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失意の中で創業ベンチャー代表を退任した僕が、再度の創業で考える、組織と事業。

戦略コンサル、リクルートというキャリアを経て、なぜベンチャーを始めるのか、という話を投稿したのが3年半前。今思えば遥か昔の事のようですが、当時書いたnoteはこちらでした。

共同創業し、代表を務めていたこのベンチャーを一年前に退職することとなり、その後、もがきながら新たな事業を立ち上げ、組織を作り、ようやく精神的にも物理的にも一息つける状況となりました。
自身の無力をかみしめながら、でも様々な人に助けられ、改めて自分やチームの想いに向き合う中で、仕事観や人生観が大きく変わりました。

現在は、この経験を経たからこそ生まれた、組織のバリューと事業を掲げ、チームみんなで新たな挑戦をしています。

経緯となった様々な出来事については、立場によって見え方も変わるものと思うので、この場で自身の個人的見解を述べるものではありません。
ただ、いずれにせよ結果として、私は退任し、また、一緒にやってきた多くのメンバーが退職する道を選ぶこととなりました。

ーー  自分の人生を振り返ると、自らの力を頼りに好き勝手に人生を切り拓いてきたという自負が、恐らく強烈に、ありました。
中学で父親が亡くなり、奨学金を駆使しながら学費を工面してきたときも、高校を中退したあと、働き、その後大検をとって大学に入学するときも、コンサル会社を退職して先の見立てが何もなく海外でNPOで働いていたときも、自分で決めて自分で実行し、それなりの成果を勝ち得てきました。

だからこそ、自分の力では本当にどうしようもできないことを痛感したとき、受け止め方がわからないどころか、どうやって逃げたらよいかすらわからない状態に陥りました。温かい言葉をかけられるたびに、社外の方とのミーティングであろうが、その度に落涙するほど、メンタルは追い詰められていました。

しかし、この状況で、弱音を吐いた際に、温かく手を差し伸べてくれる方が、本当に数多くいらっしゃいました。
話を聞くよと食事に誘ってくれる友人、一緒にやりたいと言ってくれる仲間、かつてそれほど接点があったわけでもないのに物心両面で支援してくださる方々と接する機会に満ちていたことは、大袈裟ではなく人生観が変わっていく経験でした。

たとえそれが助けを求める声であっても、心の底から声や想いを共有をすることにより、自分一人では何ともならなかったことが、変わっていく。

人生には、合理的には全く説明がつかないような、見返りのない善意が存在していて、「自分も若い頃大変だったから、ペイフォワードだよ。」という理由で助けていただく。そういったありがたい経験を通じて、考え方が変わり、また自分一人ではどうしようもなかった状況を変えていくことができました。

ーー  新会社のBring Outを創業する際、売上0で赤字700万円、かき集めても2カ月半分の運転資金しかないところから、いつの間にか1年で売上は1億円を超え、苦難のプロセスを共にした仲間が集まり、想いを持ったプロダクトを全員でローンチするまでこぎつけました。

入口に立ったばかりではありますが、目指す世界の実現と株主の方に恩を返すべく、頑張れる権利を得ることができました。

このプロセスを経て生まれた、会社について

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強烈な原体験を共有する仲間が結果的に集まり、議論しながら作り上げていったために、やるべきこと・やらざるべきことの根っこがぶれなかったように思います。

私自身は、人生を通じてこだわってきた、日々より良くなることを目指す意識は揺るがないのですが、それが孤高の作業から、もっと自分をさらけだし、信じ、素直に話を聞き、みんなで歩んでいくものへと、イメージが変わりました。この経験を踏まえ、苦楽を共にしたCHROの津村と話し合いながらたたき台を作り、みんなで喧々諤々議論しながらBring Outの会社としてのバリューを以下の通りに定めました。

BringOutのValue

自身の根幹にある「成長できることを信じ、求めること」は変わらないのですが、それを実現するために、2~5に記載するバリューがとても大事であることは、今回の経験や津村との会話を通じて教えられました。

このバリューと密接に絡まり合うプロダクトを10月末にローンチしました。

日々より良くなっていく目標を掲げた際に、自分を知りメンバーを知り、仲間からのアドバイスを求めていくことが必要になります。
特に、これまで無為に流れていってしまうことも多かった会話データ(商談等)を素材に、昨今進展が目覚ましい音声認識・自然言語処理の技術を活用することによって、その可視化と意味の解釈を支援するようなサービスです。
これにより、誰もが自分を知り仲間の状況を知り、オープンにみんなで成長していくことができるようになると考えています。

これまでは時間と共にこぼれ落ちてしまっていた、極めて貴重で膨大な日々の商談/ミーティングがデータとして解析できる素材になるという時代!

ワクワクしかありません。

だから、我々のサービスがビジョンとして掲げるのは、

「PDCA が回るためのインフラを社会実装し、あらゆる活動が、日々より良いものになっていく可能性を拓く」

これは、原体験を共有するCTOの小原はじめ、みんなと議論していきながら、まだ明日も見えない状況の中で開発を続け、完成したものです。
今はまだ数社様と協働トライアルのような形で検証を行っているものですが、適切なタイミングで世の中に向けて大きく発信していきたいと考えています。

最後になりますが、この得難い経験を通じて、自分自身も大きく成長し、仕事観や人生観が大きく変わることができました。
まだまだ未熟で手探りではありますが、日々成長を志しながらチーム一同新たな価値を生み出すチャレンジを続けています。

この事業・組織を作っていくチャレンジを志すメンバーを常に探していまして、少しでもアンテナに引っかかる方がいれば是非お話できればと思っておりますので、よろしくお願いします。

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