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求人ボックスの快進撃は続くのか。決算から読み解く「カカクコム」の戦略。HRのIR

元リクのなまリクです。主にHR領域や組織マネジメントについて書いています。今回はカカクコム社のIR分析です。

※この回は「カカクコム社 2022年3月期 第1四半期 決算(2021年4月〜6月)」を起点に解説しています。


コロナ禍の食べログ事業

カカクコム社。「価格.com事業」、「食べログ事業」を中心に、「新興メディア・ソリューショ ン/ファイナンス事業」の3セグメントで多数の事業を展開しています。なまリクの本記事では主に新興メディア事業の人材領域である「求人ボックス」を中心にお伝えします。

とはいえ、まずは価格コム全体の数字のおさらいです。昨期2021年3月期通期決算は減収減益(下図)。主力の食べログが新型コロナウィルスの影響により1Qに壊滅的な打撃を受けました。トータルで売上△16%、営業利益△32%で着地しています。

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カカクコム社2022年3月期第1四半期決算より。

2022年3月期通期予想は売上590億。食べログという飲食領域の依存度が高いため、売上、営業利益ともコロナ前に2020年3月期までは届かずという見通しです。なお、時価総額はおよそ6,790億。PSR(株価売上高倍率)は非常に高く10倍以上です。

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カカクコム社2022年3月期第1四半期決算より。なまリク作成


気になる求人ボックスの推移は?

さてここからは「求人ボックス」
YoYで売上+90%の伸び。YoYだと新型コロナウィルスの回復影響を受けますが、 QonQでも伸びており、4Qが求人需要の山と考えると4Q並に今回1Qが伸びていることから、季節性を超えて成長していると言えるでしょう。

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カカクコム社2022年3月期第1四半期決算より。

なお、求人ボックス自体の数字は開示されていません。求人ボックスの所属している事業セグメント(新興メディア・ソリューショ ン/ファイナンス )の売上が開示されているのと、大まかな推移積み上げグラフが開示されているので、なまリク独自に推計しています。現時点おおよそQ売上7億程度と推計。年次だと30億規模に成長していると推計できます(下図)

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カカクコム社2022年3月期第1四半期決算より。なまリク作成

1QはQonQで利用者、求人、売上ともに伸長しましたが、2Q移行この趨勢で伸ばせるかが注目ポイントになりそうです。
競合のindeedには遠く及んでいないと思いますが、第2の求人アグリゲーションとしての地位は盤石でしょうか?

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Googleトレンドより。なまリク作成


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