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年末年始ヨーロッパ旅行記 観劇イギリス編 Part1


これまでドイツ編・フランス編と書いてきましたが、

イギリス編は今までと打って変わってミュージカル限界ヲタクによる限界ミュージカル旅。

ここで先に注意しておきたいのが、今回の旅で体調壊してしまったので絶対に参考にはしないでください。
もし計画中の方がいらっしゃいましたら無理のない範囲で楽しめるように自分の体調や体力と相談しながらスケジューリングしてください!



ここまでの前書きしてるので一体何してたか?というと
滞在10日間で16公演のミュージカルや演劇を観劇してきました。
帰国日に観劇は入れなかったので、実質9日間で16公演
振り返ってみると、本当にスケジューリング能力がなくて、どこまでもミュージカル馬鹿だなぁと感じてしまいました。
反面教師として笑いながらこの先も読んでいただけると幸いです。



1日目


到着

この日はパリから飛行機で移動。朝出発でお昼の12時半ごろに到着。
ちなみにこの日は雪の影響でユーロスターがお休みになっていたので、本当にラッキーでした。

入国審査や荷物待ちなどを乗り越え、一時過ぎに空港の駅を出発。
そこから、この日の昼公演(通称マチネ)で間に合いそうな公演を探して、間に合いそうな2時半開演のミュージカル「ELF」をその場で購入。

一緒に移動している親友に荷物とホテルチェックインを任せて、劇場に直行。
(思い返すとこんなわがままに笑顔で付き合ってくれる親友に感謝)
開演5分前に余裕で到着。


Elf The Musical

ロンドンでは珍しい大型のドミニオン劇場で大人気クリスマス映画のミュージカル版ということで家族連れが多かったです。
作品自体は笑いあり涙ありのクリスマスムード全開ほっこりミュージカル。
特に終盤の客席全体に雪が降る演出やソリにのったサンタさんが客席の上を飛んでくる演出には客席全体で子供たちの喜ぶ声や大人たちのどよめきが響いていました。この飛んでくる演出は来年劇団四季で上演予定のBack to the Futureにもあるのですが、どんだけ考えてもカラクリがわからない文系脳なので、魔法と思うようにしています。

カーテンコールの様子

そしてちょっと特徴的なのは、クリスマス作品ということもあって、カーテンコール後にキャスト陣から恵まれない子供達への寄付の呼びかけが。
客席を後にするとホワイエやロビーに劇場係員さんやキャストさんが寄付用のバケツ、またはクレジットカード読み取るやつを持っていました。
学生なので微々たるものですが、私も寄付してきました。

ただ今回めちゃくちゃ焦ったのが
途中まで英語のセリフが何いってるのか全然わかんなかったこと。

英語はできるはずなのですが、ここまで親友や親戚と日本語しか話してなかったので、英語脳に全然切り替わっておらず、英語のセリフが全然飲み込めない。テンポの良い会話に置いていかれる。
1幕中盤からだんだん脳と耳が慣れてきてやっと理解できましたが、慣れって怖い。本当に怖い。
(もし空港から直行で観劇予定の方は洋画を字幕で見るとか、できるだけ英語脳に切り替えてからがおすすめです)

Theatre Diner

そして終演後、親友と合流して夜公演(通称ソワレ)まで時間があったので、昨年できたミュージカルオタク名所 Theatre dinerへ!

店内の雰囲気

昨年の夏に行ったTheatre Cafeの系列店。
店内に所狭しとミュージカルに関する装飾が施され、ミュージカルの楽曲が爆音で流れ、メニューもミュージカルジョークだらけ。
しかもTheatre Cafeとは違って、ここでは店員さんのライブパフォーマンスあり!
店内のボードに楽曲リクエストできたり、コールアンドレスポンスがあったり、結構観客参加型。

もうミュージカルオタクにとっては、終始大興奮の天国でした。
親友とBGMに合わせて熱唱しながら(みんな歌ってるので注意されません笑)、ライブパフォーマンスにヒューヒュー言いながら楽しくマチソワ間のディナーをいただいてきました。

