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悪意のミスリード

今回は焼き物に限った話ではありませんが、

歴史を調べたり、本を読んだり、人の話を聞いたりする場合の、
私が気を付けているポイントについて書いていきます。

私が100%実践できているという話ではなく、出来るだけ心掛けている内容だと思ってください。




ミスリードとは
「人の誤解を招く」
「判断を誤らせる」

という意味です。


↓下の例文はこの記事の引用です↓


例文


【柳さんへの想い】

私は幼い頃から
「ありのままの小代焼や小代焼の正しい歴史を、
正当に評価してくれる人が誰もいない…」という不満を持っていました。

私が10代の終わりの頃、
本の中の柳氏は、私の心を拾い上げてくれた人物なんです。

18歳~19歳の若い私は、周りが見えなくなるほどに、本の中の柳氏にのめり込みました。
特に大学2年生の頃は授業と授業の間に急いで図書館へ駆け込み、
柳氏の著書をひたすらノートに書き写す生活を送っていました。


29歳の私は、柳氏の考え方に共感しなくなってしまいましたが、
10年前の青年期の私が柳氏に救われたのは事実です。

何年後になるか分かりませんが、このことはいつか詳しく書きたいと思っています。

私の柳氏に対する感情の変遷は別の機会に回しますが、
今回は私から柳氏への手紙という形で〆させていただきます。


【柳さんへの手紙】

柳宗悦様
10代の若い私に手を差し伸べてくれて、ありがとうございました。
きっとあなたがいなければ、
私の青春時代はもっと頼りないものになっていたでしょう。
大人になった私は沢山の美術や工芸に触れ、
様々な思想を知っていく中で、
今ではあなたのそばから離れてしまいました。

しかし、
20年後、30年後には再びあたなに近づく日が来るかもしれません。
逆に、もっと遠くへ離れてしまうことも あるかもしれませんが。

それは その時にならないと…、今の私には分かりません。

今ではあなたとは違う、私自身の考えを持っておりますが、
若い私があなたに救われたのは事実です。
あの日あの時に、
本の中のあなたが私を救ってくれたこと、
心から感謝しております。

ありがとうございました。




公平な要約


若い頃の私は柳氏の思想にのめり込みました。
しかし、現在では柳氏と違う考え方を持っています。

将来、私は柳氏の考え方に再び共感するのか、それとも もっと違う考え方になるのか、今の段階では分かりません。
どちらの可能性もあります。

しかし、柳氏の思想が青年期の私の支えになったことは事実です。


プラスの要約


若い頃の私は柳氏の思想にのめり込みました。
大学生の頃はひたすら柳氏の著作をノートに書き写す生活を送っていました。

もし柳氏の思想に出会わなければ、私の青春時代は寂しいものになっていました。
将来は、現在よりも もっと柳氏の考え方に共感する可能性があります。

柳氏は青年期の私の支えになったという事実があり、今でも柳氏に感謝しています。


マイナスの要約


私は柳氏と違う考え方を持っています。

様々な美術・工芸・思想を知っていく過程で、
現在では柳氏の考え方に全く共感しなくなってしまいました。

将来の私は現在よりも、柳氏の考え方からさらに離れる可能性があります。


さいごに


上記の『プラスの要約』と『マイナスの要約』は言っていることが真逆ですよね。

しかし、
例文の一部を編集した文章ですので、明らかな嘘・創作物とは言い切れません。

そして、どちらの要約も私が言いたいことからかけ離れています。

だからこそタチが悪いんです。
はっきりした嘘の方が、見破りやすいだけまだマシです。


私は
焼き物を含めた様々な物事について、『公平な要約』を心掛けています。

私はワイドショーを見ないのですが、理由は番組内で『公平な要約』を見た記憶がないからです。


私というフィルターを通すので本当の公平とはいきませんが、
まずは事実を一度飲み込んだ上で、自身の意見にしようと思っています。

陶芸関連の書籍も、
真実よりも 著者のミスリードしようとする意図が優先されている場合があります。

様々な書籍と意見を見比べるなどの注意が必要です。



一方で、
全てのミスリードが悪いわけではありません。

ミステリー小説やサスペンス映画におけるミスリードは、その作品を楽しむ上での醍醐味です。

フィクションの世界からミスリードが無くなれば、私は映画にも小説にも興味がなくなるでしょう。


私が
ミスリード=悪意
と感じるのはあくまで現実世界でのお話です。



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2023年8月4日(金) 西川智成

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