柳宗悦

〈エッセイ〉「他人(ひと)の名を着る人たちへ 〜現代の民藝を柳宗悦と探す〜」

1、民藝の父、柳宗悦(やなぎ むねよし)

 当時、宗教学者であった柳宗悦は工藝に魅せられ、河井寛次郎、濱田庄司らと共に民藝運動と呼ばれる生活文化運動を始める。なぜ柳は民藝運動を始めたのだろうか。それは彼の著作の中でひしひしと感じられる世間の美の捉え方、資本主義制度による機械工業への移行に対しての問題意識であると考えられる。そういった、柳の危機感による民藝運動によって民藝、工藝は今の我々へと受け継

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民藝旅 vol.2 沖縄 \もっと知りたい与那国織/

曇り空を抜けて、爽やかな風がそよいだ。

ゆりこさんはランチを食べたあと、与那国町伝統工芸館にいるお友達に電話をしてくれた。その方が機織りの様子を見せてくださるそうだ。

懐かしい学校のような二階建の建物の玄関をくぐる。
下駄箱の上に、与那国織物の年表が掲げてあった。

確認できる最古の文献は、1477年の朝鮮漂流民の見聞録「李朝実録」か…
(※後日、国会図書館で文献を調べて追記しますね)

「琉

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民藝旅 vol.2 沖縄 \“うぶる” 作りのふみえさん/

「焼きサバか、ぶっかけ丼か、刺身定食か。」
なんとも贅沢な悩みである。

朝ごはんをもとめて、市場をふらふら。
Wi-Fi完備の魚屋さん「魚友」の野外テーブルで、手書きのメニューをながめていた。

朝からお刺身だなんて、贅沢すぎるわ。と、いつもの貧乏性から焼きサバを注文したのは午前8時半。

脂の乗ったサバ、海ぶどう、お豆腐、卵焼き。
お味噌がふつふつと回るあら汁に、口からよだれがあふれる。

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民藝旅 vol.2 沖縄 \市場メシと竹おばさん/

おはようございます。お腹がすきました。

朝すば

ゲストハウスからもぞもぞ、歩いて市場へ朝ごはん。

まるで香港マフィアの巣窟。ジャッキーなチェーンが空から落っこちてきそう。朝なのに真っ暗。

赤提灯がともるディープな沖縄、グッドモーニング!

お目当ては、ここ。ソーキそば専門「田舎そば」

怪しすぎる。

通り過ぎるふりをして、店内を覗き込む。
市場の兄ちゃんと、品の良さそうなご夫婦。カウンタ

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民藝旅 vol.2 沖縄 \プロローグ/

4月某日。

ぼんやりと天井を眺めながら、つぎは沖縄に行こう、と思った。
柳先生が「民藝四十年」で取り上げた沖縄。大学時代を過ごした沖縄。

東堂は貧乏学生だった。たこ焼きの具材は、コンニャク。詰め放題100円のもやしと、ゆし豆腐ラーメンが好きな学生だった。

手仕事に興味はあったけれど、ヘアゴムなどの小物を買うだけで精一杯。

「窯元でピザパーティーがあるから来ませんか?無料ですよ。」という後輩

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民藝旅 vol.1 山陰・愛媛編 まとめ

皆さまこんにちは、東堂です。

「民藝ってなんだろう」をテーマに日本を旅する、民藝旅 vol.1山陰・愛媛編、お楽しみいただけたでしょうか?

鳥取県からはじまった、もじゃもじゃ絵描きの民藝旅。

大砂丘に登り、

蔵の町に魅了され、

松の姿に息を呑み、

ついで旅路は四国、愛媛県へ続きました。

瀬戸内の春にときめいて、

友人の暮らしに触れて、

次世代の巨匠の芽吹きを感じて、

職人の静か

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民藝旅 vol.1 山陰・愛媛編 \10日目/【鳥取県 鳥取市】後編

※東堂のウェブサイト版の方が吹き出しでより読みやすいです。

\前回のおさらい/

鳥取のお医者さん、吉田璋也さんが「美による社会改革運動」という志のもと、「新作民藝運動」を昭和6年にはじめる。

吉田さんプロデュースの元、様々な手仕事の生活用品に指導が入り、鳥取のものづくりは発展。しかし、時代の流れとともに、木工など一部の手仕事の現状は厳しいものとなる…

*  *  *

3. 民藝にはいる、

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民藝旅 vol.1 山陰・愛媛編 \10日目/【鳥取県 鳥取市】前編

4月18日 木曜日、晴れ。

いよいよ、旅の結び、鳥取県民藝美術館でのインタビュー。

フライパンで焼かれる直前のウインナーの心地。
好奇心がプリプリに膨らんで、皮がパチンと弾ける期待感。
思い出したら緊張して、例えまでヘンテコになる。

東京の日本民藝館ともちがう、独特の建物。室内は少し暗い。

緊張して、のどがキュッと狭くなる。
約束の時間まで、館内をぐるぐる見てまわった。

パン切り包丁、ゆ

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民藝旅 vol.1 山陰・愛媛編 \9日目/【島根県 湯町】

4月16日 水曜日 くもり。

稲佐の浜から砂をいただいて、素盞嗚尊のお社に納めました。

まずは、斐伊川和紙でオススメいただいた出西窯へ。
オープンは9:30から。少しはやく着いてしまったので、のんびり近くをうろうろ。

*  *  *

出西窯は見学自由の工房と、直売所が併設。
窯の周りは「出西くらしのvillage」というオシャレスポット。

マガジンハウスの雑誌「& premium」にも掲

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死ぬのが怖い人へ (10)

前回、私が獲信をあきらめた後、本願疑惑心を取り去られた話を書きました(※第9話参照)。阿弥陀仏の本願を聞く時、どこにいても極楽浄土がすぐ隣にあることを知らされる身になったのです。

後日談

さて、他力によって疑蓋(本願疑惑心)を取り去られた私は、ご縁があった人々に阿弥陀仏の本願について話をするようになりました。

そうやっていてよく言われたのが「お坊さんになった方がいい」ということ。

これには

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