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「礎」立教183年12月号 巻頭言

二十五度を示す温度計を見てビックリ!
先月十一月十九日は全国百四十九地点で十一月としては観測史上最も気温が高い二十五度以上の夏日となりました。
そのことを友人に「十九日は暑かったな〜」と話すと「あれ?そんなに暑かったの?」と、感じていないご様子、私たちの感覚はだいぶ衰えているのではないかと思いました。

実際、三十五度を示す温度計を見れば「熱いな!」と思いますし、マイナス四度という表示をみれば、余計に寒く感じるものです。私たちは数字に表される客観性をみて現実を確かめています。ある意味で数字に振り回されて、その表示にあった振る舞いをしなければならない、と思っているのではないでしょうか。

寒い日には厚着をして寒さをしのぎ、暑い日には薄着をして暑さに耐える。本来、気温や環境は自らの感覚で捉えるものです。温度計によって示される誰が見ても公平な事実は、説得力をもつことにはこのうえないですが、それに頼りすぎていると、自らの感覚で捉えることを見失うことにもなりかねません。

「目胴潤いはくにとこたちのみこと様からのかりもの…」と、お道の先人はこのように説いたと聞かせていただきます。「かりもの」と示されることで、目の潤いは神様からの「かりもの」と感じることが求められていたことがうかがわれます。

「かりもの」と感じるために感覚は欠かせません。お借りしている感覚を使って、世界と身体を感じれば、感謝の念が自然と沸き起こるのものなのではないでしょうか。

十全の守護は神様の説明であり「かりもの」の説き分けです。説き分けを知った後は、守護をキャッチするのは感覚です。中野分会のスローガンは「知恩・感恩・報恩」です。どうか共々に教理を学び、五感を使って世界を味わう道を歩んでいこうではありませんか。

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