季節外れのサクラが咲くのはなぜ?

秋の季節になり涼しく朝夜には寒さを感じる頃に、春のような暖かい日にサクラの花が一部咲いていることを見たことありませんか?

「花の芽が春と勘違いしてるんやろな。」と考えたと思われた方はいると思いますが。実は芽だけでなく葉っぱにも関係があります。

サクラをはじめとする春に花を咲かせるために芽を越冬する樹木は葉っぱで夜の長さを計り季節を判別しているのです。

葉っぱは普段、呼吸と光合成を行っています。それ以外にも役割があります。秋の季節になってくると夜の時間が長くなってきます。それを葉っぱが感じ夜の長さに応じて、アブシシン酸という物質を芽に送り、物質の量が増えてくるとつぼみを包み込んだ越冬芽(冬を越すための芽)をつくり、冬の季節がくるのを予測して冬支度を行います。

越冬芽のつくられ方がわかったところで、本題に戻ります。季節外れのサクラの花が咲いてしまうのは葉っぱに関係がありそうです。

葉っぱが虫に食べられてなくなったり、葉っぱが枯れてしまうなどの葉っぱがなくなってしまったことにより、秋の夜の長さを計ることが出来なくなりアブシシン酸がやって来ずつぼみに包まれた越冬芽になることが出来ず、秋の暖かさで花を咲かせてしまいます。

このようにして紅葉が始まったぐらいのタイミングに暖かい気温になるとサクラの花が咲いてしまい、紅葉とサクラの共演が見られるのです。

夏至を過ぎたころからサクラの樹木を観察し続けて、次の年の春までどのように過ごしているか少し気にしてみてはどうでしょうか。

季節外れのネタになってしましましたが冬のつぼみのサクラを一度見てみてはいかがでしょうか?

参考図書:植物のすさまじい生存競争 巧妙な仕組みと工夫で生き残る  田中修

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