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統計検定準1級 一撃必殺合格体験記 (2024.3)

統計検定準1級を独学で一発合格(ギリ?)した僕が解説する、合格を目指す方に見てほしい記事♪

自己紹介(合格時)

都内大学理工学部3年。4年次から確率・統計系の研究室に配属される予定。酒にとても弱い。

受検したきっかけ

なんとなく一つくらい資格が欲しかったのと、機械学習やAI、データサイエンス等に興味があったから。

統計検定 準1級の性質・動向

統計検定公式ページはこちら

準1級の試験範囲はこちら。明らかなように、最大の特徴は範囲が膨大である点。しかし、1級と比べると出題内容は深いところまで触れられないようである。(だからといって浅い理解で合格できるわけではない)

合格点は60/100点。
2021年6月まではPBT(記述・論述問題を含む)試験であったが、それ以降CBT(コンピュータにて選択肢式、一部数値入力)試験に変更。それに伴い、いつでも受検可能になり、合否もその場でわかる。自分は受検4日前に申し込みました笑
なお、PBT・CBTいずれも合格率は公開されている。(CBTの合格率は長らく非公表だったが、受検前日に公式Twitterで流れてきた笑)。PBTでは約20%、CBTでは約35%程度。

使用教材

  1. 統計学実践ワークブック
    圧倒的不可欠。こっから出題されると言っても過言ではない。ただコンパクトにまとまりすぎているので、最初は意味不明。適宜他の教材で行間を埋める必要がある。

  2. 統計検定 準1級 公式問題集
    6年分のPBTの過去問と解説。CBTの過去問は販売されていないので、これが最新版。

  3. 多変量解析入門
    単回帰分析、重回帰分析、主成分分析、判別分析、数量化法、クラスター分析、因子分析、グラフィカルモデルなど、ワークブックには載ってない具体的な計算方法や理論を学べる。

  4. 1冊でマスター 大学への統計学
    2級以前の基本的な内容がしっかり身につく。

  5. YouTube (後述)
    ぶっちゃけこれが1番デカい。他人に教えてもらうのが最短最速。いい時代だよホント、、、

合格までの道のり

もともと2級以前を取得しておらず、いきなり準1級に挑み、しかも独学なので苦労したが、一度の受検で合格できた。

  1. 大学3年夏 (2023.7)
    1冊でマスター 大学への統計学』にて2級以前の内容を一通りカバー。種々の確率分布、期待値、分散、推定、各種検定など基本事項を理解。

  2. 大学3年夏休み (2023.8~2023.9)
    統計学実践ワークブック』を一周する。初見ではただの意味不明な怪文書でしかなかった。そのため、例題には手を付けず、根性で最後まで一読。

  3. 大学3年秋学期 (2023.10~2023.12)
    YouTubeチャンネル『データサイエンスLab.』『Yuya Kawaguchi』『田中嘉博』『AI・データサイエンス研究者「へちやぼらけ」』で勉強しつつ、ワークブック二周目。例題も取り組む。なんとなく内容がわかってくる。また、『基礎からのベイズ統計学』という本も勉強したが、わからなすぎて半分で挫折。

  4. 大学3年冬休み (2023.12~2023.1)
    多変量解析入門』開始。練習問題にも取り組む。個人的にかなりの良書で、準1級の要ともいえる多変量解析の力がついた。

  5. 大学3年春休み (2023.2)
    ワークブック3週目。例題にも取り組む。ここまで来ると怪文書だったワークブックがいかによくまとまっているかがわかる。YouTubeも引き続き。

  6. 直前期 (2023.3)
    ようやく過去問を始める。同時にわからなかったことをノートにまとめる。ワークブックと被っている問題は飛ばして解いた。論述問題もそれなりに勉強になる。過去問を始める時期はもっと早くていいと思った。

  7. 試験当日 (2023.3.19)
    もともと受検日は未定だったが、受検4日前に決意し、申し込みを済ませる。


重要な章 (個人の主観。ワークブックに基づく)

資格を取得することだけが目的なら、ワークブックすべてを理解する必要はない。ワークブックは32章あり、合格点は6割なので、単純計算で20章ほど完璧にすればよい。ある程度勉強してみて、どうしても理解できないかつ重要度(出題頻度)が低い章があれば、2,3章くらいなら捨てて、他を強化しよう。

  • ☆☆☆☆☆
    「第1章 事象と確率」「第8章 統計的推定の基礎」「第9章 区間推定」「第10章 検定の基礎と検定法の導出」「第11章 正規分布に関する検定」「第16章 重回帰分析」「第20章 分散分析と実験計画法」「第22章 主成分分析」「第23章 判別分析」「第27章 時系列解析」「第30章 モデル選択」

  • ☆☆☆☆
    「第2章 確率分布と母関数」「第3章 分布の特性値」「第5章 離散型分布」「第6章 連続型分布と標本分布」「第7章 極限定理, 漸近理論」「第14章 マルコフ連鎖」「第15章 確率過程の基礎」「第24章 クラスター分析」「第25章 因子分析・グラフィカルモデリング」

  • ☆☆☆
    「第4章 変数変換」「第12章 一般の分布に関する検定法」「第18章 質的回帰」「第21章 標本調査法」「第31章 ベイズ法」

  • ☆☆
    「第13章 ノンパラメトリック法」「第17章 回帰診断法」「第19章 回帰分析その他」「第26章 その他の多変量解析手法」「第28章 分割表」


  • 「第29章 不完全データの統計処理」「第32章 シミュレーション」

自分が捨てた内容としては、「第28章 分割表」の後半のグラフや条件付き独立モデル、「第31章 ベイズ法」のMHアルゴリズムやギブス・サンプリング、「第32章 シミュレーション」の円周率πの近似値の求め方以外の話。
「第27章 時系列解析」は直前期まで理解が浅い点が多かったが、過去問を通して強化した。一見ムズそうな章だが、案外そうでもなかった。


受験上の注意

公式サイトから申し込みができる。準1級は受験料8000円(学割6000円)。CBTなので年中受検可。
当日会場に行くと受付に案内され、電卓・学生証の確認を済ますとパソコン室みたいな部屋に通される。
筆記用具は持込不可で、シャーペン1本と紙2枚が用意されている。紙が足りなくなったら呼出ボタンでスタッフを呼ぶシステムなのだが、自分はこれを何度押してもスタッフが来なかった(計10回以上押したのに)。
問題については、計21問あった(そのうち数値入力問題は3問ほど)。

所感・反省

本番では「統計的推測」の問題をもう少し取れたかなぁと。
また、受検日は予め早めに決めておいたほうがモチベを保つためにはいいと思う。
最初は本当に理解が追いつかない事項がほとんどであったが、挫けず諦めず勉強してよかった。今後は統計検定で得られた学びを機械学習や深層学習、AIを学んでみたい。みなさんもぜひがんばってください~

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