瀬戸

シティーボーイになれなくたって。 東京大学文学部卒業。本職はWebサービスの企画・マ…

瀬戸

シティーボーイになれなくたって。 東京大学文学部卒業。本職はWebサービスの企画・マーケティングに携わっています。好きなものはカレー/コーヒー/映画/音楽/アート/お笑いなどです。

最近の記事

日記(2022-10-16)

10月16日。 天気予報は雨って言ってたけど晴れてて嬉しかった。 電車にワンちゃんが乗ってきてちょっとほっこりした。 季節の変わり目と回転の早いオフィスワークに精神を削られながら休みの日に小さな幸福を取り戻そうとしている。 元々1年に数回しか更新しない程度だったnoteを更に1年以上もサボったかと思いきや、突然なんだか恋しくなって文章を書いている。 この年になってようやく気づいた、自分って結構「ランダムなエネルギーの突出」で生きているタイプの人間みたいだ。人からはコツコツ

    • 幸せの粘土細工

      家の前のみすぼらしい街路樹でアブラゼミが鳴き始めた。もしかしたら、ずっと鳴いていたのに自分が気づいてなかっただけなのかもしれない。けれど、とにかくあのアブラゼミのやかましい鳴き声を今年初めて耳にした。 家を出て、大通りの信号を待つ。相も変わらず世の中と言ったら許しがたいことばかりだ。怒りはとうに通りこして、近頃の話をするとき僕は皮肉めいた笑い方しかできない。ただ、こういう茶番のような悲劇はきっと実際には周りで数え切れないほど起こっていて、今まではずっと自分の目でうまくその輪郭

      • へんてこなスウェット

        3月20日。今日のひとり散歩は高円寺だった。 日常のシーンはここのところずっと2DKの家の中が舞台だった。それゆえに具体的な遊びの目的を達成したいというのではなく、少しは外に出て歩いて何かに触れていないといずれ人間として壊れてしまうんじゃないか、という危機感と義務感をミックスした気持ちで外に出た。 久しぶりの電車はまるではじめてのおつかいみたいで、Yahoo!乗換案内と駅の電光掲示板を見比べっこしながら、それでも中野駅終点があるということなんて完全に失念していたので、僕は自

        • 無題(2021-02-28)

          2021年もあっという間にふた月が過ぎた。 ちょうど去年もこのぐらいの時期にマスクを着けたりしてたっけ。非日常はもう一周して日常になっていて、あのときの政策がああだこうだ言ったりとか毎日の数字を追いかけたりとかそういうことをするのもなんだかもう飽きているのが正直なところだった。ちゃんとそれなりに生活はできていているけど捻くれている僕は「こういうときだけ無駄に適応力があって……」なんて考えて自分を上手に褒められないでいた。 今日はひとりで品川駅に行った。5年ぶりにTOEIC

        日記(2022-10-16)

          見返りを求めないことが真の優しさ?

          他人に優しくするのが好きだ。見ず知らずの人の悩みを聞いたり話し相手になったりするのが好きだ。それゆえに周りにも「優しい人」と言われることが多いけれど、これは自慢することでもなくて、はたまたそこしか褒められるところがないみたいな卑下でもなくて、好きなことは好きにやるからある意味当たり前のことだと思っている。 そのことを僕自身は漠然と、自分はそういう人間なんだ、というふうにしか捉えていなかった。だから、前に「どうしたら優しい人間になれるのか」ということを聞かれたときに少し悩んでし

          見返りを求めないことが真の優しさ?

          歳をとれば人生が上手になると思っていた

          子どもの頃、親や先生など自分より遥かに年上の大人たちが自由気ままにしている様を見て、自分の中のもやもやは世間を知らないから生まれているもので、大人になればなるほど勝手に消えていくものなのだと思っていた。 そんな僕もいわゆる「大人」と言われる年齢になって、もう随分と経った。相も変わらず昨日見た悪い夢は翌日まで引きずる。目まぐるしく変わっていく世の価値観に対する得体の知れない不安感はそのままで、自分がいつか死ぬこともいつまでも怖がっている。 その代わりに変化したことはなんだろ

          歳をとれば人生が上手になると思っていた

          自分の好きを自分で疑ってしまう

          自分の好きなものを「好きである」と自覚しているとき、その対象を信じている自分と疑っている自分が常に半分ずつ存在している。好きなブランドや、好きな映画、好きなアーティスト、好きな友人、どんなモノ・ヒトについてもそうだ。 何かを「好きだ」と明言することは思っているよりもずっと勇気が要る。 これは完全に僕の悪い癖であり、コンプレックスでもあるのだけれど、たまにそういう人たちの一部が信者のように見えてしまってこわいのだ。「あのブランドの製品だから絶対におしゃれ」だとか、「あの人が言

          自分の好きを自分で疑ってしまう

          人と暮らすことは「愛する」を学ぶこと

          いま、実家に帰ってきている。なぜいまなのか、という話はあると思うけれど、実家に帰ってきて久しぶりに人との共同生活の良さを考えるきっかけになったので書き留めておきたい。 僕は大学へ入学するときに実家を出たのでもう8〜9年ほど親元を離れて暮らしている。シェアハウスに住んだこともあったけど基本的には1人でずっと生活していた。 一人暮らしは本当に快適で大好きだ。自分のお金と時間は基本的には自分のためにあるものだし、朝起きてから夜寝るまでのあいだ家で何をするか、何をしないかの全てを自

