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柳宗悦さんへ

小代焼中平窯の西川です(^^)

個人的に柳氏に対する考察をいろいろ書いているんですが、
今回は柳氏への想いを書いた文章を過去の記事から引用します。



昭和の陶芸家や陶芸関係者(柳氏は作ってはいません)について、
私としては特別に嫌いな方はいないんですよね。



大好きな方、好きな方、興味のない方がいるという感じです。

大好きな方々は今のところ
北大路魯山人氏加藤唐九郎氏川喜田半泥子氏
あたりです。



そして、柳宗悦氏は
私の中で特別な位置にいる人物なんです。



好きというより、
救ってくれた恩人であったり

色んなことを知る中で、
柳氏の考えに疑問を持って、受け入れられなくなったり

精神的な距離が近すぎたと反省し、
あくまで歴史の1ページであると考え、距離をとったり

でも、改めて本を読むと
共感する部分も見えてきたり
それと同時にどうしても共感できない部分もあったり…。



私はnoteの中で色々と考察していますが、
私なりに柳氏へ敬意をもって考察していますし、
若い頃の私を助けてくれたと、とても感謝しているんです。

18歳~19歳の頃の私にとって、柳氏はヒーローそのものでした。


以下、過去の記事から引用です。
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柳さんへの想い


私は幼い頃から
「ありのままの小代焼や小代焼の正しい歴史を、
正当に評価してくれる人が誰もいない…」という不満を持っていました。

私が10代の終わりの頃、
本の中の柳氏は、私の心を拾い上げてくれた人物なんです。

18歳~19歳の若い私は、周りが見えなくなるほどに、本の中の柳氏にのめり込みました。

特に大学2年生の頃は授業と授業の間に急いで図書館へ駆け込み、
柳氏の著書をひたすらノートに書き写す生活を送っていました。

29歳の私は、柳氏の考え方に共感しなくなってしまいましたが、
10年前の青年期の私が柳氏に救われたのは事実です。

何年後になるか分かりませんが、このことはいつか詳しく書きたいと思っています。


私の柳氏に対する感情の変遷は別の機会に回しますが、
今回は私から柳氏への手紙という形で〆させていただきます。



柳さんへの手紙



柳宗悦様


10代の若い私に手を差し伸べてくれて、ありがとうございました。

きっとあなたがいなければ、
私の青春時代はもっと頼りないものになっていたでしょう。

大人になった私は沢山の美術や工芸に触れ、
様々な思想を知っていく中で、
今ではあなたのそばから離れてしまいました。

しかし、
20年後、30年後には再びあたなに近づく日が来るかもしれません。
逆に、もっと遠くへ離れてしまうことも あるかもしれませんが。

それは その時にならないと…、今の私には分かりません。

今ではあなたとは違う、私自身の考えを持っておりますが、
若い私があなたに救われたのは事実です。

あの日あの時に、
本の中のあなたが私を救ってくれたこと、
心から感謝しております。

ありがとうございました。



令和5年7月5日(水)

西川智成


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2023年7月13日(木) 西川智成

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