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新しい柔軟な働き方、ABWとは?

近年、変化し続ける働き方。新型コロナウィルス感染症により、テレワークが普及し、必ずしも出勤しなくてもよい、従来の働き方を見直す動きが様々なところで見られました。

決まった時間に出社して、決まった机で就業時間まで働くというこれまでの働き方ではなく、場所や時間を柔軟に選択できる方法が模索されてきています。今回は、そんな新しい働き方についてご紹介したいと思います。

コロナ禍で変化した働き方

・テレワーク
コロナ禍で度々出された緊急事態宣言により、在宅勤務を余儀なくされました。満員電車に乗る必要がなく、通勤時間を節約できました。会議や飲み会はオンラインで行われました。

・家族との時間
平日は働いていた時間に、ずっと家族で一緒にいることで息が詰まってしまい、ストレスを感じてしまうという方もいたようです。また、小さい子供がいる場合、在宅勤務で家事・育児と仕事を同時に行うことに困難を感じた方も多くいたようです。そのような状況で、業務や将来的なキャリアだけでなく、家族との時間の過ごし方も踏まえた人生設計ができる時代になることで、仕事と生活の両面において満足度やモチベーションを向上させる期待ができるWell Beingという考え方も広まってきました。

・出社する意味
 テレワークによって、出社のメリットも再確認できました。それは、雑談や気軽な相談です。互いの信頼感やつながりを深めるコミュニケーションは、直接会わないと難しいことが改めてわかりました。会議や業務スタイルを変化させる、押印や書類を削減する、などの今後の課題も見つかりました。
 

新しい働き方、ABW

固定された時間に会社に行くのではない、もっと柔軟に時間や場所を選ぶ働き方が海外を中心に導入されてきています。自由度が高く自分の能力を十分に発揮できるようなABWという働き方について、見ていきましょう。
 
・ABWとは
Activity Based Workingの頭文字を繋げた言葉です。時間と場所を自由に選択できる働き方のことです。1985年にハーバード・ビジネス・レビューに掲載された「Your office is where you are」という論文によって統合的ワークプレイス戦略の概要が語られました。その後、オランダのVeldhoen+Company社によってサービスが開始されました。従業員が個々の活動によって自律的に働く場を選び、企業がそれにふさわしい場を用意する。この考え方は、日本でも広まりつつあります。
 
・フリーアドレス制との違いは?
フリーアドレスとは、オフィス内に用意されたデスクの中から、好きな場所を選択して仕事に取り組める仕組みです。ABWは、オフィス内外を含めた総合的な仕組みです。またオフィス内でも、静かに集中するための個人ブース、交流しやすいカジュアルな空間、休憩やリフレッシュにも適したリラックススペースなど、そのときの業務内容に応じて適切な場所を選択する、という考え方です。

・メリット
リラックスして集中できる時間、場所で取り組むことで、生産性の向上が期待できます。決まった机に向かうのではなく、リラックススペース、カフェスペースなど自由に移動することで、いろいろな人と気軽に会え、コミュニケーションの活性化につながります。また、勤務時間をずらして家族との時間をとるなど、ワークライフバランスも大切にすることができます。これらの新しい概念を求め、自律した働き方を目指す優秀な人材を確保することができます。

・注意点
働く場所が多様化するため、評価や労務管理が難しくなることもあります。管理方法や評価方法を検討する必要があります。また、社員の自主性が求められます。いつでもどこでも仕事ができる、ということは情報漏洩のリスクあり、セキュリティ対策も必要です。まだ浸透していない働き方なので、目的を明確にして社員と共有する必要があります。また、場所や時間がバラバラになってしまうため、1対1の面接の機会を設けたり、チームで出社する日を決めたりして、ミスコミュニケーションを防ぐことが大切です。

当研究室の取り組み

私たちは、コクヨ株式会社と「オフィス内アクティビティ可視化アルゴリズム」の共同開発を進めています。ABWオフィス構築の効果を客観的に測定し、理想の働き方が実現できているかを評価するための取り組みです。詳しくは、ぜひ KOKUYO OPEN LAB. のページをご覧ください!
 

2023 KOKUYO FAIRでのデモの様子


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