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『IPPON!』脱稿まで打ち合わせあと何本!?(16)|原作付きマンガ一緒につくろう計画

前回までの展開はこちらから

(今回の範囲の原作)

アーヴィー「大学での目標は……」
彫りの深いアーヴィーの顔、取り囲む先輩たち視点で。
先輩たち、わくわくしながら待つ。   
アーヴィー「ダビデ像です」
会場、静まり返る。
野口「変なヤツだー!」
野口、「がびーん」の顔。
アーヴィー、凍りつく場の雰囲気をまったく気にしない様子で、壇上で堂々としている。
アーヴィー「入部を希望する部活は、陸上部です。ご清聴、アリガトゴザイマス」

*第0話の原作全体をおさらいしたい方は『(1)第0本(プロローグ)原作テキスト』で再読できます。

◆原作担当:朽木 誠一郎
◆ネーム/解説:中村珍

※この企画は、2018年までに原作者・朽木誠一郎さんが執筆した原作テキストを頂いて、作画担当・中村が、2019〜2020年にかけて、制作と並行しながら解説しています。


通しネーム(掲載済みの分)

初見ネーム1

初見ネーム2

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初見ネーム7

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今回追加されたネーム

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ここからネーム解説


アーヴィー「大学での目標は……」
彫りの深いアーヴィーの顔、取り囲む先輩たち視点で。
先輩たち、わくわくしながら待つ。   

 彫りが深いと特筆されたアーヴィーくんの顔を描くにあたり、彫りの深さを出す場合は正面より横か斜めが良いと思います。絵柄によっては正面からでも深さを描ける絵柄もありますし、私が本作『IPPON!!!』用に仮で採択している絵柄はそれほど線を減らさなくて済む種類の絵柄なので、どちらかというと正面からでも深さを表す線を足しやすい…足しまくっても多分それほど違和感が表出しない…かもしれない絵柄ではあるのですが…。それでも、やっぱり横や斜めのほうが深さは分かります。円柱型のコップを真上から見るよりも横から見たほうが深さが伝わるのと同じですね。
 真横からのカメラアングルでも彫りの深さは伝わりますが、ここではもともと高身長のアーヴィーくんが更に軽トラの荷台に立っている状況ですから、下方から煽ったアングル(取り囲む上級生たちの高さに合わせた目線)にしました。

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 自分の部活に来てくれないかとわくわくする先輩たち。分かりやすくなるかな?と思って各部のチラシを手に握らせてあります。

 前回の終盤で解説しましたが、見開き2ページ単位で読むデバイスまたは紙の本向けに、このページは本に向かって左側に来るように構成しました。
 そうすると次に来るページ(↓)が紙の本のように読んでもページをめくった先に現れるようになります。


アーヴィー「ダビデ像です」
会場、静まり返る。

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 出オチみたいな場面なので説明することは特にないですが(笑)
 特筆できることがあるとしたら、ダビデ像が全ての読者さんに伝わらないと困るので、アーヴィーくんや会場ではなくダビデ像を描きました。…ということぐらいです…。
 本番の作画ではもっと彫刻だと分かるタッチの絵にして、ダビデ像の予備知識がなくても、なんかとにかく筋肉質な彫像だということだけはしっかりと伝わるようにしたいと思います。


野口「変なヤツだー!」
野口、「がびーん」の顔。

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 はい。アーヴィーくん、ダビデ像志望でした!!!大学での目標って聞かれているのに、医学とかじゃなくて、ダビデ像でした!!!

 ここ、

会場、静まり返る。

っていう状況が設定されているので、

野口「変なヤツだー!」

だと、静まりかえった会場で野口くんが発声したことになってしまうため、ウニフラッシュ(ウニみたいなトゲトゲの、なんか激しめとかびっくりした時のモノローグに使う、考え事用のフキダシみたいなやつ)のほうがいいんじゃないかなと思っております…!!