キンキーブーツの椅子!可愛い!
お食事の感じ
この黒板はソングリクエスト。
ポスターはキャストのサイン入り。

ちなみに流される楽曲は王道のレミゼ、オペラ座、RENT、Hamiltonとかはもちろんなんですが、懐かしのgleeとかLegally Blondeとか。
海外で人気なHeathers、SIX、Hadestown、Book of Mormon。ロンドンで観劇予定作品の楽曲もたくさんありました。
あげ出したらキリがないけど、高校生くらいからどっぷりハマってきたラインナップがずらり。たまらなく居心地が良かったです。

あと今回はたまたまスムーズに入店できましたが、基本的にマチネ前(12:00~14:00)やマチソワ間(17:00~20:00)の時間帯は本当に混んでいるので事前予約をおすすめします!

Sondheim's Old Friends

Theatre DinerでテンションアゲアゲでむかったのはGielgud TheatreのSondheim's Old Friend!

ミュージカルではなく、2022年に亡くなったソンドハイム追悼コンサート。
いつかこの目で拝みたかったバーナデット・ピーターズとレア・サロンガ含めたキャストがソンドハイムのバラエティ豊富な楽曲たちを鮮やかに彩っていくコンサート。


豪華なキャスト陣


客席全体が興奮と感動で泣きじゃくる迫力満点のナンバーや大御所に何やらせてるんだと突っ込みたくなるコメディタッチのパフォーマンス、ほとんど本公演レベルの豪華な演出、客席とみんなで合唱するフィナーレ。
どれも本当に素晴らしかったですし、何よりもソンドハイム氏への敬意と愛を全身で浴びて、幸せな気持ちになるコンサートでした。

私は限界ミュージカルオタクなので、1幕から泣きっぱなし、定期的に呼吸忘れるヲタク全開で観劇。2幕は泣きすぎて、パフォーマンスを肉眼で見たい自分と涙が止まらない自分との闘い状態で本当に大変でした。笑


カーテンコールの様子


ちなみに親友とは席が別々だったので、私は隣の席のレアサロンガファンのお客さんと大盛り上がり。そのお客さんはこの公演のプロ観客でレアの出てくるシーンを教えてくれたり、掛け声を一緒にしたり、それに対するファンサに二人でキャッキャ楽しんでました。

終演後は親友と合流して、公演プログラムを見返しながら寝るまで大興奮で感想を言いあってました。
ちなみに親友と二人揃って、Bradley Jadenのオオカミ(Into the Woods)がカッコ良すぎて、堕ちてて趣味が合うのを再認識。
気になる方のために画像貼っておきます。(お察しの通り、宣伝効果抜群なので広告によく使われていました。)

Bradley Jadenのオオカミ



この日の帰り道のイルミネーションの写真をちょこっと貼りますね。


二日目(大晦日)

Christmas Feast 2023

この日は大晦日。街はパーティーモードでみんなソワソワワクワク。
そんな中向かったのは、クリスマスをテーマにしたイマーシブダイニング。

ここはインスタで見つけたエンターテインメント。
劇場街とは離れたウエストケンジントンにある施設で季節ごとに内容が変わるイマーシブエンタメです。

今回はホリデーなので、イギリスの名作「クリスマスキャロル」をベースの作品です。

開演前から世界観の作り込みが徹底されていて、まずはチケット。
予約時に届いたメールには手紙の添付がされていて、送り主はチャールズ。
(ちなみに予約メールの送り主はスクルージっていう謎)
手紙の内容はディケンズ邸ディナーパーティーへのご招待ですが、言い回しや文章が世界観バッチリで本当にチャールズ・ディケンズの友達になったかのよう。

そして、会場内に入る時はEチケットにQRコードがガッツリ書いてあったはずが、口頭で名前を言って、スタッフさんが紙の手書きの予約表をチェックして案内してくれます。
今時ミュージカルやエンタメチケットはQRコードにかざすだけなので、既にこのアナログっぷりに興奮。

