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PCケースについて語る。【第四話】PCケースメーカーについて

このnoteはPCケースについて語る。の第四話になります。

第四話では数々のPCケースを作っているメーカーの特徴などをご紹介できたらと思います。

※注意
すべてを紹介することは難しいので主に日本向けに発売しているメーカーをいくつかピックアップしてご紹介したいと思う。
五十音順。


AZZA

https://www.azza.gg/products/pyramid

キワモノケースといえばこのメーカー。アッツァと読みます。本社はアメリカ。
ピラミッド型のケースが発表されたときの衝撃は今でも忘れられません。
まるでルービックキューブを飾るかのようなデザインのCUBEなど、とにかくキワモノが目立つAZZAですが普通のケースも作っています。…があまり話題にはなっていないような…

https://www.azza.gg/products/cube-f-802f


be quiet!

https://www.bequiet.com/en/case/4425

静かにしなさい!のメーカー。本社はドイツ。
企業カラーであるオレンジ色がアクセントとして入っているケースが多め。
日本では取り扱いも少なく、なかなかお目にかかることはないがマザーボードを180度回転させた状態になる倒立ケースを作っているメーカーでもある。


COOLER MASTER

https://www.coolermaster.com/jp/ja-jp/catalog/cases/full-tower/cosmos-c700m/#gallery

台湾に本社を構えるPCパーツメーカー。PCケースのほかに電源やケースファン、CPUクーラーなども手掛ける。
クーラーマスターを語るうえで外せないのがcosmosというシリーズ。同社の中でもフルタワーの最上位に位置するシリーズですがその完成度からかなりの人気があります。

主力製品はMASTERBOXシリーズやITXケースのNR200シリーズ。クーラーマスターといえば大型ケースのイメージがありましたが、NR200も発売当初から人気があります。
ピンクや水色といったパステルなカラーのケースに力を入れているメーカーでもあります。

https://www.coolermaster.com/jp/ja-jp/catalog/cases/mini-itx/masterbox-nr200p/#image-Item9

https://www.coolermaster.com/jp/ja-jp


Corsair

https://www.corsair.com/jp/ja/p/pc-cases/cc-9011201-ww/4000d-airflow-tempered-glass-mid-tower-atx-case-white-cc-9011201-ww

海賊の帆がロゴになっているアメリカのメーカー。
PCケースのみならず、電源やメモリ、本格水冷パーツまで手掛ける総合メーカー。

主力製品は4000Dや5000D。最近ITX用のケースも発売された。
とにかくRGBライティングに力を入れており、まだ不安定な部分があるものの、全体的に残念な出来が多いRGBライティングソフトの中ではかなり優秀。自社製品を一括管理できるのも魅力の一つ。
RGBファンとコントローラーが付属したPCケースも多く発売されている。


Fractal Design

https://www.fractal-design.com/ja/products/cases/torrent/torrent/black-rgb-tg-light-tint/

スウェーデンに本社を構えるメーカー。Fractalとは多角形という意味。

PCケース好きで知らない人はいないといっても過言ではないDefineシリーズをはじめ、空冷最強とも名高いTorrentなどが主力製品。
静音性を重視したケースが多く、スウェーデンのメーカーらしく北欧デザインを取り入れており、PCケース版のIKEAなんて言われたりするとかしないとか。
熱の関係で採用は難しいとされてきた木材を取り入れたケースを最近になって複数発表、発売している。

https://www.fractal-design.com/ja/products/cases/terra/terra/terra-graphite/


HYTE

https://hyte.com/store/y60?v=113

アメリカのiBUYPOWERというメーカーの自作PCブランド。
ひと目でこの会社が作ったんだなとわかる個性的なデザインのケースを展開している。
2021年に誕生したブランドながら、すでにホロライブイングリッシュとコラボしたケースを3つも発売しているほどホロライブ大好きメーカー。たぶん社長の趣味。

https://hyte.com/store/mori-calliope-y40-case-deskpad-bundle?v=155

主力製品はY60やY40。グラボが縦置きオンリーながら、ロープロファイルPCI用のスロットが標準で用意されているため、対応したものを購入すればグラボを縦置きしながら拡張スロットも使用できるようになる。


IN WIN

https://www.in-win.com/ja/gaming-chassis/309_gaming_edition

常に我が道を往く台湾のメーカー。
COMPUTEXというPCパーツ関連の展示会で毎年とんでもないケースを作ることでも有名だったりする。
俺たちの技術力はこんなにもすごいんだぜ?と実用性はともかく自社の加工技術を見せつけてくる様は展示会としては正しい姿勢だろう。
しかもそれを実際に数量限定で販売するというのだからすごい。もちろん価格もすごい。

https://www.in-win.com/ja/gaming-chassis/z-tower

主力製品は少し前だと101や303。最近はA3やA5といったところ。
比較的安価なケースが多いがアルミを使用したケースも作っており、価格はお高め。
PCケースメーカーの中ではITXケースにも比較的力を入れており、Qi充電ができるA1 plusや、グラボ搭載不可と割り切ったケースもある。
フロントパネル前面にドットLEDを埋め込んだ309はかなりのインパクトがあり、ドット絵を書いたり簡単なゲームも遊べるという代物。あれ?これPCケースだよね?

