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辻協氏 ~用の美~

小代焼中平窯の西川です(^^)
熊本県で小代焼という陶器制作に携わっています。

…何かとバタバタしておりまして、文章を書くことに息切れしておりました(^^;
すみません…。


以前のようなペースではありませんが、少しずつ更新を再開できればと思います。


女性陶芸家・辻協氏


今回は私の好きな陶芸家のお一人、辻協氏をご紹介します。
辻協氏は辻清明氏の奥様であり、女性陶芸家です。

旦那様の辻清明氏も大好きな作家のお一人ですので、改めてご紹介できればと思っております。

実は初めて2019年の朝ドラ【スカーレット】についての情報を聞いた時、「女性陶芸家」「信楽焼」というキーワードを聞いて
「辻協さんがドラマになるんだ!」
と早とちりしてしまったほど、私にとって大好きな作家のお一人です。

※実際の【スカーレット】のモデルは神山清子氏です。

辻協氏の本名は「協子」ですが、女であることに甘えたくないという想いから“子”の文字を取り去り「協」と名乗るようになりました。
昭和20年頃の事だそうです。

昨今の状況ですと様々な意見が沸いて出そうなエピソードですが、
「昭和20年にそのような選択をした女性がいた。」
という事実のみを受け取っていただけるとありがたいです。

その是非について私は何も言いません。


辻協氏の魅力


家庭料理を盛りつけた辻協氏の器


茶器、花器、オブジェなどなど作家には得意分野がありますが、辻協氏は何の言っても
「普段使いの食器」
が良いのです。

形やサイズや色を計算し尽くして料理との唯一無二の共演をすることも、食器としての一つの美の極致であると思います。
※私には出来ない仕事ですので尊敬しています。

しかし、辻協氏は反対に隙のあるユルい食器なのです。
…失礼な物言いでしたらすみませんが…(^^;

そして、そのゆとりの中に、安心して家庭料理を盛りつけることの出来るような、そんな器であるように思います。

私の目から見るととても健康で、生活に寄り添った器であるように思えるのです。

昨今、辻協氏は忘れられつつあるように感じており、魅力を再確認していただきたくこの文章を書いた次第です。


2024年4月7日(日) 西川智成

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