2019年 46冊目『プロだけが知っている中古住宅の魅せ方・売り方』
実家の母を横浜に呼ぶにあたり、リクルートOBのOさんを同じくROBのTさんからご紹介頂きました。
Oさんが運営している不動産会社はユニークです。
売却側、つまり売主は、引き渡し後、3か月以内に大きな瑕疵があった場合に、それにかかる費用を負担しないといけません。
その負担を減らすために保険に(通常の売却時の手数料を支払っていると)入れます。
建物調査(インスペクション)やステージング(室内などをより魅力的に魅せるように家具の配置を変えたり、小物を加えるなどすること)でより良い不動産広告を作ってくれます。
つまり、徹底的に売主側をサポートをしてくれます。
そのOさんからご紹介頂いた本です。
逆の不動産屋もあります。
私も不動産分野にいたので最低限の知識はあります。
それでも読んで、目からうろこでした。
大手S社さん(書いていませんでしたが、内容から想像です)の、関西弁でいうとエグイ仲介の例が載っていました。
売主が建売住宅を売り出します。売れると3%の手数料が入ります。
自社で買主を見つけることができると、こちら側からも3%の手数料が入ります。
売主もしくは買主の片一方から手数料を貰えるのを「片手」と言います。
両方から貰えるのを「両手」と言います。
1つの取引で2倍の手数料を貰えるので「両手」にしたいのが不動産屋さんの性です。
どうすれば良いのでしょう。
売出価格を下げると買主が見つかりやすくなります。
結果、自社の買主候補から見つかりやすくなります。
そのために売主に値段を下げるようにアドバイスします。
もう1つすることがあります。
一般に不動産を売却する際には、レインズという不動産データベースに登録する必要があります。
これに登録すると自社以外の不動産屋さんも、その不動産が売却されることを知り、買主が見つかりやすくなります。
しかし、大手S社は、レインズへの登録を遅らせるのです。
登録した後に、他の不動産屋から問い合わせがあった場合も、売れたと虚偽の説明をするのです。
当然、買主には問合せがあったことを伝えません。
売れないわけです。
結果、買主は売出価格を下げることを了承します。
そして、大手S社は両手で手数料を得られるのです。
極端な例ですが、こんなことがあります。
売主はたまったもんじゃありません。
ここまでは、業界経験者としては、知っている情報でした。
最近は、さらにエグイ例があるそうなのです。
買主を再販業者にするのです。
そして、再販業者がリフォーム後に売却する際に更に売主側のエージェントとして契約をするのです。
すると1つの不動産の売買で、
1 最初の売主
2 買主としての再販業者
3 リフォーム後の売主としての再販業者
4 そして買主としての一般顧客
と4回手数料を取れるのです。
2の契約、再販業者に販売するためには、相場の1,2割安くないと買ってくれません。
再販業者は、自社でリフォームをして売るわけですから、当然です。
ということは、売主は、さらに安く買いたたかれるのです。
変な不動産屋、それも再販業者と上記3の契約時に4の契約を結べる影響力のある大手S社に売却を依頼する際は、注意が必要なのです。
いやー、良いことを知りました。
不動産売買は、そうそう経験する事ではありません。
しっかりと知識を持たないと、大きな損を被ります。
売却側、売主側の本って少ないのです。
お薦めです。
良い本を紹介してくれたOさん、ありがとうございました。
Oさんを紹介してくれたTさん、ありがとうございました。
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