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少し考えて推論すること、それがプライマリーケアの基本なのですが、日本ではその訓練が非常に欠けている。

患者さんが何の病気かと推論する前に、日本の医師はすぐ検査をする傾向があります。

検査の対費用効果、すなわち、これだけの検査をするとどのくらいのコストがかかってどのくらいのメリットがあるのか、
そうしたことがあまり考えられない傾向が日本の医療にあります。

実際、私の大学のアメリカ人の教授で、今医学教育に関係している方ですが、
彼が言うのには、日本の医学教育の中で一番欠けているのは「臨床推論」であると言っています。

臨床推論とは何かというと、患者さんの訴えを聞いて、
どういう病気であるかということを医師が議論しながら考えるということです。

日本の場合、患者さんが「胸が痛い」というと、
すぐレントゲンを撮りましょう、心電図をとりましょう、あるいはCTや超音波エコーをやってみましょう、ということになってしまいます。
その前に少し考えて推論すること、
それがプライマリーケアの基本なのですが、
日本ではその訓練が非常に欠けているということです。

           

日本の状況を見てみると過去は非常に立派な実績があった。例えば2000年のWHOのワールドヘルスリポートで日本の医療提供体制は一番だと書かれていまして、そのときアメリカは16番だったのです。

しかし、現在はトンネルビジョンという状況に陥っている、
要するに日本の医師は自分の専門のトンネルしか見ていないのだということを指摘しておられます。

問題を非常に狭いフォーカス、自分の興味のあるところだけにフォーカスを当てて診ているという、そういう問題ですね。

           

日本の医療保険システムを維持しよう

 少し専門的ですが、Tragedy of the Common (トラジディーオブコモンズ)という考え方があります。
要するに、一つの限られた牧草地なのに、例えば製薬メーカー・器具メーカー・患者・医師が、先ほど申し上げました費用対効果ということを考えずに、勝手に羊を放って食べてしまう状況です。
そうすると結局は牧草が枯れていってしまいます。

これをトラジディーオブコモンズと呼びますが、
まさにコモンズというのが日本の医療保険システムでして、それは優れたシステムですが、
医師も患者も費用対効果を考えずに勝手に食べていってしまうと、医療保険が破綻するということです。

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ボーダーです。 プロダクトローンチの手法にハマりまくってました。 ・「ネット=支援の場」という意識を浸透させる「クラウドファンディングアフィリエイトページ」やってます。 ・ストリートパフォーマンスで人とやりあう活力をつける教室やってます。