より、働きたいと思える環境で働けるようになりますように。

先日、カネカの社員の方が、育休明けでいきなり転勤を命じられ、家庭の事情によりやむなく会社を辞めざるを得なかった件について、記事を書きました。

その時も、記事を書きながらかなり残念な気持ちになったものですが、その件とはあまり間を開けずに残念なニュースが報じられました。「転勤を拒否したことにより会社から懲戒解雇されたのは不当」として、NECグループ会社に勤めていた方が訴えを起こしたのです。

https://m.huffingtonpost.jp/entry/nec-solution-innovators_jp_5d19da9fe4b082e5536c4cac

こちらの記事によると、要点は以下の通り。

訴状などによると、中正司さんは約30年前、NECの子会社である「関西日本電気ソフトウェア」(現・NECソリューションイノベータ)に入り、大阪市内にあるNECグループのビルで勤務していた。

2016年に別の子会社「NECマネジメントパートナー」に出向し、同じビルにあるオフィスで勤務していたが、リストラの一環として、このオフィスが2019年3月末で閉まることが決まった。

2018年夏、中正司さんは川崎市の職場か、退職金が上乗せされる希望退職を選ぶよう上司から迫られたという。

中正司さんは、小学生の長男が頭痛や嘔吐などを伴う自家中毒で、発症した場合は学校に迎えに行く必要があることや、同居している母も高齢で体調不良が続いていることなどから川崎への転勤には応じられないと回答した。

その上で、同じビルに入っている別のグループ会社のオフィスでの勤務を希望した。

会社側からは、このビルの清掃業務を請け負う別会社への出向を提案されたが、中正司さんは「顔見知りが多数いるフロアやトイレの清掃業務で、見せしめ的な意味合いがある」と拒んだ。

出向元のNECソリューションイノベータに戻り、システムエンジニア(SE)として勤務することも検討されたが、中正司さん自身、SEの業務は15年以上ブランクがあることなどから双方で合意にいたらなかった。

2019年4月上旬、中正司さんは会社側から川崎への転勤を命ずる「業務命令書」を受け取ったが、それに応じなかったところ、中旬になって懲戒解雇されたという。

原告側は、転勤命令自体が「業務上の必要性はなく、転勤に応じられない事情がある者を退職に追い込むのが目的」と主張している。

また、家族の事情にも配慮がなく、「育児・介護休業法の趣旨に反する」とし、人事権の乱用に当たると訴えた。

一方、転勤に応じなかったことを理由に懲戒解雇されたことについても「会社側による権利の乱用だ」としている。

なんだか悲しい気持ちになりました。

こういう記事を読むと、働くってどんなことか、会社に勤めるってどんなことかわからなくなります。

住む場所を変えたくないという気持ちを主張したことによって、今までと全く違う業務に就くように薦めてくる会社。

それを受け入れないと主張していたら、会社の支持に反したことになって懲戒解雇してくる会社。

会社によるかもしれませんが、人生を預けている社員のことを重症していない会社があるもんなんですね。

推測ですが、こんな非常識な判断は、会社の中で複数人が会議を通じて話し合われて導き出された結論ではなく、

会社の中で権力を持ってる個人が「この社員は懲戒解雇にしなさい」と独断で指示を出した結果のような気がします。

そうでないと、こんな決断を会社として出せない。

そういう、やや独断チックに意思決定する人が一定数存在することは、会社勤めしている私は知ってはいますが、

それが最善の策であるようにはどうしても思えません。

今回訴えを起こした人はとても勇気ある行動をされていると思います。

働き手がどんどん減っていく世の中で、一人でも多くの人が、自分に合った環境で、自分の望む働き方が出来ますように。

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