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オーディション番組発のアイドルからしか得られない栄養があるという話

同級生の挑戦が導いた、オーディション番組との出会い

就活真っ只中の、大学3年生2月。

「俺、オーディション受けるから、応援してて!」

大学の同級生から、急に告げられたのだ。

そんなひょんなことをきっかけに、アイドルのオーディション番組「PRODUCE 101 JAPAN」を見始めた。

101人の練習生の中から、11人のデビューメンバーを決める。それを選ぶのは、「国民プロデューサー」つまり、視聴者たちの一般投票。

ダンスも歌も未経験の人もいれば、「ダンサーとして活躍していました」という人もいる。スキルも経験も年齢もバラバラ。

番組中に練習生は、講師たちから評価を受けて、自分のスキルをA〜Eに位置付けられる。

でもこの評価は、デビューできるかどうかとイコールではない。A評価でもデビューできない人はいるし、E評価だった人が大躍進を見せてデビューすることもある。

つくづく、視聴者たち(オタク)が求めているのは、パフォーマンススキルの高さだけではないことがわかる。

大学4年生の6月、11人のデビューメンバーが決まった。

(友達も見事、LAPONEという就職先に内定したのだが…その話は今回は書かないでおこうと思う。)

そこから私は、ずっと好きだった嵐が活動休止して以来初めて、推し活というものを再開する。

藤牧京介のダンスの進化は、未経験者にとって希望の塊


推しているのは、INIというボーイズグループ。オーディションから早3年が経った今、メンバーのパフォーマンススキルは鰻登りだ。特に、未経験メンバーの伸び代がすごい。
オーディション中の彼らとは同一人物とは思えない進化を見せてくれる。

私が1番驚いているのは、藤牧京介くんのダンススキルの変化。

天性の歌声を持つ彼だが、オーディション前、ダンスは未経験だった。

デビュー前とデビュー後の動画を載せるのでぜひ見てほしい。

まずデビュー前。ダンス未経験ながら一生懸命踊る姿が初々しい。

この頃から、未経験者特有の変な踊り方のクセもなく、重心もしっかりしているところからポテンシャルは感じられる。

ただ、ダンス経験が10年以上ある私が僭越ながら言わせてもらうと、手の動きが振付のスピードに追いつき切れていない部分があるなど、お世辞でも「とても上手い」とは言い難い。(完璧でないという点がオーディションの魅力でもあるのだが)

あれから約3年経った今。私が感動したのは次のダンス動画だ。


1番左で、白いTシャツを着ているのが藤牧くんだ。
帽子をかぶっているのもあって、私は最初この人が藤牧くんだと気付かず、知らないダンサーさんかと勘違いしてしまった(笑)

そのくらい、見違える進化を遂げていた。

以下、ダンスオタクみたいな見解で恐縮だが…(興味ない人は飛ばしてね^ ^)

・まず力の抜き方が上手すぎる。余計な部分を力が入っていないので、こちらも力まず安心して見ていられる。ここからさらに、アクセントの入れ方とタイミングをうまく操れたら彼に怖いものはない。poppingとか修得させたら、緩急を完全に操れてヤバそう。

・そして形の一つひとつが綺麗で、こだわりを感じる。相当鏡を見て調整しているのだろうという努力が見受けられる。どこで止めても美しい角度と線を見せてくれる。

・16ビートの入れ方と首の使い方が上手い。うるさくならない程度に、でも音源の裏音をしっかりと捉えながら曲に乗って踊る。首が力んでないから、ビートに合わせて自然と首も動くことでこなれ感が出る。
今回のINIの新曲LEGITは、INIの魅力である「カッコよさ・いかつさ」を存分に生かしつつも、これまでのアップテンポなシングル曲の傾向とは少し違う、余裕を感じる若干のスロービート曲だ。そのスロービートを彼は完全にモノにしている。曲の世界観に身体で入り込んでいる。

・そして、ダイナミックな重心移動。デビュー前から重心がしっかりとしていてフラつからないのが彼の強みであったと思うが、そこにさらに磨きをかけて、ずらすべきタイミングで重心をずらしている、と思う。軸が常にまっすぐ固まっているのではなく、左、右と、横に大きく重心を移動させることで、人よりも空間を大きく使って踊っているのだ。

私調べ

ここまで熱く語ってしまうほど、藤牧くんのダンスは素晴らしくて、素晴らしくて、素晴らしいのだ。(語彙力)しかもこの3年でこんなに成長したということは、来年再来年にはさらにどこまで成長しちゃうの、、、?という期待しちゃうような伸び代もある。

オーディション参加前、プロのダンサーとして活躍していた経験を持つ木村拓哉くん、西洸人くんと横並びに踊っても、見劣りしないレベルのスキルだ。
実際、ショート動画のコメント欄でも「ダンスうますぎ」「ダンスメンと言ってもいい」といった称賛の嵐が渦巻いている。

