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ガリバー "法螺吹き" 男爵の冒険LⅩⅫ

「宿営地には以前の王都行で使ったものによく似た、虫こぶの小屋がありました。ヤコを降りたコウメ姫が小屋に近づき、ソラカミの端末を表面に貼り付けました。何やら操作しておりますと、小屋が震えるように小さく動いた後、扉がひとりでに開きました」

「『三人で使うために、簡単に模様替えをしました』と姫が言うので中を覗いてみますと、大部屋だったものの壁がせりだして少し狭くなり、扉が3つできておりました。わたくしと村長が感心していると、姫は嬉しそうでしたが真面目な口調で『さあ、まずは明日からの予定を相談しましょう』と言って小屋の中に入っていきました」

「中央の部屋には前回と同じく、大きなテーブルが置かれていました。大きな箱には、近くの村の人が用意してくれた食料品が入っています。私たちはテーブルにつき、芋を炊いて甘辛く味付けたものを取り分けて食べ始めました。姫君は食事を摂りながら、大きな紙をテーブルに広げました」(続)

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