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JAWS PLAYERS #03 7人集まってサイコロを転がした[XIトリロジーリレーレース]

1年は365日あるが毎日何かしらのゲームの誕生日であり、ゲームニュース系の公式Twitter(X)でも今日は何の日?というツイートがほぼ毎日投稿されており、ユーザーは引用する形で思い出に浸るというサイクルが出来上がっている。

1998年6月18日にダイスを転がすアクションパズルゲーム、『XI[sái]』が発売されたらしい。
らしいというのは子供のころは任天堂っ子だったこともあってこのゲームの存在を知ったのは1年半ほど前であり、当時を知らないからだ。

「今年25周年なんですよ」
「ほへーそれなら何かしら企画なりイベントなりやりたいですなぁ」

そんな会話をしたのが2023年の6月頃、ちょうど初代XIの発売日だった。


XIとの出会い

私のXIの第一印象はというと「エンゼルを許すな」だ。
認知をするようになったのはたしか2022年の5月に行われた名古屋RTAオフだった気がする。

とにかく嫌われているエンゼルの鬼畜っぷりを笑って見ていた。当たり前だがこのころはサイコロ星もとい界隈とは一切つながりはない。
その後RiJでも披露されたりしたこともあり、自分の中では『XI=XIゴ』という認識だった。

2022年の11月ごろ「これあげる」と渡された初代XIをエンゼルと勝負できると思ってプレイしていた俺の気持ちを想像してみてほしい。
それから中古ショップを巡ってXIゴのソフトを探し出したのはいうまでもない。

しかし初代XIはいっぱい売られていてもXIゴは見つからず、お値段もそこそこすることもあってなかなか手に入らなかったので、RTA勢のまるさんに貸してもらった。
そこから通常プレイ→RTAに挑戦するまではそう長くはかからなかった。
これで晴れて俺もサイコロ勢の一人ってワケ。

そこから一番最初の会話に至る。

トリロジーリレーレース企画の始まり

トリロジーリレーというのは、シリーズ3作品をそれぞれ別の走者で順番に走るという形式でRTA in Japanでもいくつか採用例があるくらいにはメジャーだと思っている。

XIシリーズのメインとなるゲームは「XI[sái]」「XI JUMBO」「XIゴ」の3作品に分けられるのでトリロジーリレーにしたら面白いのではないかというところからこの企画はスタート。
運が絡む要素も多いのでできれば2チーム作ってレースにしたいというのは当初からの目標ではあった。

企画を考えたはいいが問題は山積みだ。

  • 応募イベント先は?

  • 各ゲームカテゴリーは?

  • 初代XIに走者がいない

  • トリロジーリレーでしかも2チームで並走をするとなると6人の走者を集め、ソフト交換を含むリレー形式なので全員がオフラインで集まれること

などなど…

応募イベント先は?

詳細はまだ発表されていない時期だったがJAWS PLAYERSが秋にオフラインで開催されることが告知されていた。
JAWS PLAYERS #03が第一目標。冬のRTA in Japanが第二目標(まだ夏のRiJ前の時期なので開催されるかも不明)ということになった。

サイコロ勢は全国各星に散らばっているので大阪より東京のほうが集まりやすいのではないかという意見もあった。

各ゲームのカテゴリーは?

どのゲームも長すぎず、短すぎずという形で選んだ結果、初代XIとXIゴはすんなりと決まったがXI JUMBOだけは応募の締め切り最後までどっちにするか悩んだ。
最終的には現地参加ができそうな走者に合わせてどっちにするか選ぶという形になった。

初代XIに走者がいない

サイコロRTA勢としてはまだ歴の浅い走者2人が新しく初代XIのRTAを覚えて担当することになった。
100puzzleは答えさえ覚えてしまえば完走は可能。タイムを詰めるのも操作精度と運ゲーに打ち勝てばいい。短期間で覚えやすかったのもある。

トリロジーリレーでしかも2チームで並走をするとなると6人の走者を集め、ソフト交換を含むリレー形式なので全員がオフラインで集まれること

ここが一番の問題。ただでさえいうほど走者がいないXIシリーズで6人全員が特定日にオフライン参加できる人を探すとなるともう大変。
2023年夏に東京で開催されたXIオフで関東勢に声掛けをしたりサイコロ星とDiscordで通信を行って頼み込んだり何とか人を集めることに必死だった。
この人とこの人が参加できるならこのカテゴリーでみたいな感じで何パターンか案を作った。

地道な営業活動が功を奏したかはわかりませんが、結果的に世界中からかき集めてもこれ以上はないというくらいのトッププレイヤー6人と最高の解説者が集まってくれました。
今回参加してくださった解説含め7名のうち5名は関西外からわざわざ来てくださった方々で本当に頭が上がらないです…ありがとうございます。

チーム名も結構迷ったんですけど最終的にはステーキチームとキャラメルチームに決定。
サイコロキャラメルって今では北海道でしか売ってないらしいですね。子供のころとかよく食べてた記憶があるんですけど。

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初代XIとの対話

さて、XI JUMBOが世界1位と2位、XIゴが世界1位と2位が集まってくれることになった。自分ができることは担当することになった初代XIで恥のない結果を残すこと。

