何者にもなれないと嘆く君に。

「何者かになりたい」

という願望をよく耳にする。



有名になりたい

大物になりたい


だけどそれは、

とても大変な道のりらしい。


君は、

ずいぶん疲れてしまったようだ。




そんな君を見て、

いやそんな君を見ていないくても、





私は、

何者にもなれなくていい

と思ってしまう。




何者とは、

なんなのだろうか。



たくさんの人に

名前を知られること?



誰にもできない大きな仕事を

さらりとこなす人?



有り余るお金を

持っている人のこと?


どれも素敵だと思う。




だけど、

あくまで私は、

何者にもなれなくていいのだ。




だって、


今いるその世界で

何者かになれたとして、


もし、

その世界がなくなったら。



その世界から抜け出た瞬間、

何者でもなくなるのだ。





君は、

台湾でいちばん売れている歌手の名を、

台湾人の誰もが

サインを求める彼の顔を、

知っているだろうか。




私は、

日本でいちばん売れている

アイドルグループの女の子が、

誰なのかよくわかっていない。



その女の子と街ですれ違っても、

サインを求めることも、

顔を口に当てて驚くこともない。

他の他人と同じように、

なんの反応もなく通り過ぎるだろう。



世界で今いちばん有名な

小説シリーズを書いている作者は、

ある世界の人からは

神様クラスで崇拝されるのだろうが、


私はそのことにまるで興味がない。




私がいちばん好きなバンドを、

500回リピートしても飽きない音を、


君はきっと、

3秒で停止させてしまうだろう。




世界なんて、そんなもんだ。




その世界の大物は、

そこじゃない世界では、ただの人。

みんなと同じ。




だったら私は、



ただの人

でいいから、

どの世界でも生きられるようになりたい。




どの世界でも、

平凡でいいから、

いろんな世界を知っていたい。




ある世界で

何者かになることを目指すのが


成長とか努力とか

実力なのだとしたら、




私は

いろんな世界で受け入れてもらえる

柔軟さと素直さを手にいれたい。




君のダメさを、

「素晴らしい」と受け入れてくれる

世界はきっとある。


君の素晴らしいところに、

まるで関心のない世界もあるだろう。




「何者にもなれない」と

嘆いている暇があれば、

世界を広げる準備をしなよ。







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