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酸素摂取量および運動に対する有酸素性代謝と無酸素性代謝の貢献

有酸素性代謝と無酸素性代謝

酸素摂取量は、酸素を取り入れ利用する能力の尺度になります。

つまり、酸素摂取量が多ければ多いほど、酸素を利用する能力が高く、有酸素性代謝能力が優れていると考えられています。

低強度の一定のパワー出力を伴う運動中では、酸素摂取量は定常状態(酸素の需要量と摂取量が等しい状態)に達するまでの最初の数分間は増加します。

しかし運動の始めには、エネルギーの一部は無酸素性機構から供給されます。

このような運動の全エネルギー需要量に対する無酸素性機構の貢献を酸素借と呼びます。

無酸素性エネルギー供給機構

最大パフォーマンスを維持するには、エネルギーを利用する身体能力を向上させることがきわめて重要になります。

エネルギー利用効率を平行して増加させなければ、最大パフォーマンスによる高エネルギー要求を持続的に満たすことは不可能であり、したがってパフォーマンスを低下させることになります。

アデノシン三リン酸(ATP)は身体の一時的エネルギー源であり、無酸素的および有酸素的代謝によって産生、補給されます。

無酸素的エネルギー供給機構には、ホスファゲン機構と無酸素解糖系が含まれます。

最大強度による短時間の激しい運動(2秒~10秒間)は、エネルギー供給源として主にホスファゲン機構を利用し、10秒~2分続く運動は、ATPの産生を無酸素的解糖系に大きく依存します。

運動強度と運動時間

運動後、酸素摂取量は安静レベルより高いレベルでしばらく保たれるが、これは運動強度と運動時間に依存します。

運動後の酸素摂取量は、酸素負債あるいは運動後過剰酸素消費(EPOC)と呼ばれます。

EPOCは安静時を超える酸素摂取量であり、運動前の状態に身体を回復する為に利用されます。

酸素負債とEPOCの間には弱いあるいは中程度の相関関係しかないことが報告されており、酸素負債はEPOCの大きさに影響を及ぼすかもしれませんが、両者は同じものではありません。

運動強度が個人の最大酸素摂取を超えるような場合は、無酸素性機構がエネルギーの大部分を供給します。

例えば、もしそういった身体活動に慣れていないクライアントが上級者に飛び入りした場合、ほとんどのエネルギーが無酸素性機構から供給されることになります。

一般に、運動時のエネルギー供給機構における無酸素性機構の貢献が増加すれば運動時間は減少します。

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