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 こんな感じで、大きな文字でフラッシュ付きのモノローグを入れれば舞台は静まりかえったまま心は激しい大声を上げられます。


アーヴィー、凍りつく場の雰囲気をまったく気にしない様子で、壇上で堂々としている。
アーヴィー「入部を希望する部活は、陸上部です。ご清聴、アリガトゴザイマス」

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 ストレートにアーヴィーくんの語りだけで締め括っても、『出会いの突然』が淡々としているのはリアリティがあっていいと思いますし、一方、マンガの主要キャラクターが勢揃いした瞬間でもあるので、(まだお互いの面識を結ぶ前で、出会いきってはいないけれども、)全員が顔を見せてもいいのかな…という気もしています。

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 ひょうひょうとしたアーヴィーくんの笑顔と対照的に、野口くんはもちろん、近藤くんも、たとえば嬉しいとびっくりが混ざったような表情とか。

 うたさんは野口くんから陸上脳って言われていたし、大漁!って言ってしまうようなテンションだし、ストレートな喜びでいいのかなとも思いますが、表情設定にちょっと心配事があります。

 登場済みの陸上部員の中で唯一の女子・うたさん。彼女がアーヴィーくんの入部に笑顔を見せた場合、なまじ手前のシーンで「イケメン」と上級生から囃されている新入生の入部なので、『イケメンの入部を女子が喜んでいるシーン』の要素として捉えられてしまうと、非常に残念です。

 うたさんはこの少し前、アーヴィーくんを見て

うた「手足が長いし、バネもありそうだし、跳躍とか向いてるんじゃないですかね」

と語っています。

 どこの部に入りたいかすら分からない段階で「手足が長いし、バネもありそうだし、跳躍とか向いてるんじゃないですかね」と、アーヴィーくん本人の意思の所在を気にも留めないプランを展開し始めてしまうところは(相手が自分のことをどう思っているか分からないどころか、面識すらない状態で、自分はあの人と結婚したらこういう料理を作ってもらいたい、こういう家事が向いてると思う、こういう仕事が出来そうだからそれで稼いで欲しい、みたいなことを好き勝手話しているのと、構造が似ているように取れなくもないので…)賛否が分かれるかもしれないところというか、ここがそもそも新入部員獲得イベントの渦中だというのを忘れて読んでしまうと、この発言にも引っかかりを感じちゃう節があるわけですが。…なんというか、—————目に映る新入生を部員にすること前提のイベントで、あの新入生に何ができそうかを検討するのは当たり前!そう、なぜならここは“競り”会場なのだからー!!!!!————…という大前提が抜け落ちてしまうと、ちょっと、うたさんのアーヴィーくんに対する検討は勝手な話に聞こえてしまう、かもしれない、気がする…。

 しかしながら。
 うたさん自身も“競り”というイベントに慣れた人であると前提し直して読むと、その世界の中では、うたさんはアーヴィーくんに対して「手足が長いし、バネもありそうだし、跳躍とか向いてるんじゃないですかね」と、陸上部の活動内容と照らし合わせて具体性のある検討をしているだけなんですよね。
 そういう発想・検討の良し悪しはともかく、普通に“競り”に参加しているだけなんだと思います。みんなにとって当たり前のイベントだから。

 その上で。

 他の上級生がイケメンだのハーフだの言って歓声を上げている間、彼の属性や外見に対しては表情ひとつ変えることなく、うたさんは、ただただ陸上の話。
 アーヴィーくんが“イケメンハーフ”だろうと、そんなことは一切気にせず、陸上部だったら彼はどんな競技が向いているのかだけを考えているのが、うたさん。(一方、聞き手の野口くんは「バーカ、ああいう雰囲気(モテそう)のヤツはな、たいていバスケ部かサッカー部と相場が決まってんだよ。陸上部に集まるのは基本、変なヤツなんだから」と、うたさんの陸上話を終わらせてしまいます。)
 うたさんは“陸上脳”で、アーヴィーくんの長い手足とバネのありそうな体躯を見て「跳躍とか向いてるんじゃないですかね」って言うんですね。すごく、陸上だけ。

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