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個人事業主の節税大全|青色&ふる納以外で16万円節税した方法

割引あり

本記事では主に「開業を考えている方」「駆け出し個人事業主」の方々に向けて、節税方法を網羅的に徹底解説します。

節税について個人事業主である私自身がかき集めてまとめた情報を全て載せました。

ネット上に情報はたくさんありますが、検索して得られる情報はどうしても一般に向けた表面的な記載しかないように思えます。

私も体系的に仕組みを理解するまで、かなり時間がかかりました。

本記事では、通常なら水面下に埋まっていているような背景情報から、取捨選択・比較検討の過程まで体系的にお見せします。

つまり、私自身が開業する前に知りたかった情報を詰め込んでいます。

構成としては、年間で発生する税金・社会保険料を具体的な計算方法まで示した後、各制度(iDeCo、小規模企業共済、NISA)に対する利益のシミュレーションも交えて通常の節税策に留まらない段階別の手法をまとめました。

私は何でも自分で管理したいタチで、税理士に頼むという選択肢はありませんでした。そこで簿記を学習をした上で、会計ソフトの力を借りつつ、自力で確定申告をしています。(※属性:東京都在住・27歳・独身一人暮らし・世帯主・家がオフィス)


前提その1:課税標準額とは?

まずは税金の仕組みから。

税金の額は、儲けたお金の合計から経費や控除が引かれた「課税標準額」を元に計算が行われます。

色は確定申告書に揃えてみました。

入ってきた収入から、経費(事業のため購入したモノ・サービス)を引いたのが所得。
所得から控除(社会保険料など)を引いたのが「課税標準額」です。


実際の数値を当てはめた具体例を見ていきましょう。

控除の対象や税率は支払う税金によって変わってきますが、私なかむーの所得税における課税標準額を想定したシミュレーションを行いました。

所得税の課税標準額シミュレーション

入ってきたお金である「事業収入」(450万)から…
経費(青色申告特別控除(e-Tax提出)65万、計上経費55万)合計120万を引き、
控除(社会保険料控除26万、ふるさと納税の寄付金控除6万、基礎控除48万)合計80万を引くと、

課税標準額は250万になります。

以降の各章では、この数値を元に計算式・節税可能額を例示するので、ご自身の金額・予想額に置き換えれば簡易的なシミュレーションが可能になります。


前提その2:個人事業主が年間で払う税金等の計算方法

それでは、各税金の正確な課税標準額の税率と計算方法を見ていきましょう。

所得税(+復興特別所得税)

【課税標準額×税率ー控除額】です。

累進課税のため、税率と控除額は課税標準額によって変わります。

私の所得税額は…
・課税標準額:250万(上図参照)
・税率:10%(課税標準額が195万から329.9万までの場合)
・控除額:97,500円(上記国税庁サイト参照)
2,500,000×0.1ー97,500=152,500円
この額の2.1%が復興特別所得税として加算されて、総額155,702円(端数切り捨て)となります。

▼シミュレーションサイト例

支払うタイミングとしては、確定申告の際に”精算”をします。
報酬を源泉徴収されて受け取っている場合は、確定申告で還付になるパターンが多いでしょう。
源泉徴収は報酬額×10.21%(所得税率10%+復興特別所得税0.21%)が差し引かれます。確定申告での課税標準額が330万未満の場合であれば、報酬額から経費・控除を差し引いた金額に同率を掛けた上に控除額を引くことになるので、自然と取られすぎの状態になっているのです。
源泉徴収の対象かどうかは、以下サイト参照。


住民税

【課税標準額*×税率+均等割額ーふるさと納税の控除税額】です。

細かい数値は住所によって変わってきますが、基本的に税率は10%、全員が一律で払う均等割額は5,000円程度です。
「住んでいる市区町村名 住民税」で検索すれば、金額が出てきます。