          人と暮らすことは「愛する」を学ぶこと

          「正解」を定義する人の言いなりになんかなるなよ

          最近わかった自分のこと。 僕はアドバイスを求められるのがあまり得意じゃない。 その理由がわかったのは、自分がいつも自分の意見を曖昧にぼかしていることに気づいたからだ。何よりも自分の言うことに自信がない。自分の意見が自分のことにしか当てはまらないということを分かっているから、明言したくない。 そもそも、誰かが悩んでいるとき、求める「正解」はその人がどういう人かによってばらばらなものだと思う。ばらばらだからこそ他の「正解」がチラついて悩んでしまう。 それは「普通って何?」みたい

          「正解」を定義する人の言いなりになんかなるなよ

          あなたの呪いを教えてください

          誰にでも呪いがある。 例えば、それは身体的なコンプレックスだったりする。もしくは就活のネタにすらならないような恥ずかしい挫折経験だったり、まだ青い頃に想いを寄せた人が放った何気ない傷つく一言だったりもする。 そういうものは他人にとって「ただの欠点」にしか映らない。下手すると欠点にすら映らない。似たような悩みを抱えている人がそれほど少なくはないことも頭ではなんとなく理解しているつもりでいる。それでも何かの拍子にあのときの古傷が抉れ、また拡がってしまうんじゃないか、ということに

          あなたの呪いを教えてください

          最近の僕のこと

          緊急事態宣言、解除された。 皆が一斉に外出したら意味ないんじゃないのとか給付金どうなるのとかいろいろ気になることはあるけれど、まぁ状況が良くなったことは素直に嬉しいことだと思う。うん、嬉しい。 僕は勤めている会社から指示があったので政府の緊急事態宣言の発令より少し早い3月23日から自宅勤務をはじめた。そして2ヶ月以上経った今も自宅でしっかり定時で働いている。一人暮らし、恋人・配偶者無し、完全リモートワーク、という状態だったのでもし『日本ひとりぼっちランキング』とかがあったら

          最近の僕のこと

          やめることや諦めることだって一つの勇気だ

          2ヶ月。誰とも会わない生活を始めてからそれだけ過ぎた。僕はこの機会に、と毎日三食きっちり自分でご飯を作って食べるようにしていた。いろんなレシピも覚えた。でも、ここ2週間ほどはあまりご飯を作っていない。決して強がりではなく、いやもしかすると強がりなのかもしれないけれど、やろうと思えばできるものを敢えてやらないようにしているのだ。なんだかこう言うと愛煙家の禁煙をしない言い訳みたいだ。けれど僕の中では、これは自分の意志でやらないようにしていること、と思っている。タイミングを決めて出

          やめることや諦めることだって一つの勇気だ

          思わせぶりでいてもいいですか

          誰に対しても優しくありたいと思っている。これは僕の心がけだ。別に世界を平和にするとかそんな大逸れたことじゃなくていいけど、世の中が何もかも優しければいいのにと思う。しかし現実とは不便なもので、男と女とその他諸々の分類があるからなのか、たまに「思わせぶりな態度をとっちゃだめだよ」とチクリと刺される。彼らの謂うところだと、曖昧な愛は良くないとされている。特にそれを不特定多数に振り撒くのはことさら不誠実なことだと。もちろんそういう好意によって誰かを傷つけることは間違っていると思う。

          思わせぶりでいてもいいですか

          周辺で生きる

          今までずっと、嫌いな人間はどんな人?と聞かれたらずっと「自己中心的な人」と答えてきた。理由を聞かれてもそれは生理的にそうなんだよ、としか答えようがなかった。あの人たちにとって一番大切なのは自分で、自分以外の存在は自分へエネルギーを供給してくれる部品なのだと、そんなふうに思っていた。彼らは今日もどこかで他人を不幸にした過去を自分の若さゆえの過ちなんだと美化している。そして今の自分を成長できた素晴らしい人間なんだと豪語している。そんなことを人にべらべら話す人もそれを称賛する人も、

          周辺で生きる

          お金も予定もないゴールデンウィークを精一杯「おうち映画」で楽しむ

          やっと始まったゴールデンウィーク、全然終わらない自粛期間。旅行に行くことは勿論、実家に帰省することも、家から出ることすらほとんど出来ない。このままでは黄土色ウィークぐらいにくすんでしまいそうだ。 いつもは日記ばかりだけれどせっかくなので趣向を変えて、僕が連休中に鑑賞予定の無料の映画をまとめてみる。もし誰かに興味を持ってもらえたら、その嬉しさできっと輝いた連休を過ごせると思う。 1. 今日のリアルな状況を即座に映画化。『きょうのできごと a day in the home』

          お金も予定もないゴールデンウィークを精一杯「おうち映画」で楽しむ

          あなたたちが褒めてくれたから僕は今日まで生きてこれたんだよ

          仕事終わり、白飯とタッパーの野菜炒めを電子レンジに突っ込む。チンの音が鳴るのを待っている間にメールを返そうと思っていたら、また液晶に釘付けになっていた。気がつけば21時も過ぎ、あぁ今日もまたこんな時間か、萎えたところだった。 ヴン、とスマホが震え、反射的に目を移すと昔のバイト先の人たちからのオンライン飲みのお誘いだった。すでに4人ぐらいが参加していて、僕も乗り遅れるまいと慌てて参加した。単純に寂しかったから嬉しかったし、何ヶ月もずっと会ってなかった人たちが皆変わらずニコニコ

          あなたたちが褒めてくれたから僕は今日まで生きてこれたんだよ