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【レポート】NFT WEEKS TOKYO オープニング配信『1.メタヴァース×NFT』

いつもご覧いただきまして、誠にありがとうございます。中村尚裕です。

私、さる2021年12月10日に開かれました『NFT WEEKS TOKYO オープニング・セレモニー』にオンライン参加(聴講)して参りました。

このイヴェントの模様については、こちらの配信URLにて録画をご覧いただけます。

昨今のART事情で熱く語られる『NFT』。『メタヴァース(メタバース、MetaVerse)』というバズ・ワードと結び付けられて、単語自体が独り歩きどころか独走している感も拭えませんが。
 かくいう私もNFTを理解しているうちには入りません。ただ、その可能性についてはワクワクしております。

ここではそのNFTにまつわる活用の考え方とその事例を、私なりの考察を交えてご紹介。ただし私が創作者の一人でもある関係上、考察は『創作の世界へNFTがもたらすであろう変化』にも及びます。よろしくお付き合いのほどを。

まず今回は『メタヴァース×NFT』。これ以降の部分に関しましては、別途ご報告させていただきたいと考えております。ご了承下さいませ。

◎はじめに

そもそもNFT(Non-Fungible Token)、技術としては仮想通貨や暗号資産(クリプト、Crypto)で用いられているものの応用というところですが、『事物の所有権』に紐付いているのが特徴と言えましょうか。この所有権とその経歴を世界中のコンピュータに並列化・分散化して記録することで、『事物を所有している/していた』ことを『偽造の余地なく証明する』――と申しますのが私の現在のところの理解です。

さてこのNFT、『事物の所有権に紐付く』と申しましたが、この『事物』は電子データであっても通用する、ということです。
 何かと申せば、電子データの見かけをコピィできても、所有権は主張できないのです。例えばネットでよく問題にされる『デジタル著作物の不当な自作宣言』に関して申せば、『NFTで証明されるオリジナル』以外では、自作宣言しても『偽物、あるいは許可なくコピィされたもの』と証明される――ということになります。この場合、NFTは『事物を最初に所有していた者、即ち作者』をも記録していますので。

以下、テーマごとにご紹介したいところですが。
 私なりに解釈しようとしました結果、各テーマで語られていた内容を組み合わせて初めて、ようやく理解を形成できそうなお話が実に多数。それだけ各要素が密接に絡み合っているということでもあります。
 以下、私なりに解釈しようとした奮闘の結果と捉えていただければ幸いです。



◎『メタヴァース×NFT』

NFTを語る上で欠かせない概念、『メタヴァース』。

元々の『メタヴァース(MetaVerse)』に関する私の理解(定義ではなく)は、今のところ以下のものです。

○『メタヴァース』の認識

仮想現実VR(Virtual Reality)で電子世界へ没入し、あるいは拡張現実AR(Augmented Reality)で電子世界を現実世界へ呼び出して重ねる――という『ネットを含めた電子世界(Virtual World)と現実世界(Real World)、両者が融合する世界』。
 実際には定義すらまだ固まってはおりませんが、これは『大勢が必死になって本質を模索している段階』であるためと申せましょう。

定義も曖昧なのに大勢が必死になる理由は『現実世界と電子世界が融合するインパクトというものが極めて大きい』ということと私は理解しておりますが。
 ここで予想されるツッコミは、「でも現実世界の事物と違って、電子データは簡単に複製できる(いくらでも増やせる)よね? それじゃ現実世界の【価値】にならないよ」というもの。要は『貴金属や通貨が【価値】を維持できるのは、総量が限られているから』というわけですが、では『電子データにオリジナルの証拠が、複製不能な形で(総量が確定した状態で)与えられたら、その瞬間から何が起こるか』。

○電子データが【価値】を得るとき

この瞬間、正確には『この事実が市場参加者の過半数に認識された瞬間』、『現実世界と電子世界の【価値】が釣り合う』ことになる――と、現在の私は認識しております。『現実世界と電子世界が“対等”に融合する』、その前提が整うわけですね。

ただここで興味深いのは、『電子世界で【価値】を担保するのは、(仮想資産の原理に則った)世界中のコンピュータ』という点です。現実世界での【価値】を担保している国家や中央取引所、要は『中央集権型の【価値】管理者』ですが、電子世界ではこれとは正反対に『世界中のコンピュータ』が『非中央集権型・分散型の【価値】管理者』として機能します。

この対照的な両者、『中央集権型の【価値】管理者に管理された現実世界の【価値】』と『非中央集権型・分散型の【価値】管理者に管理された電子世界の【価値】』が『釣り合う』時、何が起こるか。

これは『現状の私なりの理解』としてお話しします。『あらゆる【価値】が“オープン(Open)”になる』、つまりは『意図的な【価値】操作から解放される』――というのが表面的な変化ということになりますが。
 そこにネットの特性『世界中の人がアクセスできる』という特性が融合します。この時、『世界中の市場参加者の総意で【価値】が決められる』ということが起こります。


○創作分野における影響の兆し

これが創作の世界に何をもたらすか。
 ある市場で不遇な評価を受けていた作品群があったとしましょう。その作品群が、【価値】判断を世界に問うことができるようになるわけです。現実の物体でも電子データでも同様に。

例えば無料投稿サイトのある”Web小説”という分野ではNFTなど無縁――と考えた方もあるかと思いますが。
 国内の、しかもコストのかさむ紙出版事情、つまりは紙出版業界に左右される側面があることを考えてみると、状況はそう簡単なものではなさそうです。
 少なくとも既存のWeb小説投稿プラットフォームという枠、場合によっては国内市場の枠などといった『枠を越えてみる』ことも考えてみた時、状況は少なからず変わりそうに、私には思われます。

『ゲーム×NFT』のご紹介で、追ってここのお話は再登場します。この時点では、『枠を越える』時に可能性が生まれそうだ――とだけ覚えておいていただければと。


○作品保存とNFT

さて、ここで。
 NFTでは『【価値】や所有権を分散』することが可能になります。
 一つの作品に一定数のNFTを紐付ければ、その作品の【価値】を元にした仮想通貨が誕生するようなもの――というのは、そう外れた認識ではないでしょう。
 そして所有権が分散した時、何が起こるか。
 作品は、『保存のための強力な動機』を獲得することになります。

例えばスマートフォンをベースにしたソーシャル・ゲーム、そこに登場するアイテム(登場人物を含む)は『管理者・運営者のもの』です。いくら対価を注ぎ込もうが、得られるのは貸与権のみ。ゲーム運営が終了してしまえば、アイテムの存在はネット上から消え去ります。
 ですが所有権をNFTで(一部なりと)購入したなら。
 少なくとも所有するデータは残るわけです。解決法は模索の余地ありとは言え、データが消滅する運命からは逃れられるというわけです。

作品維持の義務、そのための資金確保など、課題の数々が解決しているわけではありませんが、現状から可能性が拡がるのは間違いなさそうで、あとは市場参加者としていい方向へ助力できるか、そういうアクションに懸かっているものと、私は理解しています。


今回はまず第1回として『メタヴァース×NFT』の内容と考察をお届けしました。
 追って第2回として、『コミュニティ×NFT』の内容と考察をお届けします。

よろしければまたお付き合い下さいませ。

それでは引き続き、よろしくお願いいたします。

○次の記事


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