素敵な制服のお給仕さんに案内され、ホールに入ると真ん中のステージを中心にテーブルと客席がぐるりと囲んでいます。その周りにはディケンズ邸を模したとっても華やかで素敵な装飾。

それぞれホリデー仕様にドレスアップした人、チャールズ・ディケンズの時代の衣装に身を包んだ人、家族みんなでワクワクの人が集まった素敵な空間でした。

三幕構成で1幕終わるごとにスターター、メインディッシュ、デザートとお食事が運ばれ、食事を楽しむ形式。
パフォーマンスの内容はチャールズ・ディケンズがゲストたちに向けて、アンサンブルの演奏に乗せて、書き上げたばかりの「クリスマス・キャロル」の説明をする一人芝居。

生演奏

一人芝居なのでチャールズディケンズが登場人物全員を演じますが、時々お客さんが物語の登場人物として参加します。
スタッフさんから帽子やキャンドルといった小道具と書かれたカードを渡されて、セリフを読みながらちょっと参加する形式。
ちなみに私は地方貴族のお嬢さん(唯一のボッチ参加のため)として、ダンスパーティーでみんなと踊ったり、ティムの死を弔ったりしてきました。

小道具と渡されたカード

その他にも、撮影OKのこの公演ではインスタや動画映えする演出やマジックなど常にサプライズがたくさんありました。

全体的に予約時から徹底された世界観が最後まで丁寧に演出されていて、ちょっとしたタイムワープ気分を味わうエンターテインメントとしてとっても楽しかったです。また、初体験だったイマーシブダイニング。
イマーシブ演劇は体験しているのですが、お食事があると空間の使い方やシステムがまたちょっと違ってとっても面白かったです。

ただ一つだけ、、、。
お食事はびっくりするくらい味が濃かった。(特にスターターは濃すぎてあんまり食べられなかったです。)
一応有名シェフが監修だったのですが、日本人の舌には合わない感じかな?

スターター(全部味が濃い!笑)
メイン(スターターよりはマイルドだけどやっぱり濃かった)



一方、アルコールなどのドリンクは作品をイメージした素敵なカクテルがたくさんあって、どれも美味しかったです。
本当に種類が多くて豪華だったので驚きでした。

カクテルメニュー

ちなみに今はマーダーミステリーにテーマが変わっています。
気になる方はLost Estateで検索してみてくださいね!


National Gallery

ソワレ前に親友と待ち合わせ。
1時間くらい早く着いたので、大好きな絵を眺めて、どっぷりと絵画の世界に浸っていましたが。何回も来てるのに全然時間が足りなかった。


サクッとまわった後は、トラファルガー広場のイルミネーションとクリスマスマーケットを覗いてきました。
(超観光地価格でドイツのクリスマスマーケットの4〜5倍の価格でびっくりしました)

小さめなクリスマスマーケット


この時間から街全体で定期的に市長からアナウンスが。
年越しの花火のチケットは完売してるから、チケットを持たない人は帰ってBBCを見ろとのこと。
アナウンス以外でも看板やポスターでいろんなところでアナウンスされて、テムズ川への道も閉鎖が始まり、警備員が入り口でチケットチェックしていました。

セキュリティの様子


ミュージカル「Cabaret」

こんな厳重な警備体制のなか、ミュージカルのチケットを警備員さんに10回ぐらい見せて、親友と別れてやっと辿り着いた劇場。



本作はリバイバルなのにも関わらず、今ロンドンで最もホットなミュージカル。
チケットは相場よりはるかに高いし、開幕して2年以上経ってますがまだまだ大人気。しかも、この春主演エディ・レッドメインでブロードウェイにも上陸予定。
(BW公演はとんでもないチケット価格でちょっと話題になってました。)

