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満月だとお産が増えるってホント?

臨月を迎えると、赤ちゃんがいつ生まれてもいい時期に突入します。
昔からよく「満月の日はお産が増える」といわれており、満月の日が近づくとソワソワする妊婦さんもいるかもしれませんね。
しかし、そもそも満月の日にお産が増えるのって、本当なのでしょうか。
ここでは満月の日にお産が増えるといわれている理由と、満月とお産にまつわることをご紹介します。


1.満月の日にお産が多いと言われる理由

満月の日にお産が増えるというのは、今に始まったことではなく、大昔からいわれていることです。
ではなぜ、満月の日にお産が増えるといわれているのでしょう。
ここでは昔からいわれている、その理由についてご紹介します。

①月の満ち欠けの周期が生理周期とほぼ同じ

月の満ち欠けは、29.5日で一周する周期となっています。
女性の生理周期は約28日で、月の満ち欠けとほぼ同じなんです。
また、新月から満月になるまでの日数は14日。
女性の排卵日も、生理開始日から数えて14日が一般的です。
月の満ち欠けと女性の生理周期がリンクするところが多いことから、昔から月は女性にたとえられている国が多いのです。
こういったこともお産が増えると言い伝えられている理由のひとつです。

②月の満ち欠けと潮の満ち引きがカギに

月と地球にはお互いを引っ張り合う引力が働いています。
月と地球の位置によって潮の満ち引きがありますが、月と地球と太陽が一直線で並んだ時、つまり満月のときにもっとも潮が満ちるのが「大潮」です。月と太陽の引力により潮が満ちるのですが、何らかの働きにより、人間の体にも少なからず影響があるのでは、と考えられています。

③羊水と海水の成分が似ているからとも

人間の体は約60%が水分で、妊婦さんの体には羊水がありますよね。
羊水は水素・酸素・ナトリウム・塩素が主な成分ですが、これは海水とほとんど同じ成分なんです。
引力によって潮の満ち引きがあるくらいですから、海水と同じ成分の羊水も、月の影響を受けていると考えるのが自然です。


2.満月と出産に科学的データーはない?

満月とお産についてさまざまな仮説が立てられていますが、これらは科学的に証明されていることなのか、気になりますね。ここでは満月とお産の科学的エビデンスについて見ていきましょう。

①科学的根拠はない

満月の日にお産が増えるのは、月の満ち欠けが関係しているのでは? 
といわれいますが、実は科学的に証明されていることではありません。
しかし諸外国の調査では、満月の日の出産率が10%もアップした、という報告もあるほど。
科学的根拠はないものの、実際にお産が増えているのも事実のようです。
まだわからないことが多いからこそ、お産は神秘的といえるのかもしれませんね。


②帝王切開などが増えた

昔はお産というと自然分娩がほとんどでしたが、現在は赤ちゃんに合わせて予定帝王切開をしたり、陣痛促進剤でお産を進めたりします。
赤ちゃんの状態によって、さまざまなお産のかたちがあるということも、月の満ち欠けに関係ないといえる理由ではないでしょうか。


3.満月だと安産になるってホント?

満月の日にお産が増えるといわれているのと同じくらいいわれるのが、満月の日は安産になる、ということ。
これも本当なのか気になりますね。

①科学的根拠はない

満月の日に安産になるといわれる理由も、月の引力が影響していると考えられています。
月の引力によってお産がスムーズに進む、などといわれていますが、科学的な根拠はありません。
満月の日に陣痛がきても、安産になることもあれば難産になってしまうことも。
満月の日でなくとも安産になるケースももちろんあります。

②安心材料になる

満月の日に陣痛がきたら、
「満月だから安産になるといいな」
という安心材料になるのは事実ですよね。
初めてのお産はもちろん、何度経験してもお産は不安なものです。
そんな時にこそ、満月だと安産になるという言い伝えは、ママにとって心強いものになるはずです。


4.まとめ

満月の日にお産が増えるといわれていますが、残念ながら科学的な根拠はなく、あまり関係性はないようです。
とはいえ、臨月になるとお産が近づいているのは事実。
満月の日をチェックして、
「このあたりに陣痛がくるかもしれないな」
と心づもりをしておくと安心できそうですね。
満月だけでなく、新月の日もお産が増えるといわれています。
満月と併せて、新月の日もチェックしてくださいね。


助産師/高木奈美

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