架空ロック名盤100選 005

2987262 (2007)
point=paint(ポイント イズノット ペイント)

元Americatting(アメリカッティング)のパーカッショニスト、佐伯仁徳によるソロテクノユニット、ポイペイの3rd。打ち込みを一から始めた1st、何とか歌ってみた2ndを経てドイツ全土を躍らせた脅威の会心作。3分13秒の無音を収録しただけのM1「poison noisen」から、後のいわゆる乗り物テクノの礎となるM2「train soccer」への流れは、多くのリスナーの鼓膜を、比喩では無く破った。その後のM3〜M10(全て無題)は圧巻で、ビタミンハウス、スポーツダブ、クーポンブレイクビーツなど、世界中の無名な電子音楽を独自に解釈し、自らのビートへと昇華させている。そしてギター初心者である佐伯の弾き語りによるラストトラックM11「カラメル通りの甘い路地」が今もなお「いるのか?いらないのか?」後者に大きく傾く激論となっている事を差し引いても虎作。佐伯はこのアルバムを最後に音楽活動を終了。現在は「ホントノバイト」と称して、日本各地を清掃のボランティアで飛び回り、各地のホールでパチスロを打つ動画をYouTubeにアップしている。

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