Phish “Dinner And A Movie” Ep3 - 7/25/2017 New York, NY

13夜続けて、すべての曲が重なることなく演奏する伝説的なショウとなった、Baker’s Dozen、そのNight 4 Jam Filled フレーバーの日。おそらく誰もが「ジャムいっぱいのショウ」になると期待していた日。音源はすでに所有しているが、ビデオを観ながらあらためて聴いてみた。その仮想ライヴレポート。

Sample in a jar、のっけからちょいジャム盛っていて長め。いったん終わり、Pageがステージに進み出て、Lawn boy。Pageがいつものディナーショーのような雰囲気で歌を披露する。間奏でMakeがいつものベースソロを披露する間、おもむろにPageがバックステージからキーターを持ち出す。そしてMakeのあとでフレーズをトレースしたソロを弾き出す。急にテンポが上がり、ジャムに突入。えー?そんな展開になる?みたいな新しいスタイルだった。マイナーキーのファンキーなジャムが続き、終わってみるとなんと30分という史上最長Lawn boyとなった。まだ序盤なのにジャム盛りすぎでしょ。

そのままMy friend, my friendのイントロがかぶさり曲が移行する。途中Treyがディストーションかかったギターをマイクに近づけたりしてるのね。映像で見ないと気づかない。unfinishedで次の曲は?と思いきやマイルドなジャムが続き、10分超のMFMFはやはり史上最長のよう。

長いジャムが終わり突然、Stashのイントロが始まる。そつのない演奏。クライマックスに向け、Chris Kurodaの美しい仕事、ライティングが綺麗。フィニッシュと同時にBathtub gin。こちらもそつない演奏で終わる。さて、ここまでたったの5曲なのに80分弱というボリュームでセットブレーク。

2ndセット、TreyがMikeに耳打ちして何やら相談。PageのピアノイントロからFuegoがスタート。途中まではいつも通りだが、やはりタダでは終わらない雰囲気のジャムが続き、しだいにスローテンポになっていく。Mikeが電動ドリルを使ってベースにエフェクトをかける。そこからTreyがソロでフレーズを弾き出し、またテンポがしだいに加速していく。18分超過して、TreyがThreadのリフをイントロで弾き出す。この曲は直近7/16デビュー以来2回目だったので、当時あまり馴染みのないナンバーだったが、結局先日リリースされたばかりのスタジオアルバムSigma Oasisに収録されていた。

比較的短い演奏の終了すぐTreyのカウントアップとともにCrosseyed and painlessが開始、Talking Headsカバー、Fishのリードボーカル。 これまたジャムが長そうな予感。と思っていたら、ホントにやたら長かった!途中、長いTreyのメロディアスなギターとともに、ライティングもハイテンションで、美しくピークを迎える。終わるかな?と思いきや、いったん静かな中で幻想的なエフェクトが重なり、ゆったりとしたジャムが始まる。最後のジャムパートではTreyのギターがリードしながら再び加速、Pageのピアノ、シンセサイザーと、いくつかのフレーズを織り成しあいながら、still watingのコーラスに戻り終了。終わってみれば33分の史上最長C&Pだったという、さすがJam Filledナイト!

Treyがエフェクトをかけたループをバックに、Makisupa policemanのイントロが始まる。 途中PageとMikeにそれぞれTreyからソロを促す。TreyがMikeとFishに何やら伝えているのが見える。ややスローダウンして始まったのは、なんとEnd of sessionだったという。1999年にリリースされたStory of the ghost以来のデビューということで、これは記念碑的演奏。

アルバム収録と同じくらいの長さで短く終わり、Treyのギターイントロで始まったのは、Tuesday。Treyソロのこの曲、イントロを聴いても曲名が思い出せなかったが、この曲もレア。2005年収録以来、直前の7/18にPhishではデビューだったようだ。短めのジャムで締め、カットアウトと同時にCavern。いつものように最後はTreyとMikeでステップを踏んで。ブレークでのFishのパーカッションがいつもより長めにタメ気味。statsによれば1990年デビューのこの曲は、Phish全ショウの約25%で演奏されている。ここまで80分でセット2終了。セット2もわずか7曲でこのボリューム!

3分後に登場して始めたアンコールはJulius。普段通りのボリュームだが、手堅い演奏。普通ならここで終わってもおかしくないのだが、FishとTreyがエンディングを引っ張ったところで、Lawn boyのMikeのベースリフとともにPageが出てきて、最後のフレーズを歌い、unfinishedだった曲を締めるという伏線回収。これで全曲終了。このあとBaker’s dozenはこのMSGにて残り9ステージ、伝説的な演奏がショウが続くのだった。

これを観ていると現在大変なことに陥っているニューヨークで、果たしてまたあのMSGでPhishのショウが開催できる日が来ないかと、スタッフは祈るような気持ちでこの映像を配信したのだろうな、と想像した。このパンデミックの現状だと今年のPhishのツアーは残念ながらほぼ絶望的だろうし、MSGでのNYEも相当危惧されているんじゃないかな、と思う。ファンとしては非常に残念だが仕方ない。今はみんな耐えるしかない。

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