リレーの一番最初でタイムも他と比べて短いカテゴリーではあるが周りが世界レベルの走者ばかりが集まっている企画で恥をかくわけにはいかない。
イチから覚える必要があるとはいえ、まだ本番まで3か月ほどある。そこからはほかのイベントの合間などで練習をしていたが、当時の世界記録(エミュレーター)の記録を抜くには至らなかった。

「相手はエミュレーターだしな」

どこかでそういった諦めもあったかもしれない。だが、一つの転機が訪れる。9月にRTARacingで行われた初代XIの並走会、その並走会で世界記録が更新された。出ないと思われていたタイムが並走会で出たのだ。

「あっ、ここまで出せるんだ」

どこかで吹っ切れた自分がいた。そこからは世界記録を狙い続けた。
本番一発勝負のリレーイベントだから完走重視の練習をしたほうがいいのかもしれない。でも出したかったのだ。

トリロジーリレーレース本番の4日前、世界記録が出た。

WRを3秒更新する

持ち時間を減らす決断

JAWS PLAYERSに採用が決まった後、ちょっとしたゴタゴタがあった。

運営・走者間の話なので詳細は伏せるが持ち時間を減らせないかという話になった。
普通のRTAであれば平均タイムなどである程度余裕あるとかこれ以上は厳しい…などが分かるが、ソフト交換も含むトリロジーリレーレースとなると運要素が大きく絡むゲーム性なのもあって、持ち時間の読みが非常に難しかった。
実際、応募するときのEST設定にも苦労した。余裕もって長すぎてもダメだし短くてもダメ。

応募時から自己ベスト更新&安定したタイムが出せていることと、運ゲー要素で余裕を持たせていた部分、ソフト交換の部分を少しずつ削って「マイナス8分できます。最高のメンバーが集まっているので。」と返事を返した。今見返すとめっちゃイキってない?大丈夫?これでEST超えたら恥ぞ?
そのマイナス8分がどこに充てられたかまでは知らないが役立っているのであればうれしい。

遠征勢が多いということと、出番が朝一発目だったこともあり、前日に集まれるメンバーで一軒家を借りて泊まってそのまま会場へ向かうことにした。ピザパも楽しかった。
一人あたり6000円くらいの宿泊代かな?3連休の大阪で駅チカでそれなりの自由が利くところと考えると結構安いと思う。

サイコロ柄だからという理由でドミノピザ

本番当日

そして当日、自分の走りはまぁ可もなく不可もなくという感じ。
本番1発通しで12分ピッタリはいままでの平均タイムと比べても悪いわけではない。
本番1発でPBを出した桜葵月さんが強かった。自己べが早いとレースも強いわけじゃないんよ(Refunctで痛いほど経験済み)
解像度が頻繁に切り替わるゲームが故のトラブルは仕方ないですね。なんとか直していただいたスタッフの皆さんに感謝です。

ステーキチームにトラブルがあったこともあり、キャラメル側の勝利。
完走後、スタッフの方からトラブル抜きのタイムを発表していただいて結果はなんと3秒差でステーキ側の勝利という逆転劇。
ちなみに後からアーカイブで確認したんですけど画面が映っていないところもあり、厳密なタイムは出せませんでしたが30秒ほどの差でキャラメル側が勝ってました。逆転に次ぐ逆転…!

RTAイベントに出るのも初めてという方も多かったので少し心配はしていたのですが勝ち負けどうこうよりもメンバー全員がイベントを楽しんでくれていてすごくうれしかったです。
企画しておいてなんですけど世界トッププレイヤー同士のレースを間近で見られてめちゃめちゃ感動した。今でもあのメンバーが集まったことが信じられません。でもまたこのメンバーで集まってやりたい。

ゆうだいさんには解説を快く引き受けてくださり、もし当日誰かが来られなくなった場合のピンチヒッターとしても準備していただきました。本当にありがとうございます。

実はJAWS PLAYERS #03の一番最後のタイトル、1-2-switch!でも少しだけお手伝いさせていただきました。

JAWS期間中は普通に仕事だったり音ゲーしに行ったりといろんなところフラフラしていたのでしっかり腰を据えて現地で見たタイトルは少ないですが、今年もたくさんの方と交流させていただきありがとうございます。
運営、ボランティアスタッフの皆様もお疲れさまでした。強力なスタッフがいるからこそ走者側も安心して走りに集中ができるのです。

おわりに

改めて、XIシリーズのRTA走者としてはまだまだひよっこの私の呼びかけに集まってくださった皆さん本当にありがとうございます。
第二目標としていた冬のRiJは落選となり、初代XIの25周年はこれで区切りがつきます。
子供のころに遊んでいた思い出のあるゲームなんです!と噓をつくわけにはいきませんが思い出ができたゲームであることは間違いないですね。

なんでお前が界隈の顔みたいにしてるんだよと言われるかもしれません。
自分が顔だなんて微塵も思っていませんよ、ただほかの人よりちょっとだけ行動力があっただけです。

妄想は誰だってできます。ただしその妄想を現実に近づけていくために行動できる人は少ないです。
最終的には実現できないかもしれない。でもその一歩は必ず今後に活かせます。
妄想から一歩前へ踏み出してみませんか?

あ、そういえば来年はXI JUMBO 25周年らしいですよ。

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