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【読書記録】『「多動性障害」児 「落ち着きのない子」は病気か?』榊原洋一著

インクルーシブ教育について知るうえで、障害とは何か?知る必要があると感じた。私の息子が発達障害と診断されたのは、約7年前、13歳の時、2016年の頃だった。当時、発達障害に関する本を何冊か読んだが、息子と当てはまらない気がして、それ以降、発達障害に関する本を読むのを避けていた。今は、もっと認知度があがり、当事者の方も本を出されたり、メディアで発言されたり、私たちが発達障害という言葉に触れる機会は多くなっている。

今回読んだ本は、2000年発行のものである。よって、情報が古いのだが、学ぶ事も多かった。

当時、アメリカの発達障害児の70%が薬を飲んでいる。リタリンである。リタリンは、2008年以降は、ADHDへの処方が禁止され、
代わりに、コンサータが、処方されている。リタリンとコンサータは、同じメチルフェニデート塩酸塩という成分だが、コンサータは、徐放剤として、効果はリタリン4時間に対して、12時間持続すると言われている。

この本は、コンサータになる前なので、リタリンの事について書かれている。著書は、リタリンを安全だと言っている。
多動の子は、薬物療法、行動療法、環境整備において、70~80%症状が軽減すると言っている。私の意見は、症状がなくなる、病気が治る。よかったね、ではないと感じている。その子の将来の幸せ、自立、長期での影響を考慮し、慎重に慎重を重ねなければいけない。その点では、著者の意見には同意できない。

本の中には、他に、行動療法、環境整備についても述べられている。しかしながら、発達障害を治療対象としてみなし、枠に当てはめようとしていると感じてしまった。

書籍情報
『「多動性障害」児 「落ち着きのない子」は病気か?』
著者 榊原洋一 お茶の水女子大学 子どもの発達教育研究センター教授
発行 講談社 
発行日 2000年8月20日


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