土屋ともひろ君(15歳)がはやる心をおさえて『ロード宗教ランナー』をプレイして、早くゲームオーバーしたがっていた。
「俺は○会員だから、天才だよ。〇〇先生が守ってくれるよ！」
　ゲームに負けるとゲーム機を窓から投げ捨てて、パンツを脱いで何かをおこなった。終始、無表情だった。そして近くの公園に向かい、砂場に穴を掘り始めた。汗をかきながらスコップを握りしめて、大きな穴を掘ると、フルチンでそこにうずくまり、「俺は土屋ともひろだ！！」と笑いながら叫び、穴が自然と埋まるのを待った。
「誰かが、穴を埋めるのか？！」
「いや、違います。アホだね、まったく」
「アホ？？俺は土屋ともひろだ！！」
　穴にはまった土屋君は自問自答をブツブツと繰り返して、暗い眼をさらに暗くさせて、薄く笑って、泣きそうな顔をした。
　土屋君は発狂して、ゲームを強制終了した。
「土屋くん、どうするの？！」
「宗教変えて、いちからやり直します」