農の考察#7 不耕起栽培で緑肥を利用する際には上手に枯らせるかがカギとなる

緑肥とは、土壌の改良や肥料の代用として栽培される植物のことです。緑肥作物は、土壌に有機物や窒素などの養分を供給し、微生物の活動を促進し、土づくりに役立ちます。また、緑肥作物は、雑草の抑制や害虫・病気の予防などの効果もあります。

不耕起栽培での緑肥処理の問題

そんないいことづくめの緑肥ですが、不耕起栽培においては耕耘することができないので、どうやって緑肥を処理するのかが問題となってきます。処理せずにそのまま緑肥を生やしていると収穫したい野菜と光や肥料成分の奪い合いになって野菜が大きくならなくなってしまいます。
なので不耕起栽培で緑肥作物を利用する際には「上手に枯らすこと」が重要な技術となります。枯らすことで有機質が分解されて養分が放出されると同時に枯草がマルチの役割を果たすからです。

枯らせる方法

ではどのように緑肥を枯らせればよいのでしょうか。私も現在進行形で模索している途中なので、可能性がありそうな方法を以下に挙げてみます。

1.冬枯れを利用する
冬の寒さを利用して緑肥を枯らせる方法です。夏の緑肥などは冬の寒さに耐えられず枯れていきますが、耐寒性のある緑肥では冬越しして作物を植える春に残っている場合があります。

2.刈り取り
緑肥の地上部を草刈り機やハンマーナイフなどで刈り取る方法です。緑肥によっては基部の生長点がのこっており、復活して再び伸びてしまうかもしれません。

3.ローラークリンパーで処理する
ローラークリンパーという農機具を使う方法です。ローラークリンパーはアメリカなどの不耕起栽培でよく使われる農機具です。トラクターの前や後ろに装着し、ローラーでライ麦などの被覆作物を押しつぶして枯らすものです 。この方法では根を残さずに済む上、押しつぶした被覆作物が土を覆って雑草を抑えたり水分を保持したりします 。

本命のローラークリンパー

この中で私が目をつけて試しているのは3のローラークリンパーを用いる方法です。日本ではあまり耳なじみのない機械だと思います。というのも日本ではローラークリンパーが販売されていません。なので、昨年管理機にユニバーサルヒッチ経由で取り付けるローラークリンパーを自作しました。
自作してローラークリンパーを走らせた結果はというと、春作のトウモロコシは失敗しました。ローラークリンパーで緑肥を倒すことはできたものの、緑肥につける折り目の数なのか深さなのか、改善の余地はありますが、1~2週間すると起き上がってきました。この中にトウモロコシの苗を植えたものだから当然のように緑肥に負けてしまいました。今年はローラークリンパーを改良して、折り目をつけるブレードの数を増やし、重量を大きくして臨みたいと考えています。それでも起き上がってくる場合は草刈り機で何度か刈り倒すことになると思います。

上手に緑肥を枯らす技術をマスターできれば、トウモロコシだけでなく、多くの作物栽培にも応用がきくので、早くこの正解を導きたいところです。今年のトウモロコシでの報告もしていきますのでよろしくお願いします。
また、農機メーカーには国産のローラークリンパーを作ってほしいですね。できれば小さい管理機に取り付けられるやつを…

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