【交換note】ずっと思い出せない曲がある

iPhoneが全く普及していなかった15年前。
ガラケーなんて言葉も存在しなくて、学校の休み時間に色とりどりの二つ折り携帯電話をパカっと開いて小さなボタンをポチポチ器用に叩くのが日常の風景だった。
もはやどっちがメインなのかわからないくらい巨大なキーホルダーや、目が眩んでしまいそうなラインストーンのデコレーションも、今では #平成レトロ と呼ばれ珍しがられるカルチャーになったようだ。


着うた、懐かしい

高校1年生のとき、初めて #着うた を設定した。
通話の着信音と、Eメールの受信音。
番号やアドレスをグループ分けして、同じクラスならこれ、部活のメンバーならこれ、と言った具合に。

着うたとは……
自分の好きな楽曲を30秒程度の長さにして、携帯電話の着信音に設定できるサービス。
日本のガラケー普及時代に特に普及したカルチャー。

Wikipedia参考

着うたの歴史は一瞬だった。
スマートフォンが普及して、着信音に個性を持たせる文化が衰退していったのが着うた終焉の大きな要因だったらしい。
(こちらの記事ご参照)

確かに、今って目覚ましと言ったらiPhoneのあの音だし、着信音といったらラインのあの音だもんね。
違和感なく受け入れてたけど、あの頃を振り返ると少し味気ないような気もしてくる。
もしまだ着うたが現役だったら、おそらく私の着信音はなにわ男子のダイヤモンドスマイルだったろうな(え)。

私の着うたプレイリスト

当時着うたにしていた曲は、定期的に聴きたくなってパソコンにかじりつく。
特定の歌手を好きになることがなかった私は、Youtubeが次から次におすすめしてくれる曲を片っ端から聴いてはダウンロードを繰り返した。
あの頃のYoutubeはユーチューバーのような人もほとんどいなくて、もっぱらアーティストのMVを視聴するためのコンテンツとして使用していたと思う。

友人からおすすめされたイケイケの洋楽もしっかり抑えつつ、あまり周りが知らないようなJPOPを配信サイトからダウンロードする。
当時はダウンロードのこと、「落とす」って言ってたっけ。
Mステのランキングの常連になるようなアーティストだけでなく、「こんないい曲があったんだ」というワクワクするような出会いの機会に、今よりも恵まれていたような気がする。

もっとたくさんあるんだけど、とりあえずこれくらいで…
(ちなみに「私もその曲好きだった〜!」って方いたらこっそり教えてください)

こうして並べてみると雑食すぎるように見えるけど、わかりやすく胸を打つ歌詞と、魅力的なアーティストの歌声、メロディにぐっと惹き込まれ、選曲していたんだなと思う。
だって今聴き返しても、思い出抜きにしてもすんごいジンとくるんだもん。

思い出せないあの曲

ただ、ここ10年くらいずっと探しているのに、出会えていない曲がある。

洋楽で、男性数人で歌ってる曲。
おそらくヒップホップなんだけど、うろ覚えすぎてタイトルどころかメロディすらも再現できず、でもずっと頭の中に残っている。
なんだっけ、あれだっけ、とたまに思い浮かんで検索ボックスにそれらしき文字を並べても、いつも空振りに終わる。

あの曲に出会ったのは2008年頃だったと思う。
恋愛の曲ってわけでもなかったと思うんだけど、なんだか気に入って、当時好きだった人の着うたに初めて設定したのがあの曲だった。

相手は高校の先生。
先生が顧問を務める部活の友達づてになんとかメールアドレスをゲットして、初めてのメールを送るのに3日間送信ボタンとにらめっこした。
幸い先生が返事をくれて、私の片思いは動き出したんだよな。
(片思いのことは以前のnoteで書いてるので、もしよければ)

正直、先生とは色々あった。
高校卒業して、上京して大学生になってからも忘れられなくて何回か連絡してしまった。
何度もアドレスから先生の連絡先を削除したけど、特徴的な単語が並べられたメールアドレスが頭に刻まれてしまって、手打ちで宛先を打ち込んでメールを送った。
ほんと、惨めだったな。

周りなんて見えてなくて、ただまっすぐに恋をしていた。
好きな気持ちを制御する術も知らず、勢いのまま走り続けた。
今の私には、あの頃の熱さはきっとない。

恋心の高波と一緒に、どこかに消えてしまった着うたの記憶。
いつか戻ってきたら、あの頃の気持ちも思い出せたりするのかな。

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