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ワンオペ育児に感じた私たち夫婦の「埋まらない差」

5歳と2歳の子どもがいる我が家は、典型的なワンオペ家庭だ。

夫は激務で平日はほとんど子どもたちと接点がない。どちらの両親も遠方。気軽に頼れる身内は近くにいない。育児の大半を、私が担ってきた。

言葉に出来ない夫への怒り

長男が生まれてから5年。私は何度夫に対し言い知れぬ怒りを感じただろう。

長男を生んだ翌日、授乳の前後に測る体重の4桁(g数)を覚えられなくて愕然とした。朝一でやる尿検査をすっかり忘れ、調乳指導では何を言われているのか理解できず?マークが頭を占拠していた。

頭はモヤに覆われ、うまく思考ができない。そんな自分の変化に困惑し、このままじゃヤバイという焦燥感だけがふくらんでいった。

こんな状態で、私はこの今にも死んでしまいそうな非力な赤ちゃんを守れるのだろうか。

その予感は的中し、この後私はどっぷりと産後鬱を経験する。

(産後鬱の詳細はまた別の機会に)

夫は様々な面で私をサポートしてくれた。

家にいる間は、授乳以外のほとんどすべてのことをやった。

一方で、一カ月検診に間に合うようにとあれだけ言っておいたのに、提出されていなかった健康保険の申請書。

止めていない肌着のボタン。あけっぱなしのおしりふきの蓋。ぬるすぎるミルク。一向に気付かないうんち。

ほんとうに些細なことで、わたしは夫への「憤り」と己の心身の「不自由さ」を感じ、幾度も苦しくなった。

なにより、感情を的確に言葉に出来ない自分がもどかしかった。

頭が働かない。不快感は確かにここにあるのに、表現する術を持たない。

粗暴な言葉のまま、旦那に投げつけた。

夫はれっきとした父だった

今思うと、夫はこの5年、いつも一生懸命頑張っていた。

激務と言われる仕事を粛々とこなしながら、疲れた顔を見せず、言い訳もせず、私の理不尽も受け入れた。彼はただひたすら一生懸命に子どもを育てるため、努力し続けた。

にも拘わらずいろんな場面で、私は怒りを感じ続けた。

私から見た夫が常に「できない」理由

先日出会い、衝撃を受けた本「アウトプット大全」(樺沢紫苑著)。

私に様々な気付きを与えてくれた。

最も自己成長につながる「最強のアウトプット法」をひとつ挙げると、それは「教える」ことです。

手探りではじまる育児。

何か少しでもわからないことがあれば、すぐに本やネットで調べる。(インプット)

そして即、やってみる(アウトプット)

子どもの様子を見ながら(フィードバック)

試行錯誤する(アウトプット)

さらに、その経験から学んだことを随時旦那に共有し、教えるのだ(アウトプット)

これだよ、これ。
素晴らしいインプットとアウトプットのサイクル。

このおかげで、私(というか世のママ)は自分でも気づかない程、ものすごいスピードで育児のレベルをあげてく。

インプットとアウトプットの繰り返しだけでなく、「人に教える」ことによって、より理解し、再現性を考えながら試行錯誤をすることが、自然と身についていた。

私が一通りの試行錯誤を済ませ、旦那に伝えている時、

すでに私たちの間には、埋めることが難しいほどの差が広がっている。

親として同じスタートを切ったはずの旦那が、私と同じレベル感にまで並ばないのは、単に育児に向き合う時間の差だけではなかった。

私が旦那に対し、「できていない」と感じるのは当たり前

しかも単なる旦那の努力不足によるものではなかったことも理解できた。

これにより、

夫が頑張っているのもわかっているのに、なぜかものすごくイライラしてしまう自分が半分くらい成仏した。

テトリスが横一列そろうと消えるのように、

突如すん…!と難解な形をしたブロックがはまり、自分の中のモヤモヤとした部分が昇華されるこの感覚。ヤミツキだ。

この構造がある限り

ワンオペ家庭で、私が普段メインで育児をしていて、旦那に伝える立場である限り、おそらくこの差が存在し続ける構造は変わらない。

けれど、私たちの中に存在する「差」は、

旦那が出来ないわけではなく、努力不足だからでもなく、

「私が旦那に教える立場にあるゆえ、ものすごいスピードで熟達しているため起こっている」と知った私はもう、

むやみに旦那を責めることはしなくなるだろう。

これから旦那が何かをしでかしても、

「ま、私が出来すぎちゃうから仕方ないか、うふ」

くらいの軽さで、

なんでもないことのように流せるようになれたらな、なんて思う。

解釈の手立てとしての学び

私が今回新たなの視点を持ち、過去の出来事を再解釈したときに

急に腑に落ちたり、納得が出来たり、昇華できたり。

私たちはそれぞれ、自分がより楽になる理由を探し求めながら生きてく。

燻ぶったままの大きな感情を別の角度から見て、解釈を変化させる。

これからもそんな面白い経験ができることを期待して、今日もせっせと学びたい。

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