稼げなかったときの話をしようか

※タイトルは森岡毅さんの『苦しかったときの話をしようか』のオマージュ

ひきこもり、不登校経験者の知り合いがめちゃ大勢います。なぜそんな知り合いが多いのかは別として、いわゆるニート、ひきこもり気質の方々は『妄想』をベースに話を組み立てる特徴を持ちます。

妄想をベースとした思考とは、たとえば前に学生時代不登校だった女の子とお茶していたら

『高校時代は恋して勉強して部活してバイトして。自分もそんな青春を送りたかった』

みたいなことに囚われてらっしゃるのです。高校時代に、恋をして勉強にもはげんで、部活をがんばって、バイトもして・・・それができなかった自分は失格みたいなことをいわれるのですが、そんなスーパー高校生って事実なかなかいませんよね。

他にも別のひきこもり男子と話していたら


『企業は全部ブラック。日本は自殺者がたくさんおり経団連の前をデモで練り歩いた』


とか、本気でいうのです。社会問題に関心を持つのは素晴らしいことですが、経団連が悪の組織で、どっかのビル前をダラダラねりあるいたら問題が解決すると思っているのはかなりヤバい。

とにかく起点が事実に基づいておらず、すべて妄想で話が進んでいくのです。これはひきこもり傾向のある人に当てはまる特徴で、例外なく私もファクトベースではなくイマジネーションベースで物事を進めるところがあります。

ところで最近、ネットでお嬢様が次々と炎上しています。たとえば海外の一流大学に合格した女子が本を出せば『恵まれた環境を隠している』とか『貧困から貧しさすら奪う』と批判が起きました。また、『学歴より経験志向の履歴書を』と提案した若い女性起業家がいれば、『経験は金で買えるから、金持ちの戯れ言だ』みたいなものすごく激しい反発が起きていました。

結果、SNSのいたるところで謝罪が起きているわけですが、『経済的に恵まれている人が、自分たちの存在そのものを収奪しようとしている』もファクトに基づかない妄想でしかないんですよね。これって日本の貧困化というよりひきこもり化の弊害だとみています。

私は神戸の山の手出身で、まわりにお金持ちの子女がとてもたくさんいる環境で育ちましたが、みんなもちろん色々あるんですよ。当たり前に与えられて世間とずれてしまって苦労している人、親が結婚は契約と公言し結婚観が歪んだ人、片方が稼げる代わりにもう片方の親が我慢し抑圧を受けて何かが不全になった人。めっちゃいっぱいいます。

ただ金持ちは体裁を整えるのが上手く、家庭のいざこざを外でいわない・SNSに書かない理性があるので見えづらいだけなんですよね。

私自身もまた、人生がうまくいってなかった頃は妄想を出発点に物事を進めていました。しかし私の場合はたまたま事実を客観視することも決して嫌いじゃなかったのです。10年以上前、稼げなかった頃は苦しかったけれど自分がワーキングプアだと受け止めていました。

事実によりそってコツコツと自己改善するのが嫌いではなかった点が、ひきこもり気質を改善し、貧困から抜け出せた理由かなと思っています。


ご依頼等ございましたら、ここに少額を投げていただきメッセージを書いていただけると折り返します。