▼例:東京都渋谷区の住民税

私が渋谷区住みと仮定すると住民税額は…
・課税標準額:261万(所得税の基礎控除額は48万ですが、住民税では43万のため+5万。ふるさと納税の寄付金控除が使えないため+6万。250万+11万)
・所得割額の税率:10%(特別区民税6%+都民税4%)
・均等割額:5,000円(特別区民税 3,500円+都民税 1,500円)
2,610,000×0.1+5,000=266,000円
そこから税額控除54,700円(ふるさと納税+調整控除額等)を差し引いた211,300円が住民税額となります。
※ふるさと納税の控除額は既に他の自治体に支払った分が引かれているだけですが…。

▼シミュレーションサイト例(お住まいの自治体サイトを検索をおすすめします)

支払う時期としては、翌年の6月からです。
確定申告した金額から、地方自治体が税額を算出して翌年6月頃に「住民税納税通知書」が届きます。


国民年金

【月額16,520円×12ヵ月=198,240円】です。

国民年金の保険料は所得金額と関係なく、基本的に固定の金額を払います。毎年少しずつ変わっており、令和5年は月16,520円でした。

▼日本年金機構公式サイト


国民健康保険

【所得割算定基礎額(事業所得ー基礎控除)×税率+均等割額】です。

住民税と似たシステムで、固定の税率と均等割額を支払います。ただし、所得税・住民税とは違って、通常、事業所得から引けるのは43万円の基礎控除のみです。
税率等の細かい数値は住所によって変わってくるので、自分の自治体のサイトを確認しましょう。

私が渋谷区住みとすると年間の保険料は…
・事業所得:330万
・基礎控除:43万
・所得割額の税率:9.59%(医療分7.17%+後期高齢者支援金分2.42%)
・均等割額:60,100円(医療分45,000円+支援分15,100円)
(3,300,000ー430,000)×0.0959+60,100=335,333円

翌年の7月頃に納税通知書が届き、支払を行います。

▼シミュレーションサイト例(お住まいの自治体サイトを検索をおすすめします)


その他の税金

参考として、条件によっては個人事業主が払うべき税金をまとめました。私は払ってませんのでシミュレーションなしです。

・個人事業税:以下ページの表に載っている業種の方で事業所得が290万以上ある方は納める必要があります。

・消費税:課税事業者の場合は消費税を支払います。
※私は企業とも取引してますが、免税事業者として続けています。課税事業者になる場合は、負担軽減措置を受けるといいでしょう。

シミュレーション合計額と節税方法

私が今年の収入に対して払う、4つの税金・保険料の総額は…

900,575円

総収入に対する割合は約20%。


高すぎます。

高すぎるので、さらなる節税方法を検討しましょう。


本記事では、個人事業主の節税方法を大きく4つに大別します。

①経費を増やすことで所得を減らす
②控除を増やすことで課税標準額を減らす
③税率を低くする(所得税)
④条件のいい支払方法・支払先に変える

ここからは各段階を詳しく検討し、合法的に節税する方法を検討していきます。
私、初年度はシミュレーションで表示した基本の節税策(経費計上、青色申告、ふるさと納税、社会保険料控除)しか行っておらず、これから紹介する追加節税策を行うことで90万→74万円万まで税額16万円減らしました。

※以下、有料部分です※

=注意事項=
正確性には万全を期していますが、条件の違いや、法令改正・投資リターン等の不確実性などもありますので、最終的にはファクトチェックの上、ご自身で判断をお願いします。基本的に参照先のサイトがあれば全て掲載しています。

=含まれる内容・特典=
・青色申告やふるさと納税等、既に記載しているものを行った上で、さらに16万円節税した方法と具体的な説明
・国民健康保険、国民年金を条件のいい支払方法・支払先に変える方法
・iDeCo、小規模企業共済、つみたてNISAの掛金/納付年別シミュレーション比較表、メリデメ比較表
・シミュレーションの計算内容が記載されたExcelデータ(自身の金額でシミュレーション可能)

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