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体育会系ブラック企業に勤務してた人が宝塚歌劇団員のいじめ自殺問題を語る

2023年9月、宙組に所属する劇団員の女性が兵庫・宝塚市のマンションで死亡していた
宙組生などからヒアリングを行い、調査報告を受けた上で「故人に対するいじめやハラスメントはなかった」と説明
一方で、新人公演のまとめ役の負担などによる長時間労働には「タレント契約ですが、健康面の配慮が足りなかった。深く反省している」と述べた

https://www.sankei.com/article/20231114-RNE4X7EL7FL63HMEYY5MFC5OSE/

体育会系によくある「かわいがり」

私がこの事件のニュースを聞いたとき、体育会系特有の文化のひとつ「かわいがり」だろうなと思いました
いわゆる「愛の鞭」というやつですね、実際は愛なんてないただの暴力、パワハラ行為ですが加害者たちは「お前の為を思ってやってる」「心を鬼にしてやってる」「殴る方の手も痛い」等と言い訳して正当化してるんですよね

指導と称し怒鳴り散らし、鉄拳制裁

私が新卒入社した会社は典型的な体育会系企業でした
ミスした数×500回といったペナルティが新人に課せられるのが日常茶飯事でした
ミスといっても少しでも指導係が「気に入らない」と思えば「ミス」になるという感じで、説明されていざ言われた通りにしたら間違っていると怒鳴られ殴られるのは日常茶飯事でした

例え白いものでも指導係が黒と言えば黒と言わなければならない、でも1時間後にこれは黒ですねと言えば「ハァッ?これはどう見ても白やろが!何回言ったら分かるんやこのボケ!」と怒鳴られる、そんな毎日でした
指導係からの説明を聞いて、実際にやろうとした時に「おい!お前何やっとんや!!私は左足から歩き始めたのに何で右足から歩き始めたんや!教えた通りに出来んのはちゃんと見てない証拠や!バカヤロウ!」と理不尽に怒鳴られ頭を殴られた新人もいました
因みにやろうとしたことはお客様のお迎え後、お客様から預かったキャディバッグを指定されたカートへ積み込む作業で、他の先輩方を見ていても歩き出す足は左右バラバラでしたのでどちらの足から歩き出しても全く問題のない業務でした

先輩が説明してくれている時に忘れないよう必死でメモ取っていると横から指導係が「お前!先輩が時間割いて説明してくれとる時に下向いて何やっとんや!ちゃんと人の目を見んかい!目を合わせろ!言われんと分からんのかアホやな!」と怒鳴られることもありました
しかし、目を見て話聞いていると「おい!お前はせっかく先輩が説明してくれとるのに、メモ取らんと何をボケッとしとんじゃ!お前聞いただけで覚えられるんか?メモ取るんは社会人の常識や!そのくらい自分で気付けやボケェ!」と怒鳴られました

毎日ペーパーテスト(正社員登用には一切関係がない)があり、1つでも間違えるとペナルティと称して怒鳴られ、膝蹴りや頭を叩かれる等、暴力を受けました
少しでも間違えれば大声で人格否定され罵倒され、間違えないよう必至になれば「あんたは完璧主義なの?完璧な人間なんて居ないよ?間違う事なんて誰だってあるんだから」と笑われる毎日でした

加害者は一生変わらない

限界が来た私は会社の上層部の社員へ訴えました
話し合い当日、そこには何故かパワハラ加害者(Aさん)もいました
そして上層部社員にこの様なことを言われました

Aさんも、悪気があってやったわけじゃない
貴方は何度も辛いと言うけど、殴る方の手だって痛いし辛いんですよ?
指導というのはとても辛いのです
Aさんはあなたの今後のことを想って、心を鬼にしてやったことなのです
熱くなりすぎて多少行き過ぎた指導もあったかもしれないけれど、それはAさんの愛故なんですよ
それに、あなたは自分自身で選んでこの会社に入社したんですよ?文句を言う前に、もっと何か出来る事があるんじゃないですか?
石の上にも3年といいます、今は苦しいだろうけどもっと努力して頑張ろう!自分で選んだ仕事ですからね
自分の行動に責任持つのが社会人です、人のせいにしてグズグズ燻ってないで、もっと努力して高みを目指しましょう!

責任者の話を聞いている間中、同席していたAさんがアカベコのようにウンウンウンウンウンウンそうそう!そうなのそうなの!とブンブン首を縦に振って頷いていました
加害者は加害している自覚が無いんですよね
そして相談される社員も、自分自身は一切被害を受けてないので他人事なんですよね
宝塚歌劇団の理事長等の重役がそろっていじめパワハラは無かったと言ったのも他人事だからでしょう

代わりの人間はいくらでもいる

宝塚歌劇団に入団するには宝塚音楽学校を卒業する必要があります
その宝塚音楽学校は何もしなくても毎年入学希望者が殺到します
「一人いなくなっても代わりの人間がいくらでも入ってくる」状態なんですよね
入学希望者が居ない!後継者も育たずこのままだと劇団が消えてしまう!という状態になれば劇団経営者たちは必死で事件解決、「掟」の撤廃、指導方法の改善に向けて真面目に動くでしょうが、2023年度の倍率は15.3倍となっていました
定員40人の枠におおよそ600人ほどの入学希望者がいたんですよね
「嫌ならお辞めになったら?貴方の変わりはいくらでもいるんですのよ」と被害者たちは言われていたのでしょう

このまま有耶無耶にされるでしょう

この劇団員パワハラ自殺事件は有耶無耶にされて終わるでしょう
きっと劇団内では「いじめごとき耐えられない人間が劇団員なんて出来るわけない」「あれくらいで自殺なんて、私なんかもっとひどい事された」
「先輩に認められるように行動しないのが悪い」等と被害者を叩く声で溢れているでしょう
本当に、悲しい事です

以上、精神論根性論大好きな体育会系ブラック企業勤務経験者が宝塚歌劇団員のいじめ自殺問題を語るでした
最後まで読んでくれてありがとうございます

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学校でのいじめ被害
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https://note.com/nakazon_memo

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