうこの二つの問題は、「Evernote Legacy」という古いUIバージョンのEvernoteを使うことで、「エクスポートノート数制限なし」「タイトル消失バグなし」とスムーズに事が進む。

ただ嫌がらせ体質のEvernote、いつの間にかLegacyを公式リンクから消してしまったのだ。

しかし、このサイトにもあるように、DL手段はあるのでご心配なく。

移行したのだが、元のノートにあった空白行がすべて消えてしまった。
つまり、Joplinはブロック方式だったのである。

そして、コピペすると改行が一行ごとに残ってしまうことも判明。ということでJoplinはあえなく不採用となった。
ただ、私のニーズはそれなりに限定的かと思われるので、Evernoteを情報整理に使っていて、Notionはオーバーだなあと思っている人にとっては、Joplinは最適解になることだろう。


Obsidianも見てみたが、データの保存先がローカルで安全ではあるが、同期がとてもめんどくさい。Obsidian独自のクラウドもあるがEvernote有料プランと同じくらい高額なのでやめた。
ここで「マルチデバイスで同期しやすい」というのが自分の中でひとつ重要だったことに気づく。
ただObsidianは移行勢の中でもめちゃくちゃ高評価だったのでぜひ。洗練されたUIや情報のつながりが可視化できる機能などがきわめて革新的らしい。


ここまでくると、あとはもう1つしかなかった。

というより、実はこれもEvernoteのバグが酷かったときに「さすがにもう沈むんじゃないか、突如サービス終了するんじゃないか」と思って一度移行を検討していたメモツールである。

UpNoteだ。

今年6月にEvernote利用者だった新海誠監督が乗り換えたとツイートしたことで話題になったUpNoteである。

こういうのでいいんだよ」という感じで、Evernoteにもっとも感触が近いというのを聞いていた。
今回の移行者の中でも最終的にこれに決めたという人が多かった。


ではなぜ、これを「最終手段」と定めていたのか。

無料プランには、「50ノート制限がある」からである。
今回のEvernoteのプラン変更と、同じである。

そう、この瞬間、
「メモツールを無料で使う」という線は、完全に断ち切られたのである。

無料ラインですら、自分の「最低限」を満たすものはなくなってしまったのである。

だが、もう構わない。
だって「メモツール使わなきゃもう人生成り立たない」のだから。


なら、結局有料なのだし、そのままEvernoteの有料プランに加入すればいいのでは?
そんなことはない、とわかっていた。

このUpNoteの料金、「月100円」なのである。

安すぎる。大丈夫か?
安すぎて不安というのではなく、この値段でこの会社やっていけるのか? という心配。

月100円。

Evernoteと同じような機能で、
Evernoteより運営がしっかりしていて、
Evernoteの月額の1/11

UpNoteを選ばないわけがない

ふつうのメモツールなら、月額プランの次に「年間プラン」を置くが、
UpNoteはもう一つの選択肢として「買い切り」を出してきた。

これは通常4000円(たぶん円安で前より高くなってる)。
40か月分=3年4か月分である。

これが今、ちょうどキャンペーンで若干安くなっていて(このタイミングを狙っていたと思う)3480円。

およそ3年分である。



買い切るに決まっている。


俺はUpNoteに人生を捧げるんだ。3年使えばそれ以上は得になる。
1か月だけ100円でお試しとかやらない。
もうこれしかないと確信しているのだから

まず、移行した段階でEvernoteの元データと比べ、空白行省略などいっさいの変更がなかった。
つまり、ブロック表示ではない。
CLEAR。

データはUpNote側のクラウドに保存され、即同期。
有料プランなので端末制限もない。
CLEAR。

UpNoteも当然マークダウン記法ができる。しかし、「- 」と打ってドットを表示させたのち(自分は表示するつもりはないが)、その部分を含んだテキストをメモ帳にコピペしても、「- 」は現れない。
Notionは「・」を打つと自動的にマークダウンの中黒が現れるが、UpNoteで「・」と打っても、ただ「・」のままである。
つまり、『プレーン寄り』なのだ。
CLEAR。


買ってよかった~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!

2023年のベストバイ、確★定。

いやもう本当に、自分の利用範囲の中で、できないことがない

最低限を完璧に満たしきっている。

これだけのことでも、見つけるまでに時間がかかった……。
ありがとうUpNote……私はここを安住の地とする……。


UpNoteだからできることがある。

まず、表示のカスタマイズ性がすごい。

デフォルトの「フォント」「フォントサイズ」はもちろん、
なんと「行の長さ」に加え「行間」「段落の間隔」まで調整できるので、自分が一画面に表示したい情報量とその表示の強さを細かくカスタマイズすることができるのだ!
しかも端末ごとに設定可能!!

いや~~ほんと文字が見やすい……。

さらに、自分がデフォルトから設定を変更したものとして、

ノート一覧にサブノートを表示する→なし
親ノートブックにネストされたノートブックのノートを表示する→なし

この設定でどうなるかというと、
親ノートブックのリストで全子ノートブックのノートが表示されるようになるのだ!

たとえば、
親ノートブック「キャラクター資料」の中で、
子ノートブック「サンリオ」「萌え」らのノートが、
あたかもその親ノートブック収録のノートとしてまとめて表示されるということに!

こういう「ちょうどいい」情報整理、めちゃくちゃ助かるのよ。


と、まだインストールして4日しか経っていないが、

EvernoteからUpNoteへの移行は、
自分の最低限の使い方だと完璧でした!

という報告でした。

自分の記憶代わり、兼アイデア集積所代わり、兼これまでの自分の総体として。
テキストベースで生きる人間は、無事電脳の移植に成功したのでした。


うおおおおおおおEvernoteなんざもうな、Nevernoteだよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!



追記
メモツールからnoteへのコピペについて。

当然同じマークダウン記法だから、noteと同じように書いたNotionはペーストしたときに原文の表示に近い。マークダウンの「・」もまとめてそのままペーストされる。
ただし、Notion上の「ブロック」でなく、「マークダウン部分」までの文章が一度に同じブロックに入る。そのため一ブロックのプレーンなテキストが数個続いてもnoteでは一つのブロックにまとめられてしまう(空白行のブロックすら無視される)ので、わざわざ改行していかなければならず、面倒くさい。

なおEvernoteでマークダウン記法をした場合も同じなので、ブロックエディタとマークダウン記法は基本的に相容れない宿命なのかもしれない。WordPressの記事もメモ帳にいったんディップしてからって聞いたことがある。
なおEvernote上プレーンテキストで書いた場合、「『メモ帳』を経由してコピペすると、空白行によってブロックが区切られる」。仮に経由しないと、Evernote上の改行どころか空白行すら無視されすべての文章が一ブロック内に入ってしまい面倒。マークダウン記法したものをメモ帳経由してnoteに移しても当然noteはマークダウン記法なので同じように表記されるが、Notionの場合で書いたように一つのブロックにまとめられてしまう仕様があるので逃れられない。

しかしUpNoteはプレーンテキストをそのままコピペしても、「(改行を無視して)一文一ブロックでペーストされる」。
そしてメモ帳を経由すると「改行も正しく表示される」つまり、完璧。
さらに、マークダウン記法を使って書いたものをnoteにコピペするとそのまま出力されるのはもちろんながら、Shift+Enterで改行すると、UpNote上では変わらないように見えても、note上ではしっかり同じブロック内にまとめられている。
結論、「文字どおりまったく同じ」というわけである。なんということだ。

ただ当然のことながら、一つの記事を集中して書くんだったらnote上で書いてしまったほうが早いです。下書き機能もあるし。
私もメモツール上である程度書いたのち、投稿するかってなった段階でこっちに移して書いています。


今お読みいただいた文章にもれなく「価値」が付与されます