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上野動物園を去るシャンシャンとともに、私も上野の彼にさようなら。

上野動物園のシャンシャン、日本を去って中国に行ってしまったらしい。
私は特別ファンでもないし、見に行ったこともたぶんなくて
でもなんでわざわざこんなタイトルの文章を書いて
この出来事に心奪われているかって

昨日、約半年付き合った彼氏と決別をしたのだ
そしてその彼が住んでいて、多くの時間をともにした町が、上野だったから。
なんだか上野を去るシャンシャンとともに、私も上野を去っていくような、そんな気持ちがして。
なぜだかニュースを見ながら想いを馳せてしまった

すごいスピード感をもってお互い恋に落ちて
付き合い始めたのが6月。

出会えたことも、彼を選んだことも、この半年のことも後悔はしていなくて
本当に楽しかった。ただそれだけ。

こんなにも人を好きになれるなんて思わなかった。
知らない自分に出会ってしまったような、
そのくらいにあまりにも好きで好きで。
「恋」を経験させてもらったなあと。

お互い納得して、一緒にいるのがきつくなって
すれ違い、合わないねって
そう話し合って、別れた。それが1月中旬の出来事。

それなのに結局、ずるずると
ほぼそのままの関係性を続けてしまった

どうしても、離れられなくて苦しくて
この関係はなんなんだってよくわかんなくて
それでも今ここが楽しいならいいかって

そうして時間が経つにつれて、心のどこかで違和感が拭えなくなって
こんな状況にある弱くて中途半端な自分のことをどうしても肯定できなくて。

だから電話で、前向きなお別れをした
前向きじゃなくて、本当は私は大好きだったから、もう一度やり直せない?て本気で、持ち掛けたのだけどね。白黒ハッキリ、させたくて。

でも答えもわかってて、絶対にYESって言わないことも、わかってた
案の定、どんなに訴えかけてもやっぱり最後の最後まで、答えは変わらなかった
寂しさもあったけど、それ以上に本当は、
そこでYESって言わない真面目さと頑固さと芯のあるところが好きだったから、ちょっとだけ嬉しかったし安心した
そうだよねって。

だからそこからはなんだかムカついてきて、笑えてきて、後悔するよとか後で泣きついてきてももう遅いからねとか
今日を逃したら二度とやり直せないからねとか
うるさく茶化してやった

そんなこんな話しているうちに、なにがきっかけだったのか
どんなところが好きだったのかって話になった
そこで自分の口から出てきた言葉の数々に
あぁ私って、盲目的な「恋」に溺れていただけじゃなくて、けっこうちゃんと中身を見て
人間として好きだったんだなあってことに気がついて、なんだかすごく、ほっとした。
好きになれて良かったなって、心から思えた。

色んな話をしてたら、彼が急に泣き出してしまって
最後はどん底まで落ちたような声になって
なんだか本当に、病んでしまいそうで怖くなって

私は別に、彼に悲しくなって欲しくもなかったし、別にそんな風に落ち込んでは欲しくなくて
もし私と別れたとして、心身ともにちゃんとずっと、元気でいて欲しくて。
電話越しにわかる暗さにあまりにも不安になって
とともに、私が守らなきゃ、守りたい、寄り添いたい、って心からそう思った。

だから私はちゃんと、恋だけじゃなくて「愛情」も持っていたんだなってことにハッと気付かされた。
だからどうこうとか、この先があるわけではないのだけど

これから先は、大事な親友の1人として。
ここまで向き合ってきた人だからこそ
この先は関係性こそ違えど
一人間として、元気にいられるように、過ごせるように、頑張っていこうねって
私いつだって気にかけてちゃんと大切にするよって、すごくすごく、そう思った。
情に厚いし、ご縁は大切にするのです。

なんでそんなに私と縁切れないの?
そう聞いた数日前、彼が言った、
「ここまで自己開示して、心を開いて、関係性を築いてきた数少ない人だから」
その言葉が忘れられなくて、ほんとに嬉しかった。

感情表現や自己開示が苦手な彼だから、私にも見せていなかったとこ沢山あったのかなって、思ってたけれど
そんなふうに、彼の中では一生懸命心を開いて自分というものを見せてくれていたんだなあ、と。
それがわかったら、それに報いる、じゃないけど
そんな私だからこそできることを、少しでもしてあげられたらなって、思った

悩み相談なんて人に1回もしたことが無い、っていう彼だけど
私にならこの先相談するかもってそう言っていたから
いつか友達として相談相手になってあげよう。

でもそう思えるのは、それだけじゃなくて
彼も私のことを、別の方面から支えてくれていたし、この先も放っておけないって、そう言ってくれていたから。
別れた直後、ヤケになって私が道を誤りそうになっていた時
電話で4時間も説教をしてくれた。

なんでわざわざ??て思うくらいには
厳しくてきつくてど正論なことを、真正面からぶつけてくれた。
だから私は、正しい道に戻ってこれた。
もう踏み外さない、自分の価値を下げないって
心からそう思って、良くない縁を断ち切ることができた

今回だけじゃなくて、思い返せばそうやって、
やめた方がいいよってこととか、この人たち友達なの?て怒ってくれたこととか
なんだか良くない方向に行きそうな私を連れ戻してくれたのはこの半年間、いつも彼だったなと。

だからこの先恋人だろうが友達だろうがそういうのは置いておいたとしても
こんなにも私のことを大事に思って叱ってくれる人を
私は絶対に失ってはいけないし
大切にしないといけないなって
本当に、そう思った。

そして彼と私は恋人としての決別を果たして、友達になった。

上野で会ってしまえばまた、おうちに行ってしまうかもしれないからもう、上野では会えないね

天気が良い日には決まってお散歩しに行った上野公園、よく座った噴水の近く、何度も大道芸に出くわしていつもお金払わずには去れなかったこと、
行きつけの裏路地の町中華屋さん、
気分を選んで使い分けたいくつものドトール、
仕事帰りにいつも買い出ししてた多慶屋、
通りすがりによく立ち寄って観葉植物の名前に笑ったお花屋さん、
しょっちゅう深夜に歌いに行って常連になったカラ館、
5辛に火を噴いたCoCo壱、
行きつけになったイタリアンバル、
2回も行った行列の喫茶店、

まだまだまだ思い出は尽きないけれど、
どうしたって記憶の染み付いた、愛おしい町になってしまった上野。
しばらくは行けないなあ

だから、シャンシャンとともに、私も上野を去ることにする。
でもお別れじゃなくて、いつかまた。
前を向いて、もう大丈夫だって、そう心から思えるようになったらまた、上野の地に足を踏み入れて

そうして、彼とも久しぶりに元気で会えるかな。

やっと今日、前向きな未来への一歩を踏み出しました。

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