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面倒な感情「嫉妬」

ああ、今日もイラストが見つかって良かった。エコマム記事です。

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抑え込まれやすい感情「嫉妬」
「僕はモーレツに嫉妬しているんだ!!」。60歳をとうに超えたかと思われる大先生が、つい、最近のたまったお言葉。同年代の学者先生の書いた本がベストセラーに入っていることに対してのお気持ちの吐露。率直で正直。「すごい。この先生ってパワフルだなー」と心から敬服してしまった。というのも、自分の中の「うらやましい」という気持ちや嫉妬をあらわにする
ことって、なかなか出来ないことなのだ。

嫉妬の感情は「怒り」「落ち込み」の感情とともに自分のなかに沸き起こっていても、抑圧されやすい感情。嫉妬にしても怒り、落ち込みにしてもその感情を感じると、もう一度いやな気分になるものだからだ。「これくらいのことで怒るなんて、自己コントロールに問題があるんじゃないか」と自分を批判したくなったり、「落ち込むなんて弱い」のようにもう一度落ち込むような気持ちを味わったり。同様に嫉妬する、うらやましく感じるということは「自分にはそれがない」ということを再確認してしまうことになる。傷つき体験につながる感情なのだ。

「嫉妬」はイタズラをする
嫉妬の感情について話すとき、よく例にだすエピソードがある。それは仲間うちで、共通の友人Xが一軒家を建てたという話をしていたとき。そこにいたAがいつもの彼女からは想像できないような口調で「爪に明かりを灯すような生活していりゃあ、家も建つわよね!」と言ったのだ。その場にいた何人かは「えっ?」というような表情でAのことを見つめた。その場の話は次へと流れていったが、後でより親しい数人で「Aったらびっくりしたよ。あんな言い方するんだもの」という話がAのいるときに出た。「そんなだった?私ったらよっぽどXが家を建てたのがうらやましかったんだねー。言ってるときは気づかなかったけど」ということだった。
「羨ましい」という感情が相手をこき下ろしたり、皮肉な物言いになったりというイタズラをすることがあるのだ。

「嫉妬」に目を向ける
もうひとつ、学校での研修で先生方に「『○○先生、ひいきするんだよ。Aちゃんばっかり当てるんだもん』と子どもから自分以外の先生のことについて言われたら、なんと応えますか?」という課題を出したことがある。そのときに、「この、訴えている子の気持ちはどんな気持ちでしょう?」とも聞いてみた。「いろいろな人に対して、いろいろ感じると思うけど、Aちゃんに対しての気持ちはどうですか?」と聞いたところ会場からくすくす笑いが聞こえたり、目配せなどが見えたり。正面から扱うには扱いがたい、口にして良いものか、といった雰囲気だった。Aちゃんに対しては「うらやましい」「いいなー」というような感情を感じていてもおかしくない状況だけれども、それに気づいてしまうことに抵抗があるようだった。
このエピソードでもやっぱり「嫉妬」「うらやましい」という感情が恥ずべきもの、目を向けてはいけないものという感じが伺われる。

「嫉妬」は自分のやりたいことを見つける手がかり
毎度同じことばっかり言っているようだけれども、感じてしまうものは仕方がないのだ。感じているにもかかわらず目を向けてもらえない感情は、時にイタズラをしかける。嫉妬、うらやましい感じが自分の中で起こったら、まずは「そう感じてるんだなー」と目を向けみる。そして、面倒だから一時棚上げにするという手もあるし、これを「自分はどうしたいのか?」を見つけるきっかけとして使うという方法もある。

たとえば、セレブの生活ぶりを見て「いいなー、羨ましい」と思ったとする。次に「あなたは、そんなふうになりたいの?」と聞いてみる。それとひきかえに差し出すものもイメージしてみたりする。すると「そうでもないな」と思えることが多いものだ。そのなかで「そうなりたい!!」という場合もある。そうとなったら目指すべき方向はクリアに。

嫉妬を感じたら、「私はそっちに向かいたいの?」と聞いてみることがオススメ。というわけで、初めに登場した先生。次々と新著を出版中でいらっしゃいます。

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