花より男子、星よりサテかな。花より男子がインドネシア音楽に与えた影響。

「自分で稼いだこともないガキが調子こいてんじゃねーよ」

貧乏高校生牧野つくしが、超金持ちな学園の人気者道明寺司へ一撃パンチ。「花より男子」は言わずと知れた、平成を代表する学園ドラマです。

あ、先に言っておきます。しばらく花男の話が続きますが、この記事の後の方にちょろっと台湾やらインドネシアの音楽のお話が出てきます。是非、そこまでお付き合いください。

サテ、「花より男子」が放送されていた当時私はまだ学生でしたが、クラスの半分以上はあのドラマを見ていたと思う、ってぐらい人気だった。その人気は海外にも広まり、韓国、台湾、中国でもリメイク版が放送されました。

と、勝手に思い込んでいたのですが調べてみるとそうではないんですね。マンガは日本のマーガレット初なのでドラマも日本初と思いきや、ドラマとしては2001年に台湾で制作されたのが初めてなんだそう。そして、台湾国内のみならず、シンガポール、インドネシアなど世界13カ国に輸出される大ヒットとなり、その人気を受け、逆輸入される形で2005年に日本版が制作されました。そこから2009年の韓国版、中国版へと繋がったというわけです。

同じドラマとはいえ、各国の演出や設定にも色々と差があるようです。私はまだ日本版しか見ていないのですが、時間があれば是非比較して見てみたいものです。例えば、タイトル一つとっても台湾版の花より男子のタイトルは、“流星花園”。花より、だんごより、星を見たいらしい。

また、台湾版と日本版の違いで一番驚いたのは、F4(ドラマに出てくる学校の人気男子生徒4人組)が曲を出していること!その代表曲が、ドラマタイトルをもとにした“流星雨という曲“。曲に関係ないけど、台湾のF4みんな髪なが!

この曲もドラマ同様に各国で大ヒットしたみたいなんですが、この曲、実は平井堅が2001年にリリースしたGaining through losingという曲の中国語カバーなんですね。歌詞は全く違いますが、メロディーは同じです。当時、台湾でも平井堅人気は高かったようです。

10年以上の時と、はるか海を越えて、2017年インドネシア。立て続けに曲紹介となってしまいますが、今回はそういう記事です。
Armadaというバンドが、”流星雨”をインドネシア語カバーしました。それがこちら”Asal kau bahagia”(君が幸せなら)

メロディーを若干変えているけど、サビのところは確かに似てる。歌詞は、「君を守るよ。星空一緒に見ようぜ」という、タピオカミルクティーの全糖(糖分最高レベル)以上の甘さの愛の歌"流星雨"とも、「過去を乗り越えて今がある」的なポジティブシンキング平井堅の”gaining through losing"とも全く異なる内容。"Asal kau bahagia"は「君さえ幸せなら、俺は大人しく身を引くよ」といった、三角関係の末破れた男の心痛む失恋ソングになっています。

もともとインドネシアでも台湾版花より男子のドラマと、その主題歌"流星雨"が流行っていたこともあって、"Asal kau bahagia"も案の定、Youtubeでは再生回数3億回越えの超有名曲に。平井堅はインドネシアでこの曲の大ヒットを知っているのだろうか。

インドネシアの"Asal kau bahagia"リスナーも、大元辿れば平井堅だということはあまり知らないようです。というか、私もこの三曲の中で初めに知ったのは、”Asal Kau Bahagia”で、次に”流星雨”、最後に"Gaining through losing"という順で知りました。

文化の波及力って凄まじいですね。形を変えて進化して、色んな形で人々を楽しませてくれます。

例えば今回の例で言うと、ドラマの波及過程は、
マンガ花より男子→台湾ドラマ流星雨→日本ドラマ花より男子→韓国・中国ドラマ
楽曲の流れだと、
平井堅Gaining through losing→F4流星雨→Armada Asal Kau Bahagia
と発展していきました。

もちろん、それぞれの作品を個別に楽しむのも、それはそれで十分楽しいわけですが、作品の背景を知ってそれと繋がりのある作品を見てみたり、他の国のリメイクを比較してみたりすると、違った楽しみ方ができるし、興味や知識も広がっていきますよね。そんなことを、きっと幅広い知識を持っている方々は無意識のうちにやっているのでしょう。

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