※オタクモードになったのでここからは呼び捨てにさせてください。

INIナンバー1、2を争うレベルでの歌唱スキルを持つ藤牧だが、ダンスまでグループトップレベルになったらどうなってしまうのか。もうそれは、最強としか言いようがない。三浦大知レベルじゃないか。(私は三浦大知さんの歌唱・ダンススキルを人間国宝だと思っています)

藤牧よりもダンス経験年数が長いメンバーでも、油断してたらスキル抜かされちゃうぞ!?と思ってしまうくらいだ。
数年後には、元ダンサーの木村や西に肩を並べるほどのダンスメンバーになっていても、正直おかしくないと思う。

こうやって、メンバーの成長をずっと追っていられるのが、オーディション番組初のアイドルならではの魅力である。

プロセスエコノミーアイドルの時代が、はじまっている

その成長は、私たちに勇気をくれる。いつ始めるにも遅くないってこと。人より経験年数が少なくても、努力すれば花が開くということ。
この数年の間に彼はこんなにも成長したんだ、と思うと、私も頑張ろう、と思える。

まさに、プロセスエコノミーだ。

プロセスエコノミーとは…完成品ではなく制作過程そのものを売ること。成長の過程をそのまま見せることでファンになってもらうこと。

「できなかった」時期を知っているからこそ、感情も移入する。愛着が湧く。人間味を感じる。

それはオーディション番組だからこその魅力であるとつくづく思う。

もちろん、デビュー当初から完璧なアイドルだって魅力的だ。そういうアイドルは、練習生時代に表に出ることはなく、長年の練習を重ねた上でデビューしている。

私は韓国のJYP所属アイドルNMIXX(エンミックス)も推しているのだが、彼女たちはデビュー当初から強強(つよつよ)だった。まるでラスボスたちをかき集めて作られたようなグループなのだ。

NMIXXを見て、私は「わあ、こんなに成長したんだね(泣)」とはならない。だって最初から上手かったんだもん。

でも毎回毎回、彼女たちがハイクオリティのパフォーマンスを公開するたびに、「スキルでぶん殴られた」ような感覚になる。それもそれで、痛快でとても推し甲斐がある。

全員がメインボーカルレベルと言われる彼女たちのつくる音楽、特にライブパフォーマンスは、ダメ出しする隙もないくらい完璧だ。完璧なアイドルもまた、魅力的なのだ。

完璧なアイドルも、成長型アイドルも、どちらとも違う魅力がある。

やっぱり、オーディション番組発のアイドルからしか得られない栄養があるな、とも思う。

ハタチまで一般人だった彼のシンデレラストーリーに、なぜか感情移入してしまう


INIにとって念願のドームコンサート開催決定(京セラドーム)が決まったとき、私はたまたまそれを発表するライブ会場にいた。
涙を流すメンバーが多かったのだが、そのとき泣ながら言っていた後藤武尊くんの発言が忘れない。

「俺、学生の時は京セラドームでバイトしてたんだよ。こうやって椅子拭いてたんだから!」


ドームの客席を拭いていたバイトが、アイドルとして今度はステージに立つ。
まさに、シンデレラストーリーである。


ハタチを超えても一般人だった彼らが、オーディションという1つの分岐点で、アイドルに生まれ変わった。

なんだかそういう話には、「子どもの頃から事務所に入っています」というアイドルの話よりも、感情移入してしまう(なぜ?)

そして一般人生活も長かったからなのか、彼らが作り出す空気には、心地の良い親近感もある。

彼らがくれるのは、ご褒美だけでない。何かを始める勇気と頑張れる刺激をくれる。

長々と語ってしまったが、とにかくオーディション番組発のアイドルからしか得られない刺激と喜びがあるのである。


次、ライブで彼らのパフォーマンスを見れる日が楽しみで仕方ない。そして1年後、2年後もまた新しい世界を見せてくれると信じられるから、長く推していきたいと思える。

これまでアイドルのライブに行けるのは、私にとってご褒美でしかなかったけれど、INIに出会って、「みんなこんなに頑張って成長してるんだから、私も頑張ろう!」という、新しい刺激をもらえることに気づいた。

そうやって、雲の上のかけ離れた存在ではなく、成長のプロセスも見せてくれるからこそ、「自分も頑張れるかも」という勇気をくれる。これはやっぱり、オーディション番組発のアイドルだからこそ出せる魅力なんだと思う。

だから、やっぱりこれからも推していく。
そんなアイドルからしか得られないエネルギーがあるから。


最後に、藤牧くんのダンスをひたすらほめてしまいましたが、歌こそ最高オブ最高なのでぜひ聴いてください^ ^

最後までお読みいただきありがとうございました^ ^

P.S. ちなみにINIは、髙牧・フェンファン寄りの箱推しです!

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