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猫と密教と土門拳と

猫が二匹いる。二匹は、普段決して仲がいいとは言えない関係性なのだけれど、たまーに寄り添った姿を見せてくれたりするから可愛い。

最近密教が面白い。母がりんご畑の手伝いに来てくれた際に『密教僧 秋月慈童の秘儀 霊験修法曼荼羅』を持ってきてくれ、それをずっと読んでいる。

母はこのように、脈略なく急にいろんなものを持ってきてくれるから面白い。着なくなった服をはじめ、使わなくなったカーテン、突っ張り棒、棚にするのにちょうどいい大きさの木の板とL字金具、食べ物などなど。その中のいくつかは、自分が思いもよらぬタイミングで必要になるからいつも驚いてしまう。

教科書の中の、文字としての知識しかなかった「密教」であるが、あまりにも面白くて色々と調べている。「ああ、だからここに毘沙門さまが祀られているのか。」「え、なんでここにこんな神さまが。」などと、地図を見ながら興奮している。そんな私の姿を見て、夫も最近その漫画を読み始めた。母の布教活動は成功したと言えよう。

教科書以外で、私が神仏への興味が湧いたのは間違いなく「土門拳」だと思う。学生時代を山形県で過ごした両親は、まだ小学生から中学生くらいだった私たち兄弟4人を何度も山形県酒田市にある「土門拳記念館」へ連れて行った。ここで見た「唐招提寺金堂 千手観音立像左脇千手詳細」が忘れられない。別の作品だったかもしれないけれど、とにかく手がたくさんあることに衝撃を受けた記憶がある。

先日NHKの東北ココからで「鬼たちの風景 土門拳と棟方志功」というタイトルで2人の東北を代表する巨匠が取り上げられていた。冒頭、「いい写真というものは写したのではなくて、写ったのである。」という土門拳の言葉が紹介されていた。「これはちょっと体力のある時に見ないとダメだ。」と判断し、録画だけしている。今週あたりには見ることができそうだ。ここでもまた、”中動態”的な言葉が出てきて興奮してしまう。東北って面白い。調べていると、土門拳記念館で「絵画と巡る土門拳ー生誕120年・棟方志功とともにー」という展示会を3月31日までやっているようだ。早速母にも共有した。

少し前に行った八戸で出会った裂織の作品

昨日は一日中動けないでいた。月に1度くらいのペースでこういう日がある。仕事をしたくてもどうしても無理で、そういう日は諦めてスマホをいじったり、撮りためていたドラマをぼんやり眺める。夫にも「ごめん」とことわりを入れ、ひたすらナンニモシナイに徹する。その甲斐あってか、今日は頭もスッキリしているし、noteを書くくらいには回復した。よかったよかった。

全然りんごのことを書いていないけれども、今回はこんなところにしたいと思います。

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