ディープな小冊子『月刊ビル』を知っていますか?
先日、大阪の建築専門書店で見つけた小冊子『月刊ビル』。全10冊を大人買いしてきた。(と言っても1冊200~450円+税)(その時のnote↓)
パラパラめくるだけで、いや表紙をみるだけで、なにやら濃厚そうなマニアックな内容なのは想像できる。
企画・発行しているのはBMCという5名からなる「ビル好き集団」。冊子から引用すると
メンバーにはイケフェス大阪の実行委員である髙岡伸一氏も含まれる。
基本的には、大阪を中心に、各号1つのビルを取り上げて、その外観やディティールの魅力、ビルの歴史などを紹介している。ただ、他の建築雑誌と違うのは、1つは、ビルのオーナーや、施工やビル管理してきた人、歴史の証人ともいうべき人のインタビューがあり、建築当時の情熱、その商売全盛期の「イケイケドンドン」な空気、建物や会社への熱い情を感じられるところだ。
2つ目は、手すりやタイル、アール窓、テラゾー床、階段の段裏の美にまでこだわるBMCのマニアックな情熱。
第1号は2010年4月発行、最新のものは2022年7月発行。(ちなみに月刊ではなく、年刊くらいのペース)
ああ、こんな素晴らしいものを、今まで知らなくてごめんなさい。
BMCの存在は、『いいビルの写真集』という本を10年位前に購入して知っていたのだけれど。
こうやって大阪で、お宝ゲット(言い方古っ!)して帰ってきて、全部一気に読むのももったいなくて、毎日、数ページずつ大事に読んでいる。
というか、記事が濃厚すぎて、少しずつしか読み進められない。1文に、1写真にぎゅっと味が染み込んでいる。
中でも濃厚なのは特別号の味園ビル。(読むのは最後にしようと思っていたのに手に取ってしまった・・)大阪なんば千日前のレジャービル。大宴会場「味園」(500人可)、大キャバレー「ユニバース」(1000人の客、3つのジャズバンドに1000人のホステス) 昔はテレビCMもしていたという。大阪の人ならみな知っているのだろうか?
きらびやかな内装写真に吸い込まれる。なんとすべてオーナーがデザインして直営で工事したという。
編集後記を読むと「全部載せたら少年ジャンプくらいぶ厚くなるとこだったのを、ギュウギュウ絞ってお届けした特別号」とのこと。
ネットでちょっと検索しても、この味園ユニバースに魅了されている人は多いらしく、いろいろな情報が・・
おお・・底なし沼の入り口に来てしまったよう・・・あぶない、あぶない
そんなこんなで、毎日『月刊ビル』を楽しんでいる。まだまだ全部読めていないので、年末年始にかけてゆっくり味わって読もうと思う。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?