人気の理由は、この作品で感じる特別感。
まず劇場内は撮影を徹底的に禁止。最初に入り口で撮影禁止のシールを携帯の外カメラに貼られるほどの徹底ぶり。

そしてお次は劇場からシュナップスのショットのプレゼント。
ほろ酔いになって、中を進むと、ロビーやホワイエと劇場のそこらじゅうでプレショーのパフォーマンスが行われています。

セクシーな衣装に身を包んだ演者による軽快な演奏と怪しいパフォーマンス。
ノンバーバルにキャストと観客がコミュニケーションを取ることができ、どんどんKIT KAT CLUBに入店した気分に。

この時点で声を大にして言いたいのは、何もかも洗練されてるし、私の好みにドンピシャ!あまりにも好みな雰囲気なので、終始トキメキが止まらない。
そんなときめいてる(ぼっちの)私に絡んでくるキャストとコミュニケーションを取ったりして、どんどん作品の世界観に浸っていく過程が楽しくて楽しくて。

Cabaretはもっと(いい意味で)いかがわしくて、もっと(いい意味で)悪趣味で、もっと(いい意味で)退廃的なイメージだったのですが。

本作のKITKATCLUBはパステルカラーやビジュー、パール、ベルベットを使った衣装、カラフルで魅惑的なドラァグメイクに近いメイクアップなどは可愛さと怪しさが両立した世界観。
このショーアップされた世界と対比して、アパートのシュナイダーさんやシュルツさんは普通の衣装だし、クリフォードは上品にスタイリッシュにまとめられています。

公式より
公式より

こんな感じで衣装やメイクも洗練されていて素晴らしいのに加えて、この公演は円形のぐるぐる回るステージでキャラクターを、ドラマを、様々な視点で観る(というより観察に近い)ことができ、観る人によって千差万別の経験ができます。
また、演者の出ハケは客席の真横の通路を取っていくので距離感が格別だし、クラブ設定なのもあって、観客とのコミュニケーションも多くて、随所に特別感を感じさせてきます。

公式より

特に、サリーの魂の歌唱「Cabaret」では劇場全体が一体となって聞き入る緊張感が彼女の歌唱によって、徐々に恐怖や不安、高揚や感動といった感情がごちゃ混ぜになって、最後には大歓声。本当に素晴らしかった。
全てのピースが本当に本当にかけがえのない時間で、たまらなく「特別」でした。

ただ私の拙い文章でこの作品の魅力を語るのにを限界がありますが。
Cabaretという作品の魅力を最大限に活かし、うっとりするほど粋な演出と世界観にどっぷり浸れる3時間。そして、ここでしか経験出来ない特別感がクセになってまた見に行きたくなる作品でした。
ロンドンでここまで人気なのも納得。ブロードウェイでも大評判になるのは間違いなしでしょう。

Mayor of London's New Year’s Eve FireWorks

終演後、2023年は残り1時間半。
既にチケットを取ってある花火鑑賞エリアに急いで向かいました。
本来なら電車で5分の距離ですが、駅が閉鎖し、通路もセキュリティが万全なので、歩いて30分。凍える寒さで足が攣りながら移動。
ちなみに親友と同じエリアのチケットが取れず、年越しはまさかのぼっち。
やっと辿り着いた鑑賞エリアも激混み。私の鑑賞スポットは少しランクが下がる斜めから見る場所。

結果、めちゃくちゃしょぼい。


年越し後も全くネットが繋がらず、充電もやばくて、なんとか親友と合流しても、駅が閉鎖寸前で全力ダッシュですり抜けてなんとか帰路につけました。
振り返ると結構すったもんだの年越しでした。笑

ちなみに親友はベストスポットのチケットを取れた幸運と年越し6時間前から待機していた根性のおかげでBBCのテレビカメラの目の前を陣取ることに成功。
送ってもらった写真はまるでポストカードのような素晴らしいものだったのでここで紹介しますね。本当に同じ花火を撮った写真とは思えないほど全然違う。笑



今回はまだ最初の二日ですが、ここまでになります。

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ありがとうございました。


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