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【小説】蒼剣の歪み絶ち(著: 那西 崇那、画:NOCO)紹介

《作品概要》

少年は「生きたい」と願った──願いの代償に、運命を破滅させる魔剣に。

《歪理物》──この世界の歪みを内包した超常の物体。
伽羅森迅が持つ蒼剣もその一つ。願いの代償に持ち主を破滅させる《魔剣》に「生きたい」と願った彼は、生きながら周囲をも呪う運命を背負わされた。
《本》に運命を縛られた無機質な少女・アーカイブと共に彼は《歪理物》が関わる凄絶な事件と戦いの日々へ身を投じる──彼の歪みに巻き込まれ、アーカイブの依り代とされてしまったあの少女を救うために。かつて希望を見せてくれたあの少女を……。

「絶対に助ける。……たとえそれが、アーカイブを消すことになっても」

二人の呪われた運命の歯車は、一人の女子高生と《文字を食らう本》に出会い、急速に回り出す。
その先に待つ未来は破滅か、それとも──。

最後の1ページまで最高のカタルシスで贈る、第30回電撃小説大賞《金賞》受賞作。

《雑感》

✅️英雄的主人公が好きな人はぜひ
✅️本に運命を縛られた少女に癖が刺さりそう
✅️臨場感のある戦闘描写がよい
✅️装丁や目次がいちいち格好いい
✅️なのに伝説の魔剣は見た目がおもちゃ
✅️鬱展開でも欠かさぬ小ネタ

歪理物という怪異的な物体、呪いの魔剣、『本』に運命を縛られた少女・・・・・・なかなかに厨二病的ワードが飛び交う紹介文。そして肝心の物語は主人公がひたすら善性で英雄的なことから、古き良きラノベを思い出す人もいるかも。とはいえ、物語の肉付け自体は現代的。

内容で印象的だった点は、歪理物という怪異的で少し理解が難しい存在を物語にうまく反映させ、特に戦闘描写ではその世界観を活かして臨場感豊かに描いている点。目に浮かぶような表現に高評価。

中でも一番のポイントが主人公の相棒で、本に運命を縛られた少女アーカイブの存在。彼女の行動、言動、振る舞いの全てが、この物語の個性を際だたせたのは間違いない。ちなみに設定がかなり盛られているので、癖に刺さる人は確実にいそう。

それから、たまに小ネタあり。シリアスで鬱な気分に落ちていきそうな展開のなか、時折「くすっ」としそうなやりとりもあり、程よく気が抜けたかも。

最後に、紙本買った方は格好いい装丁を楽しんだら、カバー外して裏面も見てね。

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