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海洋&廃棄プラスチックの再資源化に挑戦!間瀬雅介

  まず思い込むことが大事なんだよ、
  何をするにしても。
  世の中のほとんどのことには、
  どうせ正解なんてないんだから。
  面白いとか正しいとか、
  何でも思い込んだもん勝ちだよ。
  「水の柩」道尾秀介

「水の柩」道尾秀介

「面白い子と知り合ったから、隊長にも紹介したい」と去年の年末にエリィ(本田 恵理)から連絡があった。なんでも、冒険家を志して、航海士になって南極大陸の生物調査などに行ってた男の子で、今は海洋プラスチックを使ったカッチョイイ製品を作ってるらしい。今年1月末、東横線反町(たんまち)駅近くでエリィ主催のBARイベントがあるから繋げたいと連絡があった。そこで紹介されたのがマセ(間瀬 雅介マセ タダスケ)

ハワイ島で「漂着ペットボトルを炭化し、資源循環させる!」活動をしている2人の友人を思い出した。

海洋プラスチック、廃棄プラスチックの資源循環を目指し、2年前に会社を設立、(株)リマーレの代表取締役を務めるマセ。

友人、高橋歩の監修本、「TRUE BLUE(トゥルー・ブルー) 美しい海を、永遠に。」にも登場する若き社長だ。沿岸部地方創生事業、TRUE BLUEプロジェクトでは歩の弟、実(高橋実)と共に沖縄・古宇利島を拠点にTRUE BLUE/海洋プラスチックアートFACTORY&SHOP事業にも関わっている。

そんなマセの1,151回目から1回10分、全4回のvoicyラジオ対談、フォローして聴いてほしい

マセは愛知県半田市出身の30歳(voicy収録時29歳)。小2の時、両親が離婚して小学校は4回転校。学校へ行くと隣にいる子が隣にいて、学校から帰ると毎日のように両親が喧嘩していた。毎日が変わり映えのしない日々。

そんなルーティンな生活を疑問視する象徴的な出来事があった。ある朝、学校へ行く前に海に行くとタイワンガザミ(カニ)がいた。当たり前だが翌日行くと、同じ場所にカニはいなかった。
「同じ生き物なのに、何でこうも違うのか?」
小学生のマセ少年は思った。「海って自由だな」。海に興味を持った最初の出来事だった。フワッとしていても、夢が始まった場所が「海」だったのだ。

中学生になると、受験に向けて勉強した。自分を俯瞰してみると、その他大勢と変わらない自分に気づいた。ふと思いついて、釣り竿持って自転車で8時間かけて海に出た。クロダイが釣れた時、「自分の求めていたものがココにある」そう思えた。目的もないのに海に行って、偶発的に起こる出来事に興奮した。「これが自分にとっての楽しい事なんだ!」と確信した。周りには、「冒険家になる!」と公言していたが、自分でも思いを的確に表現できなかったから、友達にも親にも先生にも理解されなかった。彼は「ここじゃないどこか?」、自分の居場所をずっと探していたんだと思う。

高校へ行くと、大学進学の話か就職の話しかしていない。シングルの家庭では我がままも言ってられない。「冒険家はお金にならない」と周りから全否定された。そこで彼は野球部を辞めて1週間後、原付の免許を取得して新聞配達を始めた。すると、今まで手にしたことのない大金を手に入れた。
高校生になって「お金がないから何もできない」から「お金があれば何でもできる」とマインドが切り替わった。

自分の中で「冒険の再定義をしよう!」と思った矢先、人生を変えた本と出合った。それが非常勤講師から教えてもらった高橋歩(著)「毎日が冒険」だった。「マジか!?大人でも、こんなに自由でいいのか?」モヤモヤしていた気持ちがスッキリし、目指すべき何かが見つかった気がした。

色々な大人と話すうちに、「海に関係する仕事がいいんじゃない?」と言われ、航海士という資格があることを知り、「航海士になる!」と決意した。

航海士養成学校の2年間はパラダイスだった。理屈と真逆の海の世界、海上ではお金のやり取りがない経済のない体験をした。帆船「日本丸」に乗船したことで、「帆船があれば世界中どこでも行ける」と思い、調べると50億円あれば帆船が手に入ると知った。「新聞配達をやってる場合じゃない」。