BTO向けのケースをOEMで製作していることでも有名。


JONSBO

https://www.jonsbo.com/en/products/D31.html

中国に本社があるPCケースメーカー。
アルミを使用したケースが多く、特にミニタワーのケースを多く展開している。
取っ手のついた岡持ちケースやフロントパネルに液晶が付いているケース、コーヒーのドリップマシンのようなケースなど多彩なデザインを展開している。

https://www.jonsbo.com/en/products/T8PLUSSilver.html


LIAN LI

https://lian-li.com/ja/BOX/pc-o11-%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%AF/

PCケースやケースファンなどを手掛けるメーカー。本社は台湾。
アルミを使用した高級ケースが多く、O11Dの大ヒットによって一気に知名度を上げた。

主力製品はなんといってもO11Dで、ヒット後は数々のメーカーからフォロワーケースが発売されるほどPCケース界隈に大きな影響を与えた。
O11Dの陰に隠れがちだがLancoolシリーズは空冷ではかなりの冷却力をもつケースと評判。
ITX愛好家の中では有名なDAN Casesというメーカーとコラボしたりとミニタワーへも力を入れて展開している。
ロマンの塊である机型PCケースを作っているメーカーでもある。日本にも少しだけ輸入されたとか。

https://lian-li.com/ja/BOX/dk05f/


NZXT

https://nzxt.com/product/h7

モノトーンPCケースといえばアメリカにあるこのメーカー。
最近はレインボーのザ・ゲーミングからシンプルでおしゃれなライティングにする傾向が増えている。
それに一躍買っているのがこのメーカーといっても過言ではないだろう。
内部レイアウトに特徴はないものの、外装がとにかくシンプルなケースが多く、ファンも多い。
白と黒だけでなく、赤や青といったケースを販売していたことや、ヒロアカやサイバーパンクなど数々のコラボ実績もある。

https://nzxt.com/product/h510i-rivals

主力製品はH5やH7。フロントの材質に違いはあるものの、ブランドとしてのデザインが統一されており、PCケースの他にもケースファンやCPUクーラー、さらにはマザーボード(中身はASRock)も手掛けており、NZXT製品で統一ビルドを組むという人も多い。


SILVERSTONE

https://www.silverstonetek.com/jp/product/info/computer-chassis/alf2b_g/

日本では銀石なんて呼ばれたりしている台湾のメーカー。
他のメーカーにない特徴としてはラックマウント型やホームシアター型のケースを多く取り扱っている。今の流行りではないがガラス無しの5インチベイが付いているザ・業務用といった見た目のケースも多い。
倒立型、煙突構造のケースで有名だったりする。

https://www.silverstonetek.com/jp/product/info/computer-chassis/GD11/

主力製品はFARAシリーズ。5インチべイ付きが多いため、DVDドライブが欲しい!という方にも人気がある。

https://www.silverstonetek.com/jp/


Thermaltake

https://jp.thermaltake.com/cte-c750-tg-argb-full-tower-chassis.html

日本で一番売れているPCケースメーカー。本社は台湾。
発売されているケースは激安のものから高級なものまでさまざまで、種類も豊富。毎年発表されるPCケースの種類も他を圧倒するくらい種類が多い。
電源やメモリ、ケースファンや本格水冷などいろんなPCパーツを制作しているメーカーでもある。

主力製品はなんといってもVersa H26。2017年発売のケースながらいまだに売り上げ上位にいるほどのロングセラー商品。5年連続販売数1位は伊達じゃない。
本格水冷パーツを作っているメーカーなだけあって水冷が組みやすいようなケース設計になっていることが多い。

https://jp.thermaltake.com/versa-h26-mid-tower-chassis.html

某海外の大手YoutuberにThermaltakeのケースは冷えない。冷やすこと考えていないと言われたからか、最近はかなりエアフローに力を入れるようになった(かのYoutuberも改善方向に向かっているとコメントした)。


長尾製作所

http://www.nagao-ss.co.jp/n-frame-atx.html

日本に本社がある板金加工メーカー。
ベンチ台やオープンフレームタイプといったケースを多く手掛けている。ケースだけでなく、ちょっとした固定ブラケットやマウスやキーボードなどの置台なんかも作っている。板金製品ならなんでもござれなメーカー。

主力製品はN-FRAMEシリーズ。オープンフレームで取っ手がついていたりとメンテナンスにも持ち運びにも便利でLANパーティなどでも活躍しているとか。


おわりに

ここまで紹介したメーカー以外にも各マザーボードメーカーだったり中華向けに販売されているものなどPCパーツの中ではメーカーが一番多いと思う。
それだけケース本体にメーカーの個性が出たり、無個性だったり、パク…リスペクトだったりと本当に種類は多い。
残念ながらPCパーツの中では一番大きいパーツだし、壊れたりスペック落ちしたりするわけでもないので買い替えたり、複数持ちする人なんてそうそういないだろう。けど新作が出たら欲しくなっちゃうんだよなぁ。
新しいグラボがケースに入らないから買いなおしという人は最近多いかもしれない。

MODPC界ではケースを自作するフルスクラッチPCという分野もあり、木材やプラスチック、3Dプリンター、板金などでケースを作ることを楽しまれている方もいる。それだけPCケースの世界は奥深いのだ。

ケース選びというは確かに難しい。CPUやグラボのようにたくさんのレビューがあるわけでもなく、ファンの数やパーツの種類による影響が大きい。
冷やしやすいケース、冷えないケースはもちろん存在する。
安いものでは5000円、高いものでは数十万円とただの箱でもピンからキリまである。高けりゃいいってものでもない。
ただ、パソコンの顔となるのがPCケースなので見た目でビビっときたケースを買ってほしいと個人的には思っている(もちろん構成上問題がないことを確認してから買ってほしい)。

今後もグラボの爆熱化、大型化は進んでいくだろうし、それに合わせてケースメーカーもしっかり冷却力に力を入れた設計を行っていかないといけなくなってくるだろう。
2024年の初めにCESが開催される。
どんな新作ケースが発表されるのか今から非常に楽しみだ。

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