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[SS第1話] 百合ナース! 〜ジェラシー〜 [サロン連載]


「まさか、みなみがあのヒトとつきあうなんてねー」

「あのヒトとか言わないでよ。ちゃんと優花さんって名前があるんだから」

「はいはい。ナースの優花ちゃんでしょ。なんか、やーらしー」

「なんでよ!」


学校からの帰り道。


レイナは、飽きもせずに何度でもあたしを冷やかす。


仕方ない。あたしはさんざんレイナを追いかけてたんだから。

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あんなにぐちゃぐちゃしてた気持ちが、すうっと溶けたことに自分でも驚いてる。


そして、めちゃくちゃ感謝もしてる。


「今日は、これから優花さんとこ、遊びに行くんだぁ〜♪」

「へー」

「あのね、ナースって日勤と準勤と夜勤とがあって、準勤の日はわりとはやく帰れるんだって」

「へー」

「病院の近くに寮があってね、これがけっこーキレイなワンルームマンションなのよ」

「へー」


聞いてんだか聞いてないんだかわからないレイナに、嬉々としてしゃべりまくるあたし。


ほんとこんなのキャラじゃないけど、あたしはマジで浮かれてる。


病院で出会ったナースの優花さん。


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最初はちょっとうざめのおねーさんだなって思ったけれど、物分かりよくて優しいし、いつもすっごく一生懸命で、ピュアで清楚な感じだし、


なにより、あの声、あの胸、あの笑顔。


あー、もう、マジで好きになっちゃったんだよーーぅ!


♪♪ 新米ナースの優花でぇす ♪♪


浮かれるあたしのカバンから、突然、LINEの着信音が響き渡る。


このウルトラかわいい着ボイスは、もち、優花さんから。


でも、この時間になぜ? 


げげ、嫌な予感……


『ごめん。急患が入っちゃった』


ガビーン(死語)。予感的中。


ひ、ひ、ひどいよぉー。また、ドタキャンなの?


でも、命にかかわる仕事だからって言われたら、文句も言えない。


いや、もともと文句なんて言えない性格だけど。


退院してから3ヶ月。


なんだかんだで、優花さんとは週イチくらいしか会えてない。


それも術後の通院を含めてだよ!


優花さんは休みが不規則だし、夕方に会おうと思っても急患だの容体の急変だのでダメになることが多くって。


「夜中に会いに行けばいーじゃん」

「ウチ、わりと門限厳しいから……」

「プ。だっさ」


気のいいレイナは、哀れなあたしに自販機でジュースをおごってくれた。


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