20歳で就職し、大型船の出入港をサポートする曳船、タグボートの会社で月収40万円の仕事をした。高給だったものの、50億円は貯められない。「サラリーマンやってる場合じゃない」と21歳で辞めた。

新たな事業を創り出さなければと起業した。
「顧客数×購買単価=売上。ならば、25万人から2万円集めると50憶じゃん!」
夢を語って「2万円ください」と名古屋駅前で片っ端から道行く人に声をかけるも、お金は集まらない。彼は突出した行動力を持っている。そこで「イベントやるから・・・」で資金を集めることにした。お金目的だとイベントやってもリピーターも生まれないし、イベントに足を運んだお客さんの不満は募るばかりでビジネスとして成り立たない。歩の本の影響でバーテンダーになって大人たちから情報を集めたり、通信事業の代理店、中古車販売など、課題を抱えている人同士をマッチングさせて問題解決していく仕事を転々とやった。
そんな中、3ヵ月乗船して1ヵ月休みがあってお金も貯めている船乗り相手に不動産投資斡旋の仕事を始めた。
「おまえら、お金持ってるなら家を買え、マンションを買え!」と勧誘した。すると声をかけた仲間が自分を通さずにマセの親友を勧誘した。マセは
「おまえ、やめておけ!」。親友に勧められない商売をしている矛盾に気づき仕事を辞めた。

23歳の時、南極の調査隊として乗船、暴風圏の中、自然の脅威を体感した彼は、冒険のあり方、偶発性を求めている自分の原点に気づき、「お金を稼ぐことばかり考えてたな」と反省。航海の帰りのフィリピン沖で大量のプラスチックごみを見てショックを受けた。そこで「経済に必要なものを、キレイに循環させるには、どうすればいいのか」という問いが生まれた。そう、大切なことは「自分がどうしたいのか?」問い続けること。マセは正解を探すのではなく、自分にとってやりたいのかやりたくないのかを基準にしている。結果、失敗しても自分に正直に選んでいるから前に進んでいけるんだと思う。

今まで経験したことのない暴風圏を生き抜いた感に満たされた彼は、
「俺は何でもできるんじゃないか」と自信過剰になり、海や山で無謀な体験を繰り返す「刺激ジャンキー」となった。ヒリヒリとした生活は1年ほど続いた。

それでも、心の奥底には「帆船を手に入れ、世界中を周りたい」という思いはあったが、事業計画はなかった。そこで、「お金を稼ぐことを目的とするのではなく、課題を解決することを目的にすれば、お金は後からついてくるのでは?」と考えるようになった。

それが、彼の今のビジネスに全てつながっている。海洋プラスチックがある海を"NEW NATURE"として再定義し、資源循環させるサービスだ。収穫▶洗浄▶粉砕▶加工▶製品開発まで一気通貫する六次産業者として、REBORNA|海洋プラの製品化プロジェクト、OPO|アップサイクル体験型ワークショップなど次世代につなげるプロジェクトを手掛けている。

自分を俯瞰して見れるから、彼がやっていることは、自分に向かっていない。地球を感じながら利他の心を持って、次の時代のために動いているように思う。今のマセは未知なる領域に踏み出すワクワク感に満ちている。新たな付加価値を創り出すことに夢中だ。「売り手良し」「買い手良し」「世間良し」の三方良しの社会貢献だけでなく、これから広がっていくであろう多くの社会問題を解決に導き、独自のアートな世界に昇華していくと想像できた。クリエーターとしての彼の「これからの活動」に注目していきたい。

 ラッキーピエロ創業者王一郎さんは、
 「函館を出る気はない」と言い切っている。
 この心意気に惚れる。
 4p'sは、本来やりたかった食育にようやく着手できる、
 と“Edutainment(エデュテインメント、教育となる娯楽)”
 がコンセプトの体験型レストランを開いた。
 いずれのビジネスも、自分に向かってない(not self-centered)。
 そこにあるのはpure mind(純粋な思い)であり、
 こういうビジネスこそ、アートになる。
 阪本啓一note

阪本啓一noteより

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