自己啓発コラム #2

僕は2010年に大阪から東京へ引っ越して来て、僅か9ヶ月で、本業で生活が出来なくなりました。芸人でよくある「お笑いでメシが食えない」状態です。
当時の僕は仕事がなくて暇なので、朝9時45分にパチンコ屋に並びます。我ながら憎らしいのですが、生まれ持った強運でパチンコに勝ちます。店を出るともう夕方でお腹が空いています。仕事がなくても腹は減るもので、つけ麺を3玉食べます。1玉も3玉も同料金なので3玉平らげます。満腹になると眠たくなるので帰宅して寝ます。明日の9時45分にパチンコ屋に並ぶ為に早めに寝ます。
今なら解ります。
パチンコもつけ麺も悪くないです。
僕が悪いんです。
あれはもはや、生活では無く迷宮(ラビリンス)でした。
よくTVで芸能人やアスリートが
「あの燻ってた時期があるからこそ今の自分がある」
などと語っていますが、あれは成功者のリップサービスです。万が一、燻っていた時期があったとしても、そんな時期無いに越した事はないのです。成功しっぱなしの人生こそ至高です。「そういう人間は失敗に慣れていないからいざ落ちぶれた時に打たれ弱い」
などと耳にしますが、そんな嫌ごとを吐く人間に限って、落ちぶれられるほど上がれてもいません。
街で流れてくるカス気味のJ-POPで歌われている様に
「人生にムダな時間なんてない」
などという事はないです。無駄な時間はあります。時計が凍りつくほど無駄な時間を過ごした僕が言っています。
ついでに言うと
「誰かが君を待って」いないですし、
「信じていれば夢は」叶わないです。
受け身でどうにかなる程、人生は甘くありません。
どうか皆様、避妊具より薄い言葉に背中を押されて、奈落の底へ落ちません様に。

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