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伝統の世界を垣間見るー石州和紙


しまコトインターンシップに参加して、石見地方の伝統・文化について話を聞かせてもらいましたが、その中でも個人的に興味があったのが「石州和紙」でした。


そこで早速先日、石州和紙会館に行ってきました!
手すき体験をしながらいろんなお話も聞かせてもらったので、記録を残しておこうと思います。

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石州和紙会館は、三隅中央公園内にあります。プールやテニスコートなどがある運動公園で、学生時代には部活で何度か来たことがある場所なのに…
こんなところに会館があるなんて、到着するまで全く知りませんでした。。


”日本一丈夫な和紙”

無事会館に到着し、受付を済ませたら、まずは石州和紙の歴史や工程についてのDVDを見せてもらいました。そこで初めて「石州和紙は日本一丈夫な和紙」と言われていることを私は知りました。

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↑これは和紙のウエディングドレス!こんな風にミシンで縫うこともできるほど、丈夫なのだそうです。



担当してくださった職員の方に聞いてみると、石州和紙は地元で生産された楮(こうぞ)という植物を原料に作られているそうです。石州和紙で作られた半紙(石州半紙)は、国の重要無形文化財の指定を受けていたり、ユネスコ無形文化遺産にも登録されているそうです。

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(↑原料となる楮の皮を干している様子。この日、午前中に作業をしたそうです。)

ちなみに「石州半紙」の読み方は、「せきしゅう ばんし」と読みます。
この日教えてもらうまで、てっきり「せきしゅう はんし」だと思っていた私は、そもそも読み方から違っていました。
地元のことなのに、知らないことばかりですね…


ひっそりと佇む、世界的技術

ここからは、”気になったら聞いてみたくてたまらない私の性格”が止まりません。手すき体験を担当してくださった職員さんだけでなく、偶然その場で作業をされていた職人さんにも色々と教えてもらいました。


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(ちなみに今回手すき体験で作ったのは、A3版とハガキ版の2種類。
和紙がシワにならないように木枠を動かすのが、すごく繊細で難しかったです。)



まず最初に気になったのは、「石州和紙ってどこで使われているんだろう?」という疑問。
聞いてみると、石州半紙は書道や石見神楽などで使われているようです。他には、主に文化財の補修。しかも日本各地の文化財補修だけでなく、ルーブル美術館などの海外でも文化財の保護・保管のために石州和紙が使われているとのこと!

「そんなすごい和紙だったなんて…!」
全然知らなかったので本当に驚きましたが、それ以上に驚いたのは、説明DVDでも出てこなかった情報がさらっと出てきたこと。

もっとアピールすれば良いのに…?
世界に通用する文化は、すごく謙虚に、そしてひっそりと、この場所に佇んでいるんだなと思いました。


紙すき十年

ちょうどその場で職人さんが作業をされていたので、お邪魔にならない程度に話を聞かせていただきました。

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(すごく話しやすい方で、親切に教えてくださいました。しかもよく聞いてみると同じ高校の先輩ということも判明!奇遇!)


なんでも日本全国の和紙でも、「手すきのみ・機械化はしていない」ままで続いているのは石州和紙だけなのだそうです。そんな職人さんの技術力だけで世界に進出している石州和紙。


「私もまだまだだよ〜」と言われた職人さんに、技術を磨く上で何が難しいのか?聞いてみました。


「手すき十年」と言われるほど、手すきは繊細な技術なようです。
というのも和紙の発注は、「サイズ」と「厚さ」を指定されることが多いため、同じ厚さの和紙を、しかも大量に生産するのは本当に難しいそうです。


そして人がやることなので、もちろん失敗もある。それを少ない失敗で同じものを作るには、それ相応の技術力が必要。でもその技術力も、結局は経験を積むしかないそうです。


また天候によっても出来が左右される世界。和紙の厚さを判断するときに、重さだけでなく光の加減でも判断するため、見え方が変わると厚さも微妙に変わってしまうそうなのです。


もう体験の終盤には「すごい」という言葉しか出てきませんでした。それほど聞けば聞くほど素晴らしい文化であり、技術だと思いました。
今回は体験でしたが、今後も色々なイベントも開催しているようなので、引き続き関わっていきたいなと思いました。


”生の声”を聞く

今回は本当に”体験”でしかなかったので、まだまだキッカケでしかありません。
でも直接赴いて、生の声を聞けたことは良い経験になりました。

そして来月に発表する「しまコトプラン」にも繋がるヒントをもらえました。
ネガティブに捉えられがちな”地域課題”も、表面的な課題だけを見る危険性も学べました。(これについては誤解を与えないよう、あえてnoteでは書きません。機会があれば、直接お話しさせてください)

地域にとって、本当に幸せなことって何なのか?


正解はないけど、常に誠実にまっすぐ向き合いたいなと思った一日でした。


ご協力くださった方々にも、感謝の気持ちでいっぱいです^^
ありがとうございました。

「この記事良かった!」または「なしょこを応援したい!」という優しい方がいらっしゃれば、そのサポートは私の学びに充てさせてもらいます^^