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小樽のキュレーターになるために。

2022年、小樽で「小樽なないろartプロジェクト」を立ち上げた。

家族や仕事がありながら、また自身の体調不安を抱えながら制作、活動を行っている方を応援したいことから。絵画や写真、立体作品、詩や音楽などartに関わるものならジャンルは厭わない。

以降、団体説明は下記リンクからどうぞ。

立ち上げたばかりで、いまは定例会、意見交換など。
主な活動はグループ展示の運営です。

先日、次に行う秋のグループ展の会場となる喫茶室ラブラド・レッセンスさんで良き時間を過ごしたときのこと。

写真展示など行っているツグミさんと私のパートナーあかねさんと3人でお茶をした。

秋の展示会にもご参加頂けるとのことで、打ち合わせも少し。

その中で、ツグミさんから小樽には公共のキュレーターさんはいてもフリーで活動してるキュレーターは会ったことがないと。
ご自身のこれまでの活動を経て、いまのスタンスにマッチするのは今回の秋の展示会のようなものだと思い参加を決めて下さった。

まさに、そう。私もそう思う。

どれだけアートが根付いた街でも、作家の数だけスタンスがあり、長く製作や活動を続けた人こそ転換期があり、いつだって元気一杯であるわけがない。

それでも自身の思いを表現したいと思い、表現を続ける事で自分自身でいられる。

その道すがら、寄り添いたいと思っているのです。私一人の小さな力でも、ほんの少しだけ手を差し伸べて、また大きく羽ばたけるその日の為に。

それには小樽という土地が、風や水が、ここに建つ建造物を含む景色が、ここに住む人々の人情が、作家さんの背中を優しく押すはずです。

提案を下さる作家さん、こんなことやってみたいという作家さん、会場の打ち合わせに同行して下さる作家さん、スタンスもフットワークもそれぞれ。

新しい出会いや新しいチャレンジはまた様々なアイディアが湧く種となり、芽吹いた小さなアイディアを大切に。それを適正な形で実現していく舵取りのようなことが私の出来る事でもあると思っています。

それぞれのスタンスや考え方は尊重されるべきとも思っている運営指針ですが、出来たら小さな体験を積み重ね、未来の肥やしを作家さん自ら作り出して行ってほしいなと願っています。

私は過去の経験からいまも助けられることが多くて、だからこそ体験したり肥やしを作ったりって大事な事だと思うから。

同じ場所で、同じ様な体験をしたとしても、それぞれの心に奏でるのは違う音色。自分で体験しないと。自分の音色は聴こえない。

きっと楽をして展示したいとか思う人の真逆に、私はいます。転びたくない展示だけをしたいと思う人とも一緒に出来ないかもしれない。

やってみて、話し合って、またチャレンジしたいから。
自分の力を蓄える場所にしてほしいから。
表面だけを取り繕って、アートを語りたくないから。

アートに癒やされ、助けられ、また逆境を感じ、静かな時間をもたらしてくれる…そんな、私の隣に居てくれるアートに真摯でいたい。そう思うのです。

ここにあるのはゴッホやピカソの絵ではない、何億とかでもない。
手を伸ばせばそこに温かみのある絵が。
おうちで過ごす時間を癒やしに変え、心の栄養を与えてくれるそんな作品たち。

どうか作家さんと交流し、思いを深めて、絵を買い求め、飾るということをすべての人に体験してほしい。
とっても言葉では言い表せない豊かな気持ちになる体験です。

私の主催、お手伝いする展示会は会場やコンセプトによって在廊·販売スタイルも様々。

初めての場所では特に、今回こういう事を試してみたい!という内容がある場所はご参加の作家さんにもお伝えし、ご了承とご協力を頂いています。そして実施結果は重要な経験として積み上げていきます。

在廊に関しても、これからも作家さんのスタンスを重視することには変わらない。ディレクションがしっかりある作家さんに至ってはキャラクター性もあるだろうし、作品の表現の仕方も作家さんの在り方を踏まえたコンセプトの場合もあるから。そういった理解が出来る範囲のセレクトは大歓迎している。

それと同時に、来場して下さったお客様の動向やご意見も作家さんとも共有していきたい。一期一会の時間はとても大事なものだと思う。

こんな展示会いままでなかったそう言ってもらえたら、いまはそこがすごくいいかな。

人生を憂いている時間も必要であるけど、苦しいながらに一歩を踏み出したことは誰よりも自分自身がよく知るように、一歩を踏み出したその一歩は未来の自分自身を助けるお守りになるから。

ゆっくりと、一緒に。

バナー写真:喫茶室ラブラド・レッセンス店主